村山由佳著、『星々の舟』を再読しました。

2021年、32冊目です。

おいしいコーヒーのいれ方シリーズを読んでいた流れで、村上由佳の本を再読することにしました。

すっかり内容を忘れていて、

こんなに重たい本だとは思ってもみませんでした。

心がぎゅーっとつかまれ感じがしました。

家族って…考えさせられます。

兄弟、姉妹の関係や親との関係。

1つの家族のそれぞれの登場人物の生き方が描かれている小説です。

98、99ページ

家を建てる夫婦と設計士、担当さんの会話が続くページです。

妻のことば…収納について話し合っている場面。

「簡単に処分できないものだって沢山……」

そうですよね。

実家のリフォームのことが頭を過ぎります。

 

175ページ

「今を逃せばもう二度と会えないかもしれない思ったそばに行かずにはいられなかった。」

過去を振り返ってもしもを考え始めたらきりがないですね。

いま、自分の心に正直に過ごすしかない。

そんな気がします。

 

230ページ

「いつどんなふうに死ぬかなんて、好きに選べるもんじゃないですよ。」

264ページ

「遅かれ早かれ、死ぬ時はどうせ一人なのだし、それでなくとも、そう―別れは突然やってくる。」

本当にそうですね。

逝くほうも見送るほうも心残りが多かれ少なかれあるはずです。

大切な人がいなくなる寂しさは何年たっても心を締め付けます。

それが突然な場合もあるわけで…。

私は中学生ぐらいのときに、「自分で選んで生まれたわけじゃないから死も選べない」と考えるようになって、いまもそれが続いています。

親より先に子が亡くなり、それを近くで見てきた経験もあるので、

自分は親よりは長く生きなければとは思っていますが…選べませんね。

高校生が同級生の祖父に戦争の話を聞きに来る場面…考えさせられます。

小説にはもちろんですが、あとがきにかえてにも筆者の思いがたくさん詰まっています。

大切に手元に残しておきたい1冊です。