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「カッコーの巣の上で」はYouTubeムービー、「時計じかけのオレンジ」R 15+はアマゾンで配信中。以下、個人の感想です。
■休日には、デパートも混雑し始めてまいりました。エヴァンゲリオンのお焚き上げ(このブログ内 『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版 :序:破:Q』へ)映画大会は、満員のもようですのでもう少し経ったら参加しましょうかと思っております。
と、いうことで一朶です、みなさまいかがお過ごしでしょうか。桜の木がたくさん植えてある場所で、座ってカップヌードルカレー味を食べたいです。では、今回もさっそくいってみましょう〜〜!HiHiHi,there(時計じかけのオレンジ用語)。
今回は、『カッコーの巣の上で』(1975)と『時計じかけのオレンジ』R 15+(1962)の2本です。
『カッコーの巣の上で』は、前回も紹介したアカデミー賞で主要5部門を受賞した3作(『或る夜の出来事』(1934)『羊たちの沈黙』(1991)リンクはこのブログ内へ)のひとつだ。『カッコーの巣の上で』は、Netflixでスピンオフドラマが作られている。看護師長『ラチェッド』(2020)。ラチェッドの髪型が面白いので、あのまま採用して欲しかったがそうもいかないもよう。
■『カッコーの巣の上で』では、ニコルソンが若く髪の毛がこれからどうなるか、という時に手術(ロボトミー)のため前髪を剃るはめになる。演技を含めとても面白い作品だと思う。作品の権利はカーク・ダグラスから、息子に移行したもよう。
アメリカ的には、この映画が公開される頃にはベトナム戦争が終結し「女性の解放」「ネイティヴアメリカンの解放」が語られていた。それと同様に、差別の問題や精神疾患がある人たちの自由についても語られている。ネットにあるのは、ロボトミー手術を受けたベトナム帰りの兵士についてなど。ロボトミー手術については、人類最悪の手術とも呼ばれているがこの映画の中では電流麻痺療法なども行われる。『BTF』のドクが初めて映画に出演したとも言われている作品だが、彼がとても若い。
あらすじは‥
刑務所の強制労働を逃れるため精神疾患を装い精神病院に入ったマックマーフィ(ジャック・ニコルソン)は、病院が強い管理体制に対し不満を持つ。なぜならば、刑務所以上に自由がなかったからだ。病気があるから自由が制限されるのか。はたまた自由が制限されるため無気力になってしまっているのか、区別がつかない環境で患者らは過ごしている。双方の環境を知るマックマーフィは、(俺の知ってる人たちと彼らは何も違わない(!)とすら思っていたため)自由を取り戻そうと様々なことをしてしまう。特に耳の聞こえないと言われているチーフに対しては、聞こえる人と同様に接した。規律を破るたび、患者らが元気になっていく。そして‥。
■次は、キューブリック監督作品の中で一番好きな『時計じかけのオレンジ』。
二つとも原作は小説だが、これもまた「矯正治療」が行われる。キューブリックの風刺が効いた作品はこれだけではないが、彼は写真雑誌「LOOK」で働いたフォトグラファーなので、様々な事件や社会問題には詳しいし食指が動く。時代的に、一枚の写真で大きく社会的な変容をもたらす報道があったのは事実だ。そして、その役目を映画に求めた監督だとも思う。
この映画はあまりにも有名であり、なおかつ細かな設定や言語、未来的で退廃的な美術部分について語ることが山ほど出てきてしまうような作品でもある。自由奔放に欲望を追いかけるスタイルと、『カッコーの巣の上で』にみられるような全体主義の狭間をわざわざピックアップしている。それは背景に戦争報道があったからだとも思う。全体としては、ストリートギャング物ともいえるがストリートギャグとも思っている。あらすじは、優秀な上の1分Trailerに任せたい。
情報を切り取りして伝えることは、様々な混乱を起こさないためにも重要だとも思うが、フォトグラファーたちは見たものを良くも悪くも様々な情報を整えて、目的と対価に見合う表現に変える。そしてその背景には政治的なものも動く。この時代でもそうだが、この映画の中でもそうだ。「雨に唄えば」の曲でキックしたり、ヒトラーのワーグナー好きは有名なので似たように暴力と音楽を合わせた。
また、文字で感想を書けないようにしているのが、キューブリック作品だと思う。なぜなら、彼は文字から映像を立ち上げるため、文字にすれば小説になってしまう。そこに気がつかないとただ小説の感想を書いてしまうだけになるという罠があるのだった。もう少し長生きしてもらい、作品をたくさん観たかった。昨日が命日だ。
キューブリックよ、永遠なれ。