真の経営判断とは?
今日(1/13)の日経新聞 『私の履歴書』 からです.
2017年最初の執筆は日産を立ち直らせた カルロス・ゴーン氏
氏の著書は何冊も読んでいますが,再度読んだ際の感動が甦ります.
No Profit No Program !
ゴーン氏が着任当時を振り返り
新型エクストレイルの開発を却下したとあります.
何故か? 赤字が明らかだったから!
→ 役員会で新車開発が通らなかったのは初めてだった.
驚きの声が上がった....
他の役員もわかっていた問題だが,厳しい判断を下せない.
これが当たり前になると,1999年までの8年で7回も赤字を出す,
この厳しい現実とは向き合えない,赤字が当たり前になる....
トップが変わるとこの采配ができるのです!
赤字を続けている会社のトップを温存して改革をしようとしても,
同じ采配を繰り返します(改革は出来ない!).
今までこれでうまくいっていたんだから...
俺たちは今までこうやってきたのに何が悪い!
このループに入ってしまうと,赤字会社の建て直しは
まず間違い無く出来ません.
言えることは,
赤字会社の建て直しは トップを変えるべし!
何にせよ,会社の善し悪し(利益の視点以外にも)は
全てトップの資質が映し出されると思います.
これを変えなければ会社の再生なんて出来ない!
→ 全てを決めるトップにモノが言える人はいませんので!
これが会社のヒエラルヒーですね.
日産自動車はこれを前社長の塙義一さんが英断しました.
会社のトップを社外から,それも異国から招いた英断は
誰にでも出来る事ではありません.
→ 身を切られる思いだったはずです!
塙さんは先日他界されましたが,日産が今も残っているのは
この英断があったからだと思います.
こころより,ご冥福をお祈りいたします.
日産の立て直しのヒーローは間違い無く カルロス・ゴーン氏
でも,そのお膳立てをした 塙義一氏 は
もう一人のヒーローだと思っています.
優れたリーダーは,自身が出来なかった事実を真摯に受け止め
自らは一歩下がって,自身では出来なかった会社の建て直しを
指名した後任に任せて,それをサポートする!
これが出来ずに会社を潰してしまう鼻の高くなったトップは
案外多いように思えます.謙虚になる事は実に難しい?
会社の再生は 英断 してこそ達成できるのだと思います...