JAL再生―高収益企業への転換(引頭 麻実著 / 日本経済新聞出版社) | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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JAL再生―高収益企業への転換(引頭 麻実著 / 日本経済新聞出版社) 

会社の再生施策は基本一緒,会社を再生させるんだという信念の共感が大事?

JAL の再生話と来るとどうしても読みたくなるのが心情,
読者心理をうまく突いた,売れる書籍を意識したタイトルが
実に日経新聞らしいと思いました.

ただ,書かれている内容は飛び抜けて驚く記述にはなっていません.
とは言え,読み物としては興味深いモノはありました.

JALと言う巨大企業の再生は容易ではなく,
再生に当たって最も意識されていたことが意識改革であり,
稻盛和夫氏の器の大きさ故に人が引っ張られたとあります.

この視点からは巨大企業であっても,中小企業であっても,
再生させる術は同じだと思いますが,
大企業はなかなか中小企業のような意思統一が難しい.
それが故に意識改革の重要性がより色濃く出ると言うことだと思います.

 第1章に破綻前のJALの常識が列記されています.

 1.ナショナル・フラッグ・キャリアは潰れない
 2.メンテナンスの部品は全て新品でなければならない
 3.コストの必要性を疑わない 
 4.事業計画は自分たちがつくった計画ではない
 5.他部門は別会社
 6.顧客よりもマニュアル
 7.経営は経営,現場は現場

これを眺めると,
破綻する会社に共通する視点ではないでしょうか?
自身の会社が潰れるはずがない,
だから今までのスタイルを変える必要は無い,
潰れる会社は共通した概念,

つまり変われないが故に時代に淘汰されるという
自然の摂理に乗ってしまうと言うことでしょうか?

 終章にJALを再生させた5つの鍵が列記されています.

 1.衆目にさらされての再生
 2.稻盛氏のリーダーシップと共感
 3.価値観を共有する仕組みや仕掛け
 4.社員が共有できる管理会計の仕組み(財務会計ではなくて)
 5.新しい価値観に基づく社員ひとりひとりの行動

当たり前の事を当たり前に出来る事が,
実は会社の再生には必須と言うことで,
これはどんな会社にも当てはまる話だと思います.
本書はそれを教えているように感じました.

まずは信念,会社を再生するんだという強い意志,
これが会社再生のスタート点なのでしょうね!