静岡県伊豆半島北部の道路を研究していこう、というこのブログ

第50回のテーマは『県道原木停車場線』です。
『伊豆箱根鉄道駿豆線 停車場県道シリーズ』としてお送りします。

原木停車場線は、その短さから、いろいろなサイト・ブログですでに取り上げられています。
なお、原木駅は昭和46年5月1日から牧之郷駅とともに無人駅となりました(後述資料より)。
また、昭和42年1月1日『原木駅新築完成』とあり、この時に駅建物を新築したようです(同)。
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『国道136号』は旧道と書きましたが、伊豆中央道~修善寺道路のルートが現道となるので、旧韮山町経由のルートは、あくまで管理上ですが、『旧道』ということになります。

<1・データ集>
今回は、データ集からです。

まずは『道路現況調書』のデータから。

<原木停車場線>
路線番号 3137
路線名  原木停車場線
読み   ばらきていしゃじょうせん
総延長  110m
重用延長 (空欄)
実延長  110m
起点   伊豆の国市原木[伊豆箱根鉄道原木停車場]
終点   伊豆の国市原木[国道136号交点]

出典『平成28年4月1日現在 静岡県道路現況調書』静岡県道路保全課

『一般国道・県道路線調書(昭和58年4月1日現在)』のデータを引用します。

・整理番号    137
・路線名     原木停車場線
・法第7条該当号 5
・起点      原木停車場
・終点      田方郡韮山町原木
・重要な経過地  (空欄)
・認定等年月日  昭35.4.1(第218号)認定
         昭48.1.20(第43号)整理番号、起点、終点の告示改正
         昭53.3.31(第339号)起点の告示改正
・区域決定    田方郡韮山町原木字綾織863番の3地先 から
         田方郡韮山町原木字走り落719番の16地先 まで
・告示年月日   昭35.4.1(第220号)
・供用開始    田方郡韮山町原木字綾織863番の3地先 から
         田方郡韮山町原木字走り落719番の16地先 まで
・告示年月日   昭35.4.1(第221号)
・沿革等     昭35.4.1(第218号)県道路線の再編成のため県道原木沼津線を
         県道原木(停)線で認定
         原木沼津線は昭35.4.1(第219号)に廃止

地番の場所については下の方に示します。

『沿革等』の所でなぜ、原木沼津線が登場するのかがわかりません。
『旧道路法での原木沼津線』については、『網代村道路元標・沼津町道路元標』のところで触れましたが、沼津市内で重用区間があるものの、原木側では重用区間はないようですので、原木駅が起点とは思えないのですが…。
※仮に原木駅が起点だったと仮定すると、韮山村内で『県道静岡下田線→二級国道下田三島線』と重用するはず。

<2・現道路法にて認定時の告示>
それでは認定時の告示です。
・認定(昭和35年4月1日)
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・区域決定(昭和35年4月1日)
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・供用開始(昭和35年4月1日)
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※本ブログは公的機関の公式発表ではありませんので、正式な情報が必要と
 される方は関係機関へお問い合わせください。

ここまで登場した地番を地図に示します。
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認定では、『原木停車場』が起点で、『2級国道下田三島線交点』が終点でした。
しかし、認定時の区域決定・供用開始の告示では、起終点が逆になっています。

『一般国道・県道路線調書(昭和58年4月1日現在)』では、原木駅側の住所から国道136号交点の住所まで、となっていて、しれっと修正されています。

なお、静岡県地理情報システムにて、地図切り替えで『道の情報』を選ぶと『道路台帳図』が閲覧可能です。
見たい路線を拡大してクリックすると右側にリンクが表示されます(2019年2月9日現在)。

併せてご確認ください


図上の『◎』が起終点です。
『道路現況平面図』『ブロック接続起終点図』などご確認ください。

この図面では、国道交点側が起点、原木駅側が終点のように描かれています。
※このため上に示した図も国道交点側を起点、原木駅側を終点として描きました。

<3・写真>
写真はいずれも2017.3.20撮影

起点なのか終点なのかわかりませんが、国道交点側です(認定上は終点、図面では起点)。
認定上は終点ですが、図面の通り、『BP』と書かれています。※BP=Beginning Point
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続いて、原木駅側です(認定上は起点、図面では終点)。
認定上は起点ですが、図面の通り、『EP』と書かれています。※EP=End Point
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<4・原木駅の乗降客数>
上述の通り、原木停車場線は『道路法第7条該当号』は『5』とのことです。
道路法第7条では、都道府県道の意義及びその路線の認定について定められていて、5号は、
主要地、主要港、主要停車場又は主要な観光地とこれらと密接な関係にある高速自動車国道、国道又は前各号のいずれかに該当する都道府県道とを連絡する道路
となっています。

では、『原木停車場』が『主要停車場』にあたるのかどうか。

国土交通省のサイト『所管法令、告示・通達一覧』
都道府県道の路線認定基準について
を見ると、
『主要停車場とは、旅客の発着人員(定期券による人員を含む。)が、年間四四万人以上又は貨物取扱屯数(車取扱及び小口扱)が年間一八、〇〇〇屯以上の駅とする』
とあります。
そこで、原木駅の乗降客数について調べました。認定時の昭和35年と、その前後の昭和25年、昭和45年のデータです。
このデータは、管理人の出身高校の郷土研究部が持っていたものです。

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『発着人員』って乗車と降車の足し算なんですかね?
昭和35年のデータでは、足し算だと約50万人になって、(足し算なら)条件は満足していたことになります。

2019.2.9追記
最近の数字も調べましたので追記します。
平成28年度のデータでは足し算しても44万人に届かなくなりました。
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関係ないですが、このデータでは大仁駅より田京駅の方が多いんですね。やはり大仁高校が伊豆総合高校に統合されたのが大きいんでしょうか。(追記ここまで)

<5・旧道路法時代の話>
最後になりましたが、原木停車場線のルーツとして、旧道路法時代の話です。
大正12年11月18日・靜岡縣田方郡役所發行『靜岡縣田方郡制録』です。
郡道として『原木停車場線』が認定されました。
認定路線延長は、壹町壹間とあります。
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壹町壹間は、メートル法だと、110.9mになります。

郡制廃止後、旧道路法では県道認定されなかったようです。

昭和27年4月製版『靜岡県三島土木事務所管内圖』です。
※旧道路法の時代
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原木駅付近には記載がありません。

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※地理院地図は2019年2月4日現在。いずれも300×400ピクセル以内です。
※静岡県公報は著作権法第13条第2号の規定より、地方公共団体が発する告示ですので、著作権を有しないと考えられますので、そのまま転載しました。