平雅行大阪大学名誉教授,法然を語る!

 

明後日(11/25)で閉幕となる山梨県立博物館の企画展

 『法然上人絵伝』での特別イベントに参加しました.

 

 『法然の歩みと親鸞』 と題して,

  法然研究の国内第一人者である平雅行大阪大学名誉教授が講演!

 

素晴らしい公演でした(こころから感動).

中世の仏教史をこれほど分かり易く,且つ面白く話ができる人は

東大の本郷教授とこの方くらいかもしれません?

 → 実はあまりその分野の有名人を知らないだけですが...(汗)

 

法然の『称名念仏』が当時の人達に何故受け入れられたのか?

これには小生が当時の歴史的な背景が分かっていなかったようで,

 

法然前の旧仏教 → 年貢を納めると極楽浄土

               領主に背くと地獄に落ちる

 

つまり宗教は一部権力者の支配の道具だったのです.

 → 今の常識からすると考えられない,初めて知りました(驚)!

 

対して,法然の教えは『王権に奉仕する仏教』からの脱却を説いたために,

それまでになかった新しい視点だったわけです!

 

法然の仏教 → 真の仏教の探求,全ての人は平等に愚者,悪人

            人間の能力差など大した違いでは無い,個人主義からの脱却

 

因果応報論:善行には必ず良い果報があり,悪行には悪い報いがある

         → 人々を道徳的に導く

 

中世の仏教は今の宗教的な影響力とは大きく異なり,

人々の心の支えでもあったわけで,これを支配力として使うか,

人々に寄り添う優しさにするかでは大きく違っています.

なので万人からの支持を得たわけです(その分権力者から睨まれる).

 

最後に平教授の述べられた古き時代からの学びは,

共に生きる社会の在り方を求めた法然の教えは今にも通じると言うこと.

今の時代であっても弱者を切り捨てる場面はよくあることで,

そうではなく,共に生きていける世の中を作るべきだとの結びには

少し じ~ん ときました.

 

本当に素晴らしい公演会でした.

山梨県立博物館の方々に,ありがとうございました!