廃校率:23/74 法科大学院の先行き | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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廃校率:23/74 法科大学院の先行き 

今日(1/17)の日経新聞,山梨日日新聞からです.

 法科大学院 7校が補助金半額,増額8校
  淘汰の時代が到達 地方で募集停止,法曹養成に危機感

法科大学院が岐路に立っていることは間違いありません.

静岡大学,東洋大学,愛知学院大学は2016年度からの学生募集停止を宣言,
 『毎年億単位の赤字が続き,経営的にはメリットは無い!』

文科省は 『今後は予備軍が一斉に募集停止に踏み切るだろう...』

制度が始まった2004年は74校
これが23校減の51校まで淘汰されることになります.
この間たったの10年ほどです.
でも,この結果はある面予想できたような気がします.

志願者は2004年度当時は72,800人(入学者は5千人超),
2014年度は11,450人(入学者は2,272人)まで減少
司法試験合格率が低い大学には人が集まらず,
定員割れ大学は結局のところ募集停止になっていく末路に...
 → これが典型的な負の連鎖

<2015年度 法科大学院の補助金配分率>

早稲田大学:135%(内加算分:45%)← 海外ロースクールへの派遣プログラム
一橋大学:130%(内加算分:40%)← 法学未修者向け進級試験制度
東京大学:130%(内加算分:40%)← 法曹実務を英語で学び授業
京都大学:120%(内加算分:30%)
慶應義塾大学:120%(内加算分:30%)
北海道大学:105%(内加算分:15%)
大阪大学:105%(内加算分:15%)
同志社大学:105%(内加算分:35%)← 海外大学との単位互換プログラム
上智大学:100%(内加算分:10%)
神戸大学:100%(内加算分:20%)

 ↑ ここまでが現状維持水準

明治大学:60%(内加算分:5%)
静岡大学:60%(内加算分:0%)2016年度からの学生募集停止
東洋大学:60%(内加算分:0%)2016年度からの学生募集停止

山梨学院大学:60%(内加算分:0%)← 申請した教育プログラムの加算なし

 2016年度補助金全額カットが濃厚な大学

愛知学院大学:50%(内加算分:0%)2016年度からの学生募集停止
その他に 北海学園大学,国学院大学,駒澤大学
     専修大学,桐蔭横浜大学,京都産業大学

文科省は2015年から補助金の新制度を導入
司法試験の合格状況や定員補充率などを基に5段階に分類
補助金の基礎額を現行の90~50%に設定,
これに加えて教育プログラムの開発など各大学からの提案を評価し加算,
最終的な補助金が決まったわけです.

この加算対象の提案ができなかった大学は10校もあったとのこと.

文科省の狙いは,大学院の淘汰,合格率を大学院の厳選から成す,
撤退させたい大学への印籠が補助金のカットということでしょう!

 『学生が法科大学院を敬遠している.
   優秀な人材が集まらなくなり,法曹の質が落ちてしまうのではないか?』

 大学院を敬遠している理由は何か?
 → 大学院を出ても職に就けないからでは?
   まずは職の創出ありきだと思います.

 『地方の学生が法曹になる道は確実に狭まっている...』

この発想は視点の違いかもしれませんが,
あえて人が集まらない,新しい施策が出てこない地方に
 (ここまでの結果重視で考えるとですが)
法科大学院が無いから地方の法曹への道が無くなるのか?

地方で法曹の道が無くなっているのは 『仕事が無い』 からでは?
必要なところで必要な仕事が発生,仕事があるから人が集まる.
仕事が無いところで教育のシステムだけ作ってもうまくいくはずがない...

そもそも法科大学院の発想は米国発,訴訟大国の米国と同様に
はたして多くの弁護士が日本に必要なのか,
米国同様の仕事数が日本に現れるのか,
ここから考えなおしていく必要があると思います.

法科大学院の今後の進め方,結果ありきではなく
何故こうなったか,原因の分析からきっちりやらなければならいと思いますが,
これをせずしてその場しのぎの施策をするのが果たして良いのか否か?

 ですね!

 米国施策の単純ないいところ取りには,限界があるのは明らかでしょう!