お酒の話。

 
 

 

 

 
 
 

お酒を飲んだ。

はじめて体感するビール、その酒独特の香りの記憶は祖父の手にした缶ビールのプルタブの穴の中だった。

まだ私が幼く可愛かった頃、どんな飲み物なの、と顔を寄せる私にすっかり赤くなった顔で祖父はすっと缶をこっちの方に差し出して、嗅いでみ、って笑って言った。祖父は楽しそうではあったけれど、それよりもっと満足というか快感に近い感じがあって、私が真夏に喉を鳴らしてソーダを飲むのよりもずっと美味しいのだと勝手に予感した。

もちろん、夏の暑さと疲労の負荷をかけつつ、お気に入りのCMを再現するかのように飲むサイダーは文句のつけようなく一番好きだった。

真面目だった私の予感は、学校の教育指導やテレビのニュース、大人のちょっとした会話からお酒の悪い顔を知れば知るほど疑惑に変わっていったけど、やはり意識の奥の好奇心と期待はいつかくるその時を常に待ち伏せしてたんだと思う。(これはお酒にだけ感することではなく、大人の秘密とか信じられてる全てにその要素はあるだろう。。)

 

お酒を飲むようになってわかったことは、決して強くなく、一杯飲めば真っ赤になって絶対バカにされるし、色が白いからってフォローされるのも辛いということ。

でもお酒は今日まで、それ以上には一度も私を貶めることなく、逆にかなりたくさんの場で私に味方してくれた。安全にお酒と付き合う場では、ビールをぐいっと飲みほせばそれで空気が緩く盛り上がって私も楽しくなった。

そうして気がつくと恥ずかしい自分になっている。お酒の席の次の日に辛い頭痛と胃もたれはアセトアルデヒドによるものではあるけど、それよりもっと口がしゃしゃりすぎてしまったせいである。

 

でもたくさん飲めても楽しくならない人もいる中で、ちょっとビール飲んだら酔っ払いになれる私は燃費がいい。吐くまで飲む必要なんてない。場を盛り上げる必要もない。

日本酒一気飲みなんてなれば完全にノリから外れてしまうのだけど、吐いたらやだし、怖いならそういうのはいい。

私は好きな場所で好きなタイミングで、好きに飲んで、そうするとお酒は美味しい。抜群に弱いけど、自分なりの楽しみ方がある。それが割とはっきりしているから堂々と言えるんじゃないか?

21歳、お酒は好き。うん、気取ってない。