LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲 | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲
(シェリル・サンドバーグ著 / 日本経済新聞出版社)

女性の活用は男性をも輝かせる可能性があるように感じました!

女性の社会進出に関わる問題提起を目的に書かれた書籍でだと思いましたが,
まんざらその主張ばかりではなく,
男性のあるべき姿に対しても述べられているように思いました.

女性を際立たせるためには男性の協力が必須であり,
特にパートナーと呼ばれるヒト(一般的には旦那)の
家庭や仕事における協力と理解は,
女性の社会進出に対しては勿論のこと,
男性がこれまでの価値観では見落としてきた
大切なモノに気づかせてくれると示唆しています.

そのあるべき姿,大切なモノとは,女性にしかできないと
思われてきた仕事を男性にさせることにより,
これまで見えなかった家族や子供との関わり方のように,
かつての日本人が重視すべきでないと考えがちな
ヒトとヒトとの繋がりを見せる術かもしれません.

高度成長期,特に日本人サラリーマンが家庭を顧みず仕事に打ち込み,
定年を迎えると妻に離婚を突きつけられる熟年離婚の問題がありましたが,
今では個人重視の働き方を見直すようになったが故に,
日本でも男性が育休を取るべきとの主張がささやかれています.
なかなか全ての日本人には受け入れがたいところもありますが,
本来は家族との同居が仕事を選ぶ上での第一条件であるのかもしれないのに,
会社は単身赴任を強要する,でも多くの人は単身赴任を受け入れる,
矛盾に満ちた話ではあります.

ただ,一つ言えることは,日本人男性のあるべき姿は
今の正論が必ずしも正しくない,
つまり仕事優先で家族をその後に位置づけている在り方は
必ずしも正しいとは限らないと言うこと,
自身の行動を顧みると考えさせられますね!

加えて,先進国における労働人口が減る,
従来の男性のみに頼った労働の在り方では先はシュリンクする一方,
女性の力を活用すべきとの主張に感じたこととして,
賛同するのは当然ですが,
優秀な女性のリーダーをつくるには,その核になる
女性の存在が重要であると気づかされたことです.

シェリルはそのポジションまで上り詰めた訳ですが,
日本で女性の活用が進まない一つの要因がここにあるように感じました.
真の女性のリーダーが米国に比べて育っていないことが問題なのかもしれません.

女性のビジネスでの成功は,
育児や出産,家事を免除された男性よりも遙かに難しい,
この前提で考えると,トップに上り詰めた女性はかなり優秀なことになりますが,
逆に考えるとそのポジションまで容易にはたどり着けないが故に
多くの女性が結婚や出産と同時にビジネスから足を洗ってしまうように思います.
ただ,それを乗り越えた女性は極めて優秀であり,
本来は活用すべきはこういった女性だとは思います.

さて,このように女性の活用が出来ない企業であれば,
将来の大きな発展は出来ない?そんな怖ささえも感じました.
何故かと言えば,自身の職場では女性の活用が進んでいないからです.
ただ,女性の側にも責任を取る業務へのプレッシャーを
超越頂く覚悟が必要ですが,これが出来る方がどの程度いるのか?

 いずれにせよ女性の活用といった課題は,
多面的な視野から問題対処していく必要があると思います.

本書の主張からすると,日本は米国に対して,
労働力の精査,あるいは女性活用といった視点から
10年は遅れているように感じました.