母の葬儀の日の夜、介護のニ番手としてがんばってきてくれた夫の様子がおかしくなりました。


週末、自宅で過ごしましたが回復せず、週明け病院へ行き、入院となりました。


きょうだいは、母の介護と同様、葬儀後の弔問客への対応や母の死後の諸手続きもこちらに丸投げ。


「仕事と子育てで時間がない。子どもがいない人には一生分からないでしょうけど。」


「仕事をしている人間と仕事をしていない人間を同等に考えるな。」


「仕事していると忙しいのは、社会人だったなら分かるよね。」


「こっちはいっぱいいっぱいなんだ。」


返す言葉もありません。


どれだけちっぽけなキャパなんでしょう。


私も夫も長年、それなりに責任ある職に就き、真っ当に働き、退職したのです。

その間に義父母を見送りました。



葬儀の日の夜、きょうだいからは母の遺産について脅迫まがいの電話を受けました。


「オレは介護してくれなんて頼んでないよね。自分がやりたくてやったんでしょ。」

介護をしたことを盾に私が遺産を要求すると考えたらしいです。私が半分相続するのは法律上でも当然の権利なのですが。


「遺産は未来のある人間(自分の子どもたち)のために使いたい。遺言書なんて関係ない。」

母の遺志は関係ないそうです(苦笑)。


「金あるくせになんで実家の遺産にがっつくの?」

遺産について、こちらから話題にしたことはありません。母の生前から母のいない所で弟からは何度も言われましたが。


「オレは前から遺産は放棄してって、頼んでたよね。ダンナにちゃんと言っておけって言ったよね。」

こちらはきょうだいの要求に対して一切返答していませんでした。夫は、はなから私の実家の遺産を当てにしていません。


「実家の遺産もらうんだったら、そっち(私のこと)が死んだ時、徹底的にたたかわせてもらうから。」

私は、弁護士さんに相談して公正証書遺言書を作成しています。相続人からきょうだいは除外しています。きょうだいは遺留分を請求できず、たたかう権利すらありません。



「放棄しないなら、3:3:3:1で。オレは1で我慢する」

自分の二人の息子と私がそれぞれ3で自分は1という意味です。どこからこんなめちゃくちゃな発想がわいてくるのか謎です。しかも、「オレは1で我慢する」って…


母の葬儀の夜に、こんな言葉を次々と繰り出し激昂するきょうだい。


両親が亡くなった今、このきょうだいと付き合っていく理由は全くありません。



遺産については、


『きょうだいで等分するように。』


という内容の母の遺言書は預かっていますが、それは出さずに、放棄します。


これ以上、きょうだいと関わりたくないからです。



母のお骨は、実家に一人で置いておくわけにも行かず、2週間余り、実家と私の自宅を往復していましたが、きょうだいが持っていきました。


「うちでできるのはご飯をあげることぐらい。」

というきょうだい。


でも、そのことに私が心を砕くのはやめにします。


私は母の生前、1年と4ヶ月の間、1日も休まず、精一杯世話をしたのですから。


母も許してくれると思います。



母の預金も土地の権利書も手にしたきょうだいは、49日も過ぎないうちに、不動産屋や回収業者に連絡を取っています。


昨年末に亡くなった父の持ち物はまだそのままにしていましたが、業者の手で片付けられるのは忍びないので、私が全て分別して袋に詰めました。


母の温もりがまだ残っているように感じられる身の回りのものも、衣類も、食器も、愛用品も、着物も、アルバムも何もかも独りで片付けました。

従姉妹が数日手伝いに来てくれましたが、おしゃべりで終始し、結局、ほとんど作業はしませんでした(笑)でも、おかげで孤独感からは救われました。



母は生前、


「少なくても一周忌が済むまでは、この家はこのままにしておいて。」


と、私にもきょうだいにも話していました。


でも、これから1年間、枝払いや草取り等の庭の手入れや空き家の管理をする余力は私と夫にはありませんし、そもそも、遺産を放棄する私がする筋合いではありません。


庭の管理については頼める人がいるのですが、きょうだいは料金を払いたくないそうですし、自分の時間を割いて作業するつもりもないようです。


母の願いは叶いませんが、そんな息子を育てたのは母自身ですので、仕方がないことだと思います。


私は、両親に対する責任は十分に果たしました。


人の苦労を想像できないきょうだいには一生わからないと思いますが。



辛いときに話を聞いてくれた母はもういない。


夫も側にいない。


これまでの人生の中で、これほど心細い思いをしたことはないように感じます。



きょうだいに対して言いたいことは山のようにありますが、数々の暴言はスルーし、フェードアウトします。


一生会うつもりはないので、納骨にも一周忌にも出席しません。


これからは母が好きだった花を供え、自宅で祈りたいと思います。