下記はプレシデントオンラインからの借用(コピー)です

最初に報じたのは「週刊女性」だった
「小室圭は眞子さんと元カノと同じ時期に交際していた」
「元カノとは、かなり関係がこじれた末に別れた」
ついにここまで来たか、フライデー(3/23号)を読んでそう思った。
秋篠宮眞子さんと小室圭さんの結婚延期についての週刊誌報道は、踏み入ってはいけない領域まで来たのではないか。
圭さんの母親・佳代さんと以前交際していたという元婚約者(68)が、昨年末に週刊女性に話した「金銭トラブル」が他誌でも報じられ、憂慮した天皇、皇后と秋篠宮家が相談して、2年の延期をすることを発表した。
破談か多少の曲折があってもゴールインするのか、週刊誌ごとに見方は違っていることは、以前にも触れた。
それ以来、眞子さんは元気がなく食欲も減退しているという報道もあるが、彼女は圭さんのことを愛していて、「絶対結婚する」と母親である紀子さんに強くいっているという見方もある。
元婚約者の言い分を垂れ流すばかり
女性自身(3/20号)では、父親である秋篠宮は「結婚を応援する」といっていて、不安視する紀子さんとの間に「亀裂」が入っていると報じている。どの情報も誰それの関係者、匿名の知人などからの伝聞で、真偽のほどは分からない。
そこで、ほとんどの週刊誌が、元婚約者のところに日参し、その男性のいうことを鵜呑みにして、誌面で垂れ流しているのが、婚約延期報道の実情である。
今一度経緯について触れておく。この金銭トラブルを最初に報じたのは週刊女性(12/26号)だった。
圭さんの大学の授業料や留学費用、生活費だといわれ、件(くだん)の男性が振り込んだ明細(友人提供)まで載せている。
だが、男性は借用書をもらっていないから、裁判を起こしても「贈与と認識していたのではないかと推認されてしまう可能性が高い」ため、取り戻すことは難しいと、同誌で弁護士が語っている。
当時の私信メールまで出して不実をなじる
週刊現代(3/3号)で元婚約者自身がこう話している。
2年間続いた婚約を解消したのは12年の9月。翌年『おカネを返して』と手紙を送り、その年の秋、彼の自宅に佳代さんと「圭さん」が来て、弁護士と相談したという手紙をその男性に渡したという。
佳代さん側の主張は、おカネは贈与であり、婚約を一方的に破棄されたため、精神的な傷を負ったというものだった。
元婚約者は、佳代さんとは1回手をつないだことがあるだけで、キスすらしていないと語り、「私は単なる踏み台だったのでしょう」と自嘲しているという。
その後、佳代さんの実家の宗教問題などが取り沙汰されたり、母親が秋篠宮家にカネを貸してもらえないかと頼んだという報道があったが、裏が取れている話ではないようだ。
動きのない小室家側に業を煮やしたのか、元婚約者は佳代さんと付き合っている当時の私信メールまで出してきて、彼女の不実を詰(なじ)るのである。
男性の品性を疑わざるを得ない
週刊現代(3/17号)に掲載された元婚約者の「告白」によれば、佳代さんは、結婚を前提に、お互いの総収入を等しく分けることにしてくれと、彼にメールを送ってきた。
その上、事実婚を知られると亡くなった夫の年金がもらえなくなってしまうため、注意してくれとまでいってきた。
彼の生命保険の受取人が娘になっていたのを、自分にしてくれともメールをしてきた。
メールのいくつかは誌面に掲載されているから、2人の間でこうしたやり取りがあったのだろうが、何度もいうが、これは私信である。
それもお互いが結婚しようと合意していた時期に、やり取りをしていたものだ。そうした私的なやり取りを、週刊誌で暴露するというのは、この男性の品性を疑わざるを得ない。
「彼女に貸した400万円が手元にあれば」というが
週刊文春(3/15号)は、こうした元婚約者の告発には批判の声がないわけではないとしながら、この元婚約者が告発に至った経緯を書いている。
彼は秋田県出身で、高校卒業後、上京してスイスの高級腕時店で修業したという。その後、フランス系のメーカーで、万年筆などの修理の仕事をしていた。
だが昨年6月、パリの本社から雇用契約の打ち切りをいい渡されてしまったそうだ。住まいのローンが残っていたため、新しいアパートに引っ越し、クルマも手放した。
その時は、彼女に貸した400万円が手元にあればと思いながら暮らしていたという。
仲のいい友人と飲んでいた時に、そのことを話すと、「それはひどい!」と憤り、その友人から女性誌(週刊女性)に話が伝わったというのである。
現代と同様のおカネを無心するメールを示し、私への返済のために宮内庁のおカネは使ってほしくない、それは税金だから、「圭くんは若い。本人が働いて稼いだお金で返せるはずです。少額ずつでも良いから、せめて『返す意思がある』ことは示してほしい」と語る。
モラル的な問題はあっても、訴訟にはなり得ない
耳障りのいい言葉だが、事実関係がこれまでとは違うところがある。元婚約者がカネを返してほしいという手紙を送ったのは、13年頃だったはずである。
最初に報じた週刊女性でも触れているように、彼は彼女から借用書を一枚も取っていないし、佳代さんは、「贈与されたもの」だと主張しているのだから、わだかまりはあっても、過去の話である。
この男性のいうことが100%事実ならば、彼女の側にモラル的な問題はあるかもしれないが、訴訟にはなり得ない。
4,5年前に起きたことを、去年のことにすり替え、結婚話が進行している最中に、週刊誌に小室家に不利な情報を流し、私信であるメールまで公開するやり口は、褒められたものではない。
そして冒頭の、圭さんには付き合っていた彼女がいたということまで暴露するのである。
フライデーによれば、その男性はこう語っている。
「(眞子さまとは別の)彼女の話が出たのは、圭くんがアメリカ留学に行った’12年9月の少し前だったと思います。圭くんと母親の佳代さん、そして私の3人で食事を終え、お茶をしていた時。佳代さんがふと、『圭ちゃん、あのお嬢さんとは、最近どうなの?』と切り出したんです」
あのお嬢さんとは、誰もが知っている有名飲食店の娘さんで、聞かれた圭さんは「仲良くしてるよ」と答えたというのである。
「“元カノ”の存在が、さらなる心労の種に」
そして、「いまになってみると、もしかしたら、眞子さまと飲食店の令嬢の交際期間が、重なっていたのかもしれません」と、意味ありげに付け加えるのだ。
よせばいいのにフライデーは、その令嬢の知人を探し出し、こういわせている。
「圭さんはICU時代に、留学を希望する学生向けの予備校で彼女(元カノ)と出会ったみたいです。交際期間がかぶっていたのかどうかは僕にもわかりませんが、かなり関係がこじれた末に別れた、という話は聞いています」
フライデーはおためごかしに、結婚が延期された眞子さんは、すっかりふさぎ込んでいるというが、「“元カノ”の存在が、さらなる心労の種にならなければいいが」と結んでいる。
恋愛に悩んでいる女性の前で、拡声器をもって「あんたの彼氏には元カノがいたぞ!」と叫んでいるのと同じだ。眞子さんだって、お前になんかいわれたくないと思うはずだ。
同様のことは女性セブン(3/22号)でも、小室家の知人の話として出ている。
「かわいさ余って憎さ百倍」ということわざがある。結婚しようと思ったこともある女性に裏切られたという恨みつらみから、週刊誌にベラベラしゃべっているのだろうが、大人としての常識に欠けるところがある人間だと思わざるを得ない。
また、週刊誌側が男性の示した私信メールを、ためらいもなく誌面に載せるというのも、私には解せない。
私信の公開はプライバシー侵害に当たるはずだ
週刊文春が、ベッキーと「ゲスの極み乙女」のボーカル川谷絵音が不倫していた時、2人のやりとりしているメールを誌面に載せたが、その時は、掲載するのに多少の戸惑いがあったように思う。
だが、今度の騒動では、各誌、ためらいが感じられないのだ。
私信については、「特定の相手だけに思想や感情を伝えることを目的としており、もともと公開を予定していないものであるから、その性質上当然に私生活に属する事柄であって、(中略)一般人の感受性を基準にすれば公開を欲しないものと解すべきである」。したがってプライバシー侵害に当たる(判例タイムズ926号207頁)はずである。
まさか、元婚約者と佳代さんの私的なやりとりが、公共的関心事であると考えているわけではあるまい。
これを出しても、小室家側から訴えられる心配はないと考えてのことだろうと推察するのだが、もう少し慎重であってほしいと思う。
なぜ一方的に非難する元婚約者の写真を載せないのか
某女性作家は、小室圭さんには「鈍感力」が備わっていると評している。けなしているのか褒めているのかはわからないが、いくら鈍感な人間でも、これだけ書かれ、世間から注視されている中で、平然と生きていくには若過ぎると思う。
こうした報道をするときは、温かさの中にいくらかの厳しさを混ぜるぐらいでいいのではないか。
私は、眞子さんと圭さんが、現代版ロミオとジュリエットになりはしないかと心配している。
今の報道の仕方を見ていて、小室家側のプライバシーには配慮しないで、元婚約者のプライバシーは守るというのも、私には不思議でならない。
写真誌はなぜ、小室圭さんの母親を一方的に非難する元婚約者の写真を撮って載せないのだろう。
どうだろう、陰に隠れて2人の恋路を邪魔するのではなく、元婚約者は、顔を出し実名で週刊誌に告白をすべきだと思うが、賢明なる読者諸兄姉はいかがお考えだろう。