（佐藤直子著 / すばる舎）
社会人としての気配りの基本とは何か？
Amazon Review では酷評が多いようですが，
それほどくそみそに言うほど悪い内容とは思えません．
ご指摘の超基本の『気配り』ですが，
結構できない人が多いように思うからです．
自己中心な人，周りを気にしない人，
コミュニケーションが取れない人，
結果人間関係が悪い職場に，
こういった経験をしている人は読めば
何らか改善のヒントが得られると思います．
著者の佐藤さんは日産自動車の秘書室に勤務，
そこで接するエグゼクティブとの日々の業務から
気づいたことを綴っているのが本書，
ではなぜエグゼクティブとの接点が本になるかと言えば
そこが結構特殊な世界だからでしょう？
大手企業のエグゼクティブに接点を持てる人は
社員ではそう多くないのではないでしょう．
そもそもエグゼクティブになれる人はどんな人なのか，興味津津？
加えてエグゼクティブには何故秘書が必要なのか？
こんな疑問を持たれたことは無いでしょうか？
実は小生はこんな疑問を持っていました．
→ そもそも秘書の方々との接点もなかったわけです．
本社のエグゼクティブに仰裁する際に
秘書の方にスケジュールを確認することが常ですが，
その時初めて気づいたことは，
エグゼクティブは非常に忙しいと言う事です．
取締役になると取締役会への参加は必須，
この他に経営会議への参加，株主総会，株主へのIR活動，
子会社の役員を数社兼務していることも常ですので，
業績検討会への参加等それらの会合を全て並べるだけで
1年中のスケジュールはほぼ埋まります．
これに来客の対応，土日の接客（会食，ゴルフも仕事），
拠点が海外にまたがると異動も大変です．
つまりエグゼクティブは会社のためにプライベートを
潰されている場合がほとんどで，
会社のために自己犠牲を払っている方が多いように思います．
秘書はこれを支えます．ここまでスケジュールが込み入ってくると
自身でスケジュール管理は出来ません．
売れ子の芸能人にマネージャーが必須であるのも同じ理由でしょう！
かつて一緒に仕事をしていた仲の良かった某氏，
キャノン系列にM&Aとなり社長に指名されてからと言うモノ，
15分間隔のスケジュールをこなさなければならないと
その忙しさを話してくれました．
エグゼクティブになると最終決済者であることも多く，
面談を求めてくる人に部下は勿論，顧客，
上司にも呼ばれて業績説明，本当に忙しいということです！
この忙しい人を支える秘書は 『気遣いの達人』 と言う事で，
教えを頂くと言うことは当たり前の事であっても
役に立つように感じた次第です．