家族心理学 第2版
(中釜 洋子, 野末 武義, 布柴 靖枝, 無藤 清子編集 /有斐閣ブックス)
大学の講義テキストではありますが、でもとても読みやすい
大学院の講義で、今期集中講義で受講予定の『家族心理学』
執筆者の一人でもある田附あえか先生が講義してくださる予定です。
→ 以前、別の集中講義で田附先生の講義は受講しています。
講義における紹介リストにある書籍のひとつが本書ですが、
大変読みやすく分かりよく執筆されており、
家族関係でお悩みがある方は是非読まれてはと思います。
家族を理解するための概念整理から、
家族の発達段階に応じて解説されていますが、
この辺りは読み飛ばしても大丈夫です。
アラカン世代の我々が特に注目すべきところは後半
興味のあるところから読み進めれば良いと思います。
第8章 老歴期の家族
第9章 家族への臨床的アプローチ
第10章 夫婦関係の危機と援助
→ 個人的興味はこの部分にありました!
第11章 子育てをめぐる問題と援助
第12章 発達障害と家族支援 ←近年における大きな問題
→ 改訂版で追加された章立て
第13章 家族が経験するストレスと援助
第14章 家族の中のコミュニケーション
第15章 女性と家族
第15章 男性と家族
家族心理学はシステマティックアプローチを用いて考察するので
一般的な心理学のアプローチ(個人ごと)とは異なります。
システマティック思考は家族を一つのユニットとして捉え、
単なる個人の総和と考えません。この考え方に従うと
システマティックに考察しなければならない家族を
あえて1対1でカウンセリングしてしまうと、
かえって状況が悪くなることもあります。
家族問題に限っても、最低限の知的武装があれると
助けられる面があるかもしれません?
大学で読むテキストなので、
ちょっと学術的な記述もありますが、
後半部分は一般的な読み物としても面白く、
家族問題で何らかの解決手段が欲しい際には、
一読してみてはと思います。