静岡県伊豆半島北部の道路を研究していこう、というこのブログ

第35回のテーマは『トンネルと土木事務所境界』です。

伊豆半島の県管理道路を管理する土木事務所は、沼津、熱海、下田と3つあります。

・沼津土木事務所 沼津市、三島市、御殿場市、裾野市、伊豆の国市、伊豆市
         駿東郡(小山町、長泉町、清水町)、田方郡(函南町)
・熱海土木事務所 熱海市、伊東市
・下田土木事務所 下田市、賀茂郡(東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町)
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山がちな伊豆半島は山稜に市町境があることが多いです。
山をトンネルが貫いている場合、山稜に市町境があればトンネル内に市町境があることになります。

通常は土木事務所管理境は市町境と一致しますが、トンネル内であれば話は別です。
トンネルの途中で土木事務所を分けるよりトンネルを一体で扱った方が管理しやすいためトンネルの途中で管理境界を設けることなく、入口側か出口側かどちらかの土木事務所で管理しているようです。

トンネルが絡む土木事務所境界をブロック図等からまとめてみました。

なお、記事執筆時点での情報となりますので、その後変更される場合があります。

また、市町境がトンネルであっても土木事務所境界とならない場合は扱いません
(例:横山<下土狩徳倉沼津港>、口野<国道414号>、八声<下田南伊豆>、婆娑羅<下田松崎>など)

どこかで取り扱いたいネタでしたので、このタイミングで取り上げました。
今回、短い内容ながら、かなり濃いテーマなので関係機関からお叱りを受けそう。

※決してネタ切れではなく、そろそろ『県道■■■■■線』について記事にしたいが、某自治体からの返信がなくて記事にできないのを調整する目的もあり…ゴニョゴニョ


以下、トンネル名称は『平成28年4月1日現在 静岡県道路現況調書』静岡県道路保全課記載のトンネル名称によります。

路線の起点から終点に向かって走行した場合の入口を『入口』、出口を『出口』と定義します。
※熱海函南線なら、熱海側が入口、函南側が出口

<1・熱海函南線 鷹ノ巣山トンネル>
熱海市と函南町の境です。熱海土木・沼津土木の境になります。
出口側(函南側)に境界があるので、トンネルは熱海土木管内となります。

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■路線名     熱海函南線
 トンネル番号  3100
 トンネル名   鷹ノ巣山トンネル
 市町村名箇所名 熱海市熱海
 建設年次    S47
 延長m     1267.5
 幅員 道路部m 8.90
    車道m  6.50
    歩道部m 1.90
 有効高m    4.50

現地写真は2017年12月29日撮影。函南側
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トンネル入口にあるラジオの周波数を示す看板です。
静岡県の伊豆・東部・中部では地元局のSBS静岡放送に加え、ニッポン放送も再送信されているトンネルが多いです。
埼玉県に送信所があるTBS・文化放送は入りが悪いところが多いですが、千葉県に送信所があるニッポン放送は比較的良好に受信できます。

鷹ノ巣山トンネルでは再送信されていないようですが、NHK第1静岡(882kHz)に加え、NHK第1東京(594kHz)が再送信されているトンネルも多いです。

この『トンネル入口のラジオの周波数を示す看板』ですが、ストビューで色々見ていると国道1号では、谷稲葉トンネル以東では地元局(NHK・SBS)プラスニッポン放送とNHK東京、大井川を渡って牧の原第一トンネル以西で地元局のみとなります。

ほかにもストビューなどの調査ですが、隣の山梨県では民放は隣県の民放の周波数は書かれていないので、静岡と山梨でだいぶ違うなと思います。
なお、NHKは甲府局の電波が弱いと思われる所は静岡局とか東京局になっています。
(例:国道52号:南部トンネル以北は甲府局・塩沢トンネル以南は静岡局;
   ストビューで調査、
   国道139号:松姫トンネルはNHK東京;個人様サイト/ブログ等の写真で調査)
※トンネル入口の看板で確認しているのみなので、実際違うかもしれません。

<2・伊東修善寺線 冷川トンネル>
伊東市と伊豆市(旧中伊豆町)の境です。熱海土木・沼津土木の境になります。
入口側(伊東側)に境界があるので、トンネルは沼津土木管内となります。
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路線名     伊東修善寺線
 トンネル番号  3101
 トンネル名   冷川トンネル
 市町村名箇所名 伊豆市徳永
 建設年次    S50
 延長m     592.0
 幅員 道路部m 8.70
    車道m  6.00
    歩道部m (空欄)
 有効高m    4.50

現地写真は2017年12月30日撮影。伊東側
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<3・国道414号 新天城トンネル>
河津町と伊豆市(旧天城湯ヶ島町)の境です。下田土木・沼津土木の境になります。
出口側(伊豆市側)に境界があるので、トンネルは下田土木管内となります。

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路線名     414号
 トンネル番号  2040
 トンネル名   新天城トンネル
 市町村名箇所名 河津町梨本
 建設年次    S44
 延長m     800.0
 幅員 道路部m 8.00
    車道m  6.00
    歩道部m 1.50
 有効高m    4.50

現地写真は2018年1月1日撮影。伊豆市(旧・天城湯ヶ島町)側
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<4・国道414号旧道 天城トンネル>
河津町と伊豆市(旧天城湯ヶ島町)の境です。下田土木・沼津土木の境になります。
現地ペイントの類はありませんでしたが、『ブロック接続起終点図』によると
出口側(伊豆市側)に境界があるので、トンネルは下田土木管内となります。

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         ※この図は流用

路線名     414号(旧道)
 トンネル番号  2041
 トンネル名   天城トンネル
 市町村名箇所名 河津町梨本
 建設年次    M37
 延長m     446.0
 幅員 道路部m 4.10
    車道m  3.50
    歩道部m (空欄)
 有効高m    3.50

現地写真は2018年3月31日撮影。伊豆市(旧・天城湯ヶ島町)側
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トンネル出口付近が境界

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このトンネルには観光客も訪れます。

<5・国道136号 賀茂トンネル>
西伊豆町(旧賀茂村)と伊豆市(旧土肥町)の境です。下田土木・沼津土木の境になります。
出口側(伊豆市側)に境界があるので、トンネルは下田土木管内となります。

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路線名     136号
 トンネル番号  2044
 トンネル名   賀茂トンネル
 市町村名箇所名 西伊豆町宇久須
 建設年次    S56
 延長m     465.9
 幅員 道路部m 8.70
    車道m  6.00
    歩道部m 1.70
 有効高m    4.50

現地写真は2018年1月1日撮影。伊豆市(旧・土肥町)側
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いずれのケースも『道路現況調書』記載の住所が管理事務所側の市町の住所になっています。

また、必ずしも、起点に近い側の土木事務所が持つ、という決まりではなさそうです(冷川の例)。





確認資料は以下によりました。

なお、静岡県地理情報システムにて、地図切り替えで『道の情報』を選ぶと『道路台帳図』が閲覧可能です。
見たい路線を拡大してクリックすると右側にリンクが表示されます(2018年11月10日現在)。
併せてご確認ください


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※地理院地図は2018年10月30日・11月7日現在。いずれも300×400ピクセル以内です。