静岡県伊豆半島北部の道路を研究していこう、というこのブログ

第61回のテーマは、『沼津市大平~清水町徳倉の道路改良(原木沼津線・三島静浦港線)』です。

前回、三島静浦港線を取り上げました。三島静浦港線は沼津市大平にて原木沼津線と重用していますが、原木沼津線は沼津市大平~清水町徳倉にかけバイパスの開通で大幅にルートが変わっています。

また、その前後にも小規模な旧道がありますので、併せて取り上げることとします。

<1・昭和43年・清水町徳倉>
昭和43年3月5日の原木沼津線に対する告示です。
清水町徳倉にて288mが区域除外され、426mの区域に変更されました。
併せて供用開始されています。
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地番と延長から、この時に区域除外されたのは下図の赤点線の区間と思われます。
地理院地図で1961.4.26の航空写真より、このような線形だったと思われます。
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2018年8月に清水町役場にて現在の路線名について調査したところ、下図の通り、
町道507号線と町道472号線の一部となっています。
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<2・昭和49年・沼津市大平>
昭和49年7月19日の三島静浦港線に対する告示です。
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地番からすると下図と思われます。この区間、幅員が広がりました。
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この道はまっすぐ西に延びていて、一体的に幅員が広がったと思われますが、
この当時、大平1932から先は市道だったと思われ、この地点までの告示です。

<3・昭和54年~62年・沼津市大平新城橋南側>
新城橋南側にも旧道があります。

まず、昭和54年3月13日の三島静浦港線に対する告示です。
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250mの区域が追加されました。地番を地図に落とすと下図です。
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赤点線の道路が現在の道路ですが、北側に並行する細い道が旧道です。
地理院地図で歴代航空写真を見ればわかりますが、赤点線の道路は以前はありませんでした。

続いて、昭和59年3月31日の告示です。
原木沼津線は区域Bとして、268mの区域が追加されました。
また、三島静浦港線は区域Bの275.0mが残り、区域Aの228.5mの区域が除外されました。
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原木沼津線は元々の道路(青線)に対し、赤点線の区域が追加と思われます。
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三島静浦港線は、赤点線の区域が残り、旧道が区域除外されました。
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最後に、昭和60年2月19日の供用開始の告示と、昭和62年9月16日の原木沼津線に対する告示です。
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区域Aの220.0mの区域が除外され、南側の現在の道路に一本化されました。
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『昭和62年第1回定例会 沼津市議会会議録(沼津市議会)』によると

議第37号は、市道路線の認定について御議決をお願いするものであります。
今回認定をお願いする路線は大平地区1路線、西浦地区1路線でございます。
大平地区の小金山新城線は延長195メートル、西浦地区の下洞小崎線は延長303メートルでございます。
この2路線は従来から県道として公衆の用に供されてまいったものをこのたび静岡県より移管を受けましたので、市道として御認定をお願いいたすものでございます。
昭和62年6月

なお、『沼津市認定道路路線網図』によると、『4510号線』になっています。


<4・平成7年~平成26年・沼津市大平~清水町徳倉>
この区間、大規模にルートが変わった区間です。原木沼津線に対する告示です。
まず、平成7年12月15日の告示です。区域A(旧道)に対し、区域Bの1148.8mが追加されました。
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地番の位置を示すと下図になります。おそらく、地番より緑ラインの区域追加と思われますが、延長が合いません。
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続いて平成8年2月2日の告示です。区域A(旧道)はそのまま、区域Bが354.8m伸びました。
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緑ラインに加え、赤点線の区域が追加になったと思われます。
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さらに、平成9年3月7日の告示です。区域A(旧道)はそのまま、区域Bが307.5m伸びました。
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緑ラインに加え、赤点線の区域が追加になったと思われます。

しかし、平成8年2月2日の告示の『後』と平成9年3月7日の告示の『前』を比べると、同じ地番なのに974.2m違います。
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さらに、平成9年4月30日の告示です。
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『後』の区間が区域Aと区域Bで一緒になりましたので、
下図の赤点線のラインになると思われます。
なぜか、平成9年3月7日の告示の『前』の延長と平成9年4月30日の告示の『前』の延長が一緒なのはなぜでしょう。
平成9年3月7日の告示の『後』と平成9年4月30日の告示の『前』が一緒ならわかりますが…。
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供用開始の告示は平成24年4月13日の告示で、平成24年4月15日午後4時供用開始とのことです。
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この地番を地図に示すと下図となり、市町境の区間のみです。告示の拾い忘れがあったかもしれません。
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最後に、旧道区間の区域除外の告示で、平成26年2月28日の告示です。
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区域Bが丸々残りましたが、区域Aについても203m残りました。
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区域Aで残っている区間ですが、下土狩徳倉沼津港線が重用している区間となります。

旧道の現在の路線名
地理院地図では旧道が県道色に塗られたままですが、平成26年2月28日の告示の通り、現在は県道ではありません。
現在は市道・町道に格下げされています。

清水町内の区間です。2018年8月に清水町役場にて調査した結果、町道753号線でした。
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清水町議会会議録を見ると、平成25年第3回定例会で議案第41号 清水町道路線の認定についてがあり、

県道原木沼津線バイパスが供用開始されたことから、これまでの県道部分を町道として引き継ぐとともに、町道5号線の終点を変更することに伴いその一部に未認定区間が生じるため、新たに町道の認定が必要となります。

とあり、『町道753号線』とは書かれていないものの、この時に議決されたと思われます。

一方の沼津市内の区間です。平成25年第10回定例会
議第49号は、市道路線の廃止についてであります。
内容といたしましては、県道原木沼津線バイパス整備完了に伴い、0256号線について、新東名高速道路建設に伴い、1156号線ほか1路線について、それぞれ廃止をお願いするものであります。
次は、議第50号であります。議第50号は、市道路線の認定についてであります。
内容といたしましては、新東名高速道路建設に伴い、1972号線ほか7路線について、また、県道原木沼津線バイパス整備完了に伴い、4708号線について、それぞれ認定をお願いするものであります。
次は、議第51号であります。議第51号は、市道路線の変更についてであります。
内容といたしましては、県道原木沼津線バイパス整備完了に伴い、0251-2号線について、また、新東名高速道路建設に伴い、1038号線ほか11路線について、それぞれ起・終点等の変更をお願いするものであります。

とあります。沼津市立図書館で議案が見れますので確認しました。

下図の通り、0256号線が廃止(→県道原木沼津線として管理となる)。
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また、下図の通り、4708号線が認定され、県道の旧道を受け継ぎました。
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さらに、下図の通り、0251-2号線の終点が移動し、短縮された区間は県道原木沼津線として管理となりました。
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<5・原木沼津線『8ブロック』>
最後に、原木沼津線のまま残されている『8ブロック』の写真です。2019.1.27撮影。
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※地理院地図は2019年4月15-18日現在。いずれも300×400ピクセル以内です。
※静岡県公報は著作権法第13条第2号の規定より、地方公共団体が発する告示ですので、著作権を有しないと考えられますので、そのまま転載しました。
※参考資料 『静岡県駿東郡清水町土地宝典』昭和61年3月18日発行 帝国地図