ドイツからおうちに帰って来て数日が経ちました。落ち着いてきたらちょっと怖さを感じるようになりました。トラブルの最中は必死なので、怖さはあまり感じなかったのですが、思い返すと怖さを感じます。

ハンブルクからおうちに帰る日、夕方16時55分の国際列車を予約(国際列車の最寄駅に22時頃ついて、小さな町のおうちに帰る電車にも問題なく接続できる予定)していました。晩ごはんを買って乗り込もうと早めに駅に行ったら、キャンセルの表示。電車が遅れているのではなく、キャンセル…ということは、帰る電車がないということ。

急いでインフォメーションに行ったら、長蛇の列。どうやらキャンセルは事前に決まっていたようで、インフォメーションの人はすでにプリントアウトしてある代替案1(乗り継ぎ2回、最終目的地の到着予定時間25時05分)を渡しているだけでした。乗り換えの地名はドイツの中なのか、国境を通過した後なのかもわたしには分からず…。そのプリントアウトされた紙を手にしてから、30分後には、代替案として示されている最初の乗り換え駅へ行くハンブルクからの電車もキャンセルになったことが分かりました。

また、インフォメーションへ行って列の一番後ろに並びます。状況の説明は何もないのですが、どうやら他の国際列車やドイツ国内の電車もキャンセルになっているようで、どんどんインフォメーションは人だかりに…。乗り換えをするように指定されている駅へ行って、乗り継ぎ電車に乗れなかったり、また電車がキャンセルになったりしたらどうしたらいいのかと不安が増すばかり。次に提示された代替案2は、ハンブルク出発が18時37分の電車でした。それも2回の乗り換えが必要です。ハンブルクでもう1泊して次の日に帰ることも頭をよぎりました。

でも、この時点では、どうして国際列車が運休になったのか分かっていませんでした。いま考えると、帰って来てよかったです。次の日の朝、国際列車が復活しているかどうかも分からないし、通常通りになっていても大混雑だったと思うので…。大雨と強風が原因だとすると、次の日も通常通りになったとは思えません。仕事もあったし、あきらめなくてよかったです。

代替案2を持って、違う場所にあるもう1つのインフォメーションでもう一度違う人に聞いてみることにしました。そこで示された代替案3は、信じられないものでした。それは、タクシーで小さな駅まで移動して、そこから電車で最終目的地(到着駅)まで帰るというものでした。とりあえず、同じ目的地へ行きたい人で、タクシーに乗る選択をした人の列に並びました。わたしの前に30人ぐらいいます。いつ自分の順番が回ってくるのか分からない状況でした。

タクシーの順番が来て、同じ国際列車に乗る予定だった人(客6人)と乗り込みました。ドライバーさんがカーナビにその小さな駅を入力するのですが、反応しないというトラブルが発生。ドライバーさんは会社に電話して指示を仰ぎながら何回もチャレンジしますが、表示されません。カーナビが古いことが原因なのかは不明のまま出発です。

ドライバーさん、その小さな駅まで行くのは7年ぶりとのこと。だいたい270㎞で3時間ぐらいかかるということ。途中で国境越えするので、パスポートが必要だということ。乗客のほとんどがEU国籍の人で陸路を移動するときにパスポートを持ち歩かない人もいます。ドライバーさんはちょっと不安そうな顔になりつつ、車を走らせます。給油してから高速道路へ。時速130キロぐらい出すこともありましたが、基本的に安全運転で、安心して乗っていられました。

国境越えも、ドライバーさんと助手席に座った人の現地語での説明でスムーズに通してもらえました。そこからは、どこで高速道路を降りて駅まで行く道を助手席の人がGoogle Mapで調べてドライバーさんに指示。迷いながらも小さな駅に到着。

本当に小さな駅員さんのいない駅でした。わたしは国際列車の最終目的地で自分が住む町行きの電車に乗りますが、他の人はそこからそれぞれの目的地に向かいます。電車の発着掲示板を見ると、数分後にわたしが乗るべき列車の出発時間です。これを逃すと次は1時間後。走りました。なんとか電車に飛び乗って、席に座ってから、目的の駅への到着が約2時間後だと知りました。

2時間後、無事に駅に着いて、なんとか日付が変わる24時前にわたしが住んでいる町に帰る電車に乗り換えできました。やっとこの時点でホッとできました。国境越えのときにパスポートのチェックがありましたが、乗客がそれ程多くないので15分ほどの停車時間でした。無事に小さな町の駅に着いてから、歩いてうちまで帰りました。バスの運行時間が終わっていたので、少し遠回りになりましたが、明るい道を選んで歩きました。

予定よりも数時間遅い帰宅になりましたが無事におうちにたどり着けたことに感謝です。もし母が一緒だったらきっとハンブルクに1泊することを選んだと思います。駅の階段を荷物を持って駆け上がるなんてことは無理ですから。もちろん、母との旅行だったら、次の日に仕事があるスケジュールにはしません。旅はハプニングやトラブルがつきものです。それでも安全第一で最善の選択肢を選べてよかったです。