静岡県伊豆半島北部の道路を研究していこう、というこのブログ
…ですが、遠征編第2弾として神奈川県内を扱います。
第39回のテーマは『箱根町の気になる道路』です。
(第38回は欠番となります)
ここのところしばらく伊豆半島北部から離れていますが…。
仙石原新田線(その1)の回で芦ノ湖スカイラインの特別区間(湖尻線)と県道湯河原箱根仙石原線を結ぶ道が神奈川県自然環境保全センターが管理する、『園路1号線』という道路であり、自然公園法に基づく「公園車道」として設置されている、ということを書きました。
今回は、箱根町の広報紙を見て気になった項目とその調査結果を上げていきたいと思います。
なお、発行後、50年以上経過している場合、著作権保護期間満了と考え転載します。
<1・箱根関所を通る道>
『箱根町報』の昭和40年4月15日発行の第82号では3月定例議会での内容が掲載されています。箱根関所跡を通過する道路を町道に認定したという内容です。
現在の路線名・起終点を箱根町役場にて調べました。
図の通り、『2002 箱2号線』となっていました。
なお、『箱根町報』昭和40年6月10日発行の第84号によると『箱根関所96年ぶり再現』とあり、明治2年に廃止、取り壊された箱根関所が昭和40年5月27日に復元され『関所開き』が盛大に挙行された、とあります。
<2・元箱根付近の国道1号>
元箱根付近の紫色のラインの道です。地図によって国道扱いだったり、そうでなかったり。
地理院地図を見ると国道色に塗られていませんが、県西土木事務所小田原土木センターにて『道路台帳平面図』を確認したところ、やはり国道1号とのことでした。
地理院地図では国道色に塗られていませんが、googleマップ、yahoo地図は国道色でした。こちらが正解です。
<3・箱根町内の国道1号>
『一般国道の指定区間を指定する政令』(検索すれば見れますのでそちらを参照)にある通り、国道1号のうち、宮の下を経由するルートは指定区間になっていません。
つまり、国土交通省が管理しておらず、神奈川県にて管理されています。
このブログをご覧の方なら、そのことはご存知の方も多いと思います。
『箱根町報』昭和42年11月1日発行の第113号では昭和42年10月1日に神奈川県に移管したことを報じています。
<4・伊豆箱根の有料道路その1>
有名な話でご存知の方も多いと思いますが、芦ノ湖畔を通る現在の湯河原箱根仙石原線の一部区間と大涌谷の下を通る県道(大涌谷小涌谷線、大涌谷湖尻線)は、かつて伊豆箱根鉄道の有料道路であり、神奈川県が買収して県道となり開放されました。
『箱根町報』昭和36年11月1日発行の第41号はその内容を記事にしています。
県道関係の告示を見ていきます。この項目はあおまるさん、ハルニチさんのブログを参考にさせていただきました。
この場をお借りしお礼します。なお、公報の写真は撮りおろしです。
まずは湯河原箱根仙石原線の告示です。
告示を見ると、『元箱根字坂下36-3番地先』から『字旧札場10-35番地先』までの
区間の区域が変更されています。
『元箱根10番地』を調べると近い住所として『元箱根字御殿10-1』が、図の個所にあります。
150メートルくらいしか離れていないし、小字が違うので誤植と思います。
『元箱根字旧札場110-35』が伊豆箱根の箱根湖尻ターミナル付近にありますので、
こちらが正しいのではないかと思います。
<5・伊豆箱根の有料道路その2>
続いて、大涌谷小涌谷線、大涌谷湖尻線の告示です。
さて、大涌谷小涌谷線の起点付近ですが、ロータリ状になっています。
起点は一体どこなんでしょう?
県西土木事務所小田原土木センターにて『道路台帳平面図』を確認しました。
その結果、図の位置に起点があり、起点を示す『フラスコ型』の記号が丸底同士を突き合わせるように2個描かれていました。
また、『道路台帳平面図』には『起点足柄下郡箱根町仙石原1251番の2地先』とあります。
さらに『道路台帳平面図』は駐車場を突っ切るように破線が引かれていました(図では赤線で表現)。
仙石原と元箱根の大字境界でしょうか?(何の破線か明記されていませんでした)
の8頁の地図に描かれている一点鎖線とは少し違います。
なお、箱根町役場にて確認したところ、このロータリから大涌谷駅に向かう道は町道『仙199号線』となっていました。
この『仙199号線』ですが点線町道です。
大涌谷小涌谷線起点付近の写真です。横断歩道のところにペイントがあり、図面とほぼ一致します。
まずは2018年3月11日撮影
続いて2018年3月18日撮影
再び2018年3月11日撮影
<6・湯河原箱根仙石原線(ほか)の旧道?>
まずは、『箱根町報』昭和42年2月1日発行第104号より。
前年の12月の定例議会で旧県道の、坂下36-2地先から大芝80-6地先(伊豆箱根元箱根営業所前三差路~山のホテル)が町道に認定されたことを報じています。
続いて、『箱根町報』昭和43年2月1日発行第116号より。前年12月定例議会で上記の町道を延長することが認定されました。
現在の路線名・起終点を箱根町役場にて調査しました。『2001 箱1号線』が該当すると思われます。
次は、『広報はこね』昭和52年4月10日発行第226号より3月定例町議会の内容を報じています。
◎町道路線の認定について
この道路の認定はいずれも神奈川県が管理していた旧県道等について町に移管することの協議が整ったので、正式に町道に認定をするものです。
一 竜宮殿~湖尻船付場間、延長2860メートル、幅員3.5メートル
二 国土計画箱根支店前~箱根神社第二鳥居前間、延長408.5メートル、幅員8メートル
前者は『2113 箱113号線』と思われます。
後者は『2114 箱114号線』と思われますが、『国土計画箱根支店前』の場所がわからなかったので違うかもしれません。
この『2114 箱114号線』ですが、管理人が子供のころに見た地図は国道1号として描かれていたように記憶していますが今一つ自信がありません。
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※箱根町役場での確認日:2018.10.22
※県西土木事務所小田原土木センターでの確認日:2018.8.15
※地理院地図は2018年11月13・28・29日現在。いずれも300×400ピクセル以内です。
2019.3.22追記
『国土計画箱根支店前』の場所が知りたくて、一昔前の箱根町の地図がないか探していたところ、小田原市立図書館に明細地図社発行の住宅地図の昭和57年版、昭和46年度版が所蔵されていることに気づきましたので、調べました。
昭和46年度版を見ると、下図の場所に『国土計画箱根支店』とあります。
なお、現在『八丁駐車場(元箱根108)』の場所です。
結果的に最初の推測通りだったと思います。
昭和57年版では、『西武建設・西武不動産』と書かれています。
※地理院地図は2019年3月21日現在。300×400ピクセル以内です。
※参考資料 箱根町明細地図 昭和46年度版 (有)明細地図社 S46.2.25発行
箱根町明細地図 昭和57年版 (有)明細地図社 S57.1.8発行
箱根町 平成19年版 (株)明細地図社 H18.7.31発行