シニア層戦力化の課題
今日(1/31)の日経新聞、経済教室からです。
シニア雇用の課題を的確に指摘されており、
あまりにも自分に当てはまりすぎるので
簡単にご紹介したいともいます。
奥田祥子 近畿大学教授のコラム
シニア層戦力化の課題
人事制度を現役並みに
高齢者雇用の実態がうまくいっていないことの原因を
男性に焦点化して分析しています。
→ 女性が定年まで勤めあげる現状事例がまだ少ないので
2022年の65歳意所の就業者数:912万人
→ 全就労者の7人に1人
→ 高齢者雇用は年々増加傾向
60~64歳男性の所属
→ 会社・団体などに雇われて:70.7%
非正規雇用:58.1%、正社員:37.1%
定年後再雇用の人の年収
→ ▲44.3%(定年前と比較して)
→ 自身の場合、▲21%(定年前対比)、▲35.2%(ピーク時対比)
→ 世間対比では恵まれている方かもしれません?
これに対しての仕事内容
→ 定年前とほぼ同様の職務:55.5%
定年前とほぼ同様の職務だが業務範囲・責任減:27.9%
→ 8割強の定年者が同じ仕事で給料が下がっている!
→ 自身の場合、60歳定年前後で仕事は全く同じでした。
→ ただ、出向中、コロナ禍もあり仕事はほぼ無し状況
定年前に部長以上の役職経験者程不満を募らせ
働く意欲を喪失している実態を確認した。
その理由として
→ 元部下に顎で使われるのが我慢ならない
→ 定年までの実績を否定されたようでやる気がわかない
→ 社外出向はこの傾向が顕著だと思います。
その結果、
→ 仕事にやりがいが無い
→ 補助業務にやりがいを見いだすのは不可能?
→ 自らの働きが会社に認められていない
これらの原因として、現状の人事制度
→ 機械的に従来の職務制度から切り離し
→ 人事評価も行われない(査定無し)
→ 一律の給料減(雇用規定も無し)
→ 会社の役に立っていると言う実感を抱けない
対策としての提言
→ ポジションや評価に固執する『男らしさ』からの離脱
→ 仕事に対する意味・価値観の転換
→ 外発的動機付けから内発的動機付けに転換
→ 雇用主はシニアのやる気を引き出す雇用制度の構築
→ シニアへの仕事提供はボランティア的発想が根強い
現在のシニアモチベーションの低下は
近い将来に定年を迎えるポストシニア層や
今後出て来る女性定年者の意欲低下に繋がる可能性がある。
この状況を放置すると、
生産性や職場の活力低下が懸念され
日本の国力はさらに下がっていくのではないか?
そう締めくくっています。
実にマトを得た実態調査の結果だと思います。
今のシニア層の多くが感じることではないでしょうか?
少なくとも、小生は凄く腹落ち感がありました。
60歳を過ぎて、居場所のない感を痛感しましたが、
そこから1年半を過ぎ、なんだか慣れてきました(笑)。