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(以下、個人の感想です)

■本日は『TENET』(2020)です。

 

IMAXで一回しか観ていない。”Don't think feel!”と、ブルースリーネタをわざわざ挟んでいただいたので、書いてみようと思った。物理学者の方の話も帰ってきてから読み、加えてパンフレットも買っていないのだが‥。

 

ノーラン監督の時間シャッフルは、『Following』(1998)から始まり、その後時間は10分の記憶になる『Memento』(2001)。また、夢への介入で時間が早くなったり宇宙で時間が伸縮など、時間いじり作品が多い。

 

フィルムカメラを手にした人たちからすれば、この監督の映画は、もしかしたらフィルムが他の映画の3分の2ぐらいの長さか?などと思っているかもしれない(カメラの台数も含めると、かなりの量になるだろうけれど)。初期に、編集中に逆に回しているうちにこれを使ってしまえ的になったのだろうか(監督自身、本を後ろから読む人のようだ)。まだ一般の映画館で見ていないので分からないが、カメラが揺れているとか、色々な方向の映像が出てきて見にくいということがIMAXではなかったように思う。ただ、どうフィルムの40%を切って一般映画館で公開しているのか。単に上下だけではないようにも思え、それを想像しながら見ていた。スクリーンが小さいほど揺れを感じるのかもしれないが、スイッチングによる切り替えで見にくいというのはあるのかもしれない。

 

■あとは、いつものように爆薬をたんまり仕込んで爆発させてくれているので、西部警察が好きだった人にはオススメ。

 

カーチェイスがなかなか考えられていて、見とれてしまった。爆破は、気持ちいいほどバッカン、バッカン。煙も炎もいつも通り。雪は下から上に‥という見どころがたくさん。

 

さて、内容だけれど。ざっくり戦いもの。

 

未来で作られたアルゴリズムという9つのパーツを集めると、第三次世界大戦以上に悲惨なことが起きてしまう。敵とされるセイターはそのうち8つを揃えてしまい、最後の一つである「プルトニウム241」を未来と過去で奪い合いする話。時間が逆行したり順行したりしながら戦うわけれだけれど。

 

画面を見ていると、逆行時などでも丁寧に色を変えてくれたり壁にテープのようなものまで貼っており、マスクもしているのでわかりやすい。後の細かな確認は、DVDが出てからでないとなんともいえない。なぜなら、2時間30分の作品だけれど、あっという間に終わってしまうという代物だから。

 

なので、「考えるな、感じろ」精神で語るとするならば‥

 

まずヒロイン キャットの身長(191cm)は、はなから車のシーンありきでだったのか、はたまた後付けなのかという疑問背が高すぎるので、座らせるか寝かせるしかないな、と思ったら寝ていたので笑った。構図的に収まらないので坂を利用か、離れるか)。撮る人目線だとただのギャグだった(笑)。

 

■次に、プルトニウム241は、2011年の311で原発が爆発してしまった時に話題になったのを思い出した。

 

半減期が14年でアメリシウム241に変化すると半減期が432年になる。なぜ、これが出てきたのか、9つとはどういう意味なのかという疑問はありつつ、あの頃調べていたように放射能汚染のその後の資料を久々に長々と眺めてしまった。この映画がDVDになる頃にはまた話題になるのではないかとも思う。なぜ、241なのか240や239じゃダメなのか。

 

エントロピーを小学生にもわかるように説明すると、ビリヤードの初めのひとつき状態。9つの玉が散らばる様子のように原子がぶつかり拡散する状態に似ているのだという。物理については詳しく分からないが、ファインマンダイアグラムの図より、気体分子運動論の図が、人を上から見てるような様子(色分けも含め)で分かりやすいとも思うのだが‥。

 

理論物理学者のキップ・ソーン博士が、YouTuberになって説明してくれる日を待っています(説明してもらってもわかるかどうかは受け手の課題だ‥)。

 

参考:

エントロピーが「時を戻す悪魔」を倒すまでの150年におよぶ戦い|講談社 ブルーバックス

QA13 プルトニウム 241 とはどういう放射性核種ですか - 環境省

『TENET テネット』物理学者が徹底検証!ノーランが築いた“逆行する”世界とは何だったのか?|cinemore