静岡県伊豆半島北部の道路を研究していこう、というこのブログ

第68回のテーマは『伊豆の国市(旧・大仁町)の国道・県道(後編)』です。

ご面倒でも前編もご覧ください。

前編では昭和40年代までの動きでした。後編は昭和50年代以降の動きです。
なお、函南大仁バイパス(伊豆中央道~修善寺道路)については簡単に扱い、ちゃんと扱うのは改めてとします。(いつになるんだろう…)

<1・国道414号の指定>
昭和56年4月30日政令第153号にて「一般国道の路線を指定する政令」が改正され、
起点を下田市、終点を沼津市とする、一般国道414号が指定されました。

区域決定は昭和57年4月1日です(同日供用開始。いわゆる「みなし供用」。道路法第18条第2項)。
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旧・大仁町内では狩野川大橋~三福インター~御門交差点~大門橋のルートが国道414号でしたが、このうち、狩野川大橋~三福インター~御門交差点間が国道136号と重用しておりました。

また、この時、沼津伊東線の起終点は変更されておらず、起点は沼津市口野のままです。
したがって、沼津市口野~大門橋右岸(東側)までは国道414号と県道沼津伊東線が重用しておりました。
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実は昭和57年4月1日時点でのルートは現在とは異なっておりました。
三福インターから大門橋まで御門交差点を経由していました。

<2・国道414号田京地区ルート変更>
昭和59年5月11日の告示です。白山堂が白山道になっていて誤植だったり起終点が逆だったりしますが、温かい目で見てあげましょう。
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地番から三福インター~大門橋右岸(東側)の間のルート変更です。
御門交差点を経由していたルートから現在の狩野川沿いのルートに変更されました。
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こちらは『広報おおひと』昭和59年7月1日発行です。
国道414号のルート変更を報じています。
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文中の『沼津を起点とする国道414号』とあり、起点は下田市、終点が沼津市なので間違いですが、こちらも温かい目で見ていただきたいと思います。

なお、2018年9月19日に伊豆の国市役所市長戦略部市長公室さまから転載について了解を頂いております。
ご協力ありがとうございます。

沼津伊東線の区域は変更されていませんので、三福インター~大門橋右岸(東側)間についても国道414号と県道沼津伊東線が重用となりました。

また、国道414号から外れた御門交差点~大門橋右岸(東側)の間ですが、現在は市道大106号線となっています(この図は前編のものを流用)。
(伊豆の国市役所にて2017.8.15、2018.8.13調査)
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さて、この一連の変更ですが、県道沼津伊東線(当時)の亀石峠越えの区間が有料道路だったことが関連していると思われます。
有料道路『宇佐美大仁道路』は

起  点 :田方郡大仁町大字白山堂
終  点 :伊東市大字宇佐美
延  長 :19,214m
供用年月日:S37.10.1
無料開放 :S58.8.1

出典:『静岡県の土木史』昭和60年5月25日五月会発行

となっており、起点が白山堂となっています。また、今昔マップで、1972~1982年のラジオボタンを選択すると、昭和52年10月30日発行の5万図『沼津』が見れますが、大門橋右岸(東側)から有料区間が始まっています。

『宇佐美大仁道路』は、昭和58年8月1日に無料開放されましたが、その関連で国道414号が一旦は御門交差点経由のルートとなり、『宇佐美大仁道路』無料開放後に『宇佐美大仁道路』だった区間を国道414号に編入したのだと思います。


<3・沼津伊東線→伊東大仁線>
沼津伊東線は沼津市口野~三福インター間が国道414号と重用、三福インター~亀石峠~伊東市宇佐美間が単独区間でしたが、重用区間が切り離され、単独区間のみが県道伊東大仁線として認定されました(同日、沼津伊東線は廃止)。

告示日は平成6年4月1日でした。
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三福インターについて、詳しく見てみます。
後述のWEBで公開されている、『道路現況平面図』『ブロック接続起終点図』を参考にしました。

国道136号と立体交差している橋の西側に『県道伊東大仁線5ブロックの終点』と
『国道414号 20ブロックの起点』があります。
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現地の様子です(撮影日:2019年2月2日)。

まず国道136号23ブロック・24ブロック境界(国道414号19ブロック終点)。
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続いて『県道伊東大仁線5ブロックの終点』と『国道414号 20ブロックの起点』。図面では同一箇所と思われますが、現地には『国道414号 20ブロックの起点』のペイントしかありませんでした。
※歩行者進入禁止等の標識はありませんでした。
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『県道伊東大仁線5ブロックの終点』のペイントは国道136号と立体交差している橋の東側にあり、図面の位置と異なっています。
図面の上と下を間違えたとか、そんなことないですよね。まさかね。まさかね…。
(図面は路線の起点を左、終点を右にして描いているため、南を上、北を下に描かれている)

静岡県地理情報システムにて、地図切り替えで『道の情報』を選ぶと『道路台帳図』が閲覧可能です。
見たい路線を拡大してクリックすると右側にリンクが表示されます(2019年6月8日現在)。

併せてご確認ください


図上の『◎』が起終点です。
『道路現況平面図』『ブロック接続起終点図』などご確認ください。



<4・国道136号函南大仁バイパス(伊豆中央道~修善寺道路)>
これをちゃんと扱うと1回に収まらないので、さらっとだけ扱います。
ダブルウェイ区域追加となった一番最初の告示と供用開始(開通時)の告示のみです。

まず、昭和56年3月31日の告示です。同日で2回告示が出ています。
大場川南~大仁南間について。区域Bが追加されました。まずは大場川南~長岡北まで。
静岡県道路公社管理分の告示を別に出しています。
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まず、第1期として、大場川南~長岡北までが昭和60年3月30日、4月1日供用開始になっています。
上段の告示が道路公社管理分と思われます。
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省略していますが、バイパス側の区域決定が徐々に延ばされ、昭和63年7月26日の告示では旧・伊豆長岡町花坂地区の供用開始となっています。恐らく長岡北インター南側のごく短い区間と思われます。
この区間について、昭和63年(1988年)7月27日の静岡新聞の記事より

『国136バイパス函南-大仁工区』『側道320メートルが開通』
『第2期工事の第1号』『スポーツワールド伊豆長岡交通混雑を緩和』

田方郡伊豆長岡町花坂地内で行われている国道136号バイパス函南-大仁工区第二期工事で側道の一部が完成し、このほど供用を開始した。延長三百二十メートルと、ほんのわずかで、しかも本線ではないが、第二期工事の開通第一号となった。

開通した側道部分は、将来、本線が完成した時、同バイパスと立体交差する国道414号からの乗り入れ道路となる。幅員は3.25メートル。一方通行で利用する。もう一本の側道も8月末か9月初めにも開通する予定で、これにより両方向の交通が確保される。この側道を一足早く開通させたのは、すぐ近くにオープンしたスポーツワールド伊豆長岡へ入る車の交通混雑を緩和するため。側道の開通により伊豆中央道から来た車は、国道414号を横切って真っすぐにスポーツワールドへ進入できるようになり、スポーツワールド入り口付近の国道414号で心配される大きな交通混雑は起きないものと予想されている。中略 全線開通は七十年ごろが見込まれている。

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前後しますが、熊坂インターから修善寺インター間です。昭和63年3月25日、昭和63年7月29日に区域追加となり、平成4年9月11日の告示で9月19日供用開始となっています。
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また、前後しますが、平成2年3月6日の告示で、青枠内は大場川南~大仁南間の徐々に区域追加していった最後の状態です。加えて赤枠内大仁南~熊坂インター間のダブルウェイ区域追加です。
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徐々に供用開始区間が伸びていき、平成5年3月16日の告示で3月26日に長岡北~伊豆長岡インター間の供用開始となっています。
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平成7年1月27日の告示で、1月30日午前10時の供用開始の告示です。
伊豆長岡インター~白山堂間です。
このタイミングでやっと旧・大仁町区間に入ってきました。
当時は新大門橋で狩野川を渡った後、国道414号と合流する形になっていました
(実際は信号機付き交差点があった。今はなくなっています)。
※『今昔マップ』で『1988~2008年』のラジオボタンを選択した時の地図の線形です。
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平成9年6月20日、地番がわからないので具体的な場所がわかりませんが、供用開始(神田橋か?)。
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平成10年1月9日の告示で1月12日に白山堂~大仁中央インター間供用開始。
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最後に平成10年3月24日の告示で3月26日午後3時、熊坂インターから大仁中央インター間の供用開始です。
大場川南~修善寺インター間がつながりました。
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※本ブログは公的機関の公式発表ではありませんので、正式な情報が必要と
 される方は関係機関へお問い合わせください。

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※地理院地図は2019年5月27日-29日・6月3日現在。いずれも300×400ピクセル以内です。
※静岡県公報は著作権法第13条第2号の規定より、地方公共団体が発する告示ですので、著作権を有しないと考えられますので、そのまま転載しました。
※参考資料 『静岡県田方郡大仁町土地宝典』昭和63年5月29日発行(株)帝国地図