姉妹の話。

 

 

 

 

 

うちは年子の三姉妹だ。そう聞けば華やかでうふふふふでドリーミンな世界に思える。

が、年が近いとより濃厚な社会が生まれる。二人いれば喧嘩ができるが、三人いれば派閥が生まれる。

私は生まれたときにはひとりこの世に先住民がいて、自分のすぐあとに移民がやってきた中間の民。

はじめて人に言われた悪口は、死ね。姉に言われた。そんなやり口があるなんて、とうろたえた。こういうところで、妹は姉に勝てない。

ところが、末は可愛かった。甘えるのが上手いこと上手いこと。私が意地悪すると妹はすぐ母のところへ飛んで行った。

私は、姉に負けてはいけなくて、妹に勝たなければならなかった。だから、どんどん傲慢に、狡猾に、賢くなっていった。

姉とも妹とも、中学生で青緑赤と仲良くジャージを揃ってきていた頃が一番仲が悪かった。ふたりとも私のことが大嫌いだったと思う。

 

 

その頃、昔姉妹三人で撮ったプリクラを友達に見せて、言われたことがある。

「ふうん。○○が一番可愛いね。」

それを聞いて、すごく腹が立った。そんなことない。ふたりのほうが可愛いだろ。たしかにプリクラ写りが良かったのは私だったし、ふたりは顔が濃いからもっさりして見えたのもあった。でも、そんなことはどうでもいい。

もし私が友達のぽろっとこぼした気休めの褒め言葉に喜んでいたなら、ふたりのことがどうでもよかったんだと思う。でもそうじゃなかった。私は心の底から傷ついたのだ。

 

 

友達と撮った写真を他の子に見せて、自分が一番可愛いと褒められて喜ぶ女がどれだけいるだろう。自分が一番写りのいい写真を載せることなんか常識の世界で、私はたかがプリクラ一枚に言われた一言にものすごく傷ついている。

 

私が一番可愛い、優れている、で喜ぶ。そんなことできるか。小さい時から一緒で、どうしたら落ち込んで泣いて喜ぶか見てきて、

比べることは沢山あったけど、ふたりはもはや、自分とは比べ物にならない個人として私の外で生きている。私が最も尊重している人生のふたつだ。

その大切な人生が、誰かと何かを比べられること自体に耐えられない。

受験に落ちても、面接に落ちても、オーディションに落ちても、振られても、見放されても、いじめられても、

ふたりが最高なんだよ?って何が何でも主張したい。

自分が死んだ直後でさえ、余裕でゲラゲラ笑って、バクバク食べて、気づいたら寝ていて、そんな風にピンピンして生きていてほしい初めての人たち。

 

 
 

ああ、人と比べないと生きられないときっていうのは、まだ自分の外に社会が出来てないということなんだな。

 

 
 
 
 

私も今更ながらこのふたりまで行かなくとも自分の社会を作るべく、どこまでも移住してみたいなと思います。

未熟者の旅は長いなあ。