就業力で磨きをかける大学教育 | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

イメージ 1

就業力で磨きをかける大学教育 

 6/17の日経新聞『大学』のコラムからです.

学生時代に身につけた主体性,協調性は就職後に役立つ
社会人に必要な能力と言うことで企業にも注目が集まっています.
これを 『就業力』 と呼ぶそうで,大学はこの点を意識した
教育改革を進めており,受験生もこの点を意識した大学選びを
進めるようになっているようです.

 就業力:「学業」「課外活動」「交友関係」「就業観」の4分野で構成
     → employability

日経新聞社の調査による就業力のランキングが発表されています.
 (4年生大学のみ,470大学が対象)

1 東京外国語大学
2 横浜国立大学
3 一橋大学
4 名古屋工業大学
5 愛知淑徳大学
6 東京女子大学 ← 女子大として首位
7 筑波大学
8 東京大学
9 上智大学
10 龍谷大学
11 立教大学
12 北海道大学
13 日本女子大学     <番外編>
14 岡山大学        32 明治大学
15 新潟大学        33 大阪大学
15 山口大学        35 慶應義塾大学
17 成蹊大学        36 中央大学
18 岩手大学        37 早稲田大学
19 信州大学        39 同志社大学
20 法政大学        40 昭和女子大学 ← 最近注目されている国際教育

この調査は日経就職ナビ登録者の解答結果なので,
必ずしも客観的な評価結果とは言いにくいところですが,
なんらかの参考にはなると思います.

いわゆる知名度の高い大学以外にも就業力が高い大学はあるようで,
結局は大学に入ってからの本人の取り組みによる
ところが大きいのかもしれません?
勿論,大学側の支援があってこそですが,
大学で力を付けるに至っては本人の努力によるところが大きい
という結果のようにも見えます.

さて,同じ日(6/17)の日経新聞には
地方の大学経営の苦戦が記述されています.
2012年度に定員割れとなった大学は全体の45.8%で,短大は69.7%
定員割れは「地方」「短大」ほど顕著とのことで,
都心部集中型の実態が顕著に表れています.

12年度の入学定員充足率を地域別にみると,
大学では東京都、愛知県、京都府、大阪府などが100%を超えたのとは対照的に
 東北:75.0%(宮城県除く)
 四国:86.3%
 九州:91.5%(福岡県除く)

短大は最も高い東京都でさえ94.1%と低迷,
その他多くの地域が90%を割り込んでいるのが実態です.

2004年に広島の立志館大学が閉校になってからの
累計閉校数は,予定を含めて10校になります.
東京女学館大学の閉校は首都圏であることを考えると
女子大学の苦戦も顕著です.
 (教育と言っても組織としての収益が成り立たないのであればNG!)

以前,田中真紀子さんが文部大臣だったときに
新設大学の認可を拒否したことがあり大批判されたことがありましたが
今日の実態を考えると,やはり大学は多すぎるように思えますね?

誰でも入ることが出来て,誰でも簡単に卒業できる大学をたくさん創っても
それが卒業生に付加価値を付けるとは到底思えないですし,
加えて学生の満足度も低いのであれば(ここで就業力の評価が意味を成す?)
そのような大学は淘汰されるべきと思いますね.
であれば,少々過激だったとは言え,田中真紀子さんの取った指針は
大きな間違いではなかったように今も感じています.

 大学での教育の意義,再吟味する必要があると共に
  それが大学の生き残り戦略にも繋がるという近況と言うことでしょう...