30冊目、小川洋子の『博士の愛した数式』を読み終えました。
日本に住んでいたときに読んだ記憶がありますが、手元にはない本でした。
内容を覚えているつもりでしたが、忘れていることのほうが多かったです。
切なく苦しくなる場面もたくさんありました。
でも、またこの本に出合えてよかったです。
数学を愛する博士。
私は、数学が苦手です。
決して嫌いではないのですが、数学的センスを持ち合わせていないし、数字に弱い自覚もあります。
でも、私がこれまで出会ってきた何人かの人は数学の魅力に取りつかれています。
羨ましくもあります。
素数、自然数、友愛数、などなどいろいろなことばもとっても心に残っています。
博士が話す数学の話は、どれも魅力的です。
「神様の手帳をのぞき見して、ちょっとそれを書き写しただけのこと」…博士の謙虚さが伝わってきます。
素敵なエピソードがたくさん詰まった物語です。
見返りを期待せず、誰かを喜ばすために必死になるっていいですね。
博士に野球カードをプレゼントするために奔走する親子。
きっと幸せな時間が流れていたことだと思います。
読み終わるのが寂しくなる本でした。
いつまでもいつまでも博士とこの親子の物語が続いていってほしい、そう願わずにはいられませんでした。
これからも、手元に置いておく1冊になりました。
出会えてよかったです。