SABATON について話そうか。。。
10/23、24と、幕張で新体制で始動した BABYMETAL。
その内容をネットで見聞きしましたが、自分なりの評価を下すのは10/28のさいたまスーパーアリーナでの『DARKNIGHT CARNIVAL』をこの目で観てからにしようと思っています。幕張の話題で目立ったのが、ゲスト(という名の前座)の GALACTIC EMPIRE への酷評。。。微力ながら幕張の前に『侮れない銀河帝国からの刺客』として紹介しましたが、インストという特殊性 (?) ゆえか盛り上がりに欠けたうえ、与えられた時間が50分と予想外に長かったため、ピットで立ちっぱなしだった人からは「長ぇよ !!」「まだやんの ?」といったSNS上でのsageコメント多発。挙句の果てには「邪魔だよ、はよ終われ」とまで。
個人的には LOUD PARK で好きなバンドが出るステージの1つ前バンドの時から前アリーナに凸して、終ったら柵前でポジション取りして、反対のステージで始まる興味無いバンドを聴きながら待つので、知らない・興味の無いバンドでも小一時間聴いていられますがね。
紹介記事でも書きましたが、演奏技術も申し分ないし、決してレベルの低いバンドではありません。ですが、やはり BABYMETAL の前座としては系統が違っていて、マッチング・ミスだった様です。ただ、だからと言ってバンドを非難するのは止めて欲しいですね。
彼らは "呼ばれた" から喜んで、はるばる日本に来て演奏しているのですから。。。
さて、前座といえば、このあと BABYMETAL の10/30、31と神戸公演の前座をつとめるのは、はるばるスウェーデンからいらっしゃる SABATON というバンド。
どうやらメイト (BABYMETALのファンのこと) の中には彼らを知らない人が多い様なので、僭越ながらご紹介させて頂きます。
なかなか新陳代謝が進まないHR/HM界の中では、2005年デビューのバンドではありますが、若手の部類に入ります。しかし、その実、デビューするまで紆余曲折あって時間が掛かっており、結成自体は1999年にまで遡ります。
同じ年に結成された、メイトにも馴染み深い DRAGON FORCE が翌年2000年には
デビューしているのと比べると、苦労していますね。
2005年デビューといっても、本国スウェーデンのインディー・レーベルからです。
実は2001年にデモ作品集を自主制作でリリースしていますが、オフィシャルのカタログでは、2005年リリースの『PRIMO VICTORIA』が1stアルバムとなっていて、2016年までに8枚のスタジオ・アルバムと3枚のLiveアルバムをリリースしています。
既に母国をはじめヨーロッパでは知名度が高く、彼らの名を冠したフェスやクルーズが開催されているほどです。
スウェーデン = 北欧と聞いてイメージするシンフォニックさは希薄 w。勇壮果敢な、実に漢臭い曲の後ろで薄っすらとシンセが流れていますが、メンバーにキーボードは居ない (レコーディングでは Voのヨアキムが弾いている) ので、Liveでは同期音源を流しています。
歌っている題材は、第二次世界大戦を中心とした人類の "戦い" で、"WAR METAL" とも称されています。バンド名の SABATON とは、甲冑の足の部分の装甲鋼板のこと
(バンドロゴにも描かれてます)。そんなバンドですから、ルックスはこんな仕上がりに w。
左から D ハネス、G クリス、Vo ヨアキム、B パル、G トミー。
全員お揃いのカモフラ・パンツがトレードマーク。そして何より目を引くのは、バンドのフロントマンであるVoのヨアキム (真ん中) のルックスでしょう w。
およそメタル・バンドのVoとは思えぬモヒカンに、鉄板をあしらったベストとサングラスが彼のトレード・マーク。因みにサングラスは母国スウェーデンの彼らの出身地ファールンに本社を持つハガ・アイウェア社と提携してサバトン・ブランドとして売り出しています。
しかし、サングラスを外すとつぶらなお目目で可愛いので、惚れない様に w。
ファンの事を「マイフレンズ」と呼び、LiveのMCでも良く聞かれます。
そして彼が歴史マニアなことから、大好きなメタルで歴史上の戦いをテーマにしたのがこのバンドの方向性を決めました。彼らの母国スウェーデンは第一次、第二次世界大戦のどちらも武装中立を貫いて、"武力による参入は" していない平和国家。
しかし、それ以前のスウェーデンの歴史は何気に戦いの歴史で、バルト海近隣の国に攻め込んでバルト帝国を築いたり、その領土を巡ってロシアやデンマークと戦ってみたり、王朝変遷で革命が起きたり、現在まで続くベルナドッテ王家の成り立ちがかなり複雑だったり (1818年に戴冠したベルナドッテ王家始祖カール3世ヨハンは平民出身のフランス人兵士) と、同じ国内で領土を取り合っていた我が国とはレベルが違います w。
"WAR METAL" が出来上がる下地は、はるか昔からあった訳ですね w。
2015年にLOUD PARK で初来日する時に、ネットで日本の事を調べて観光プランを練っていたらいつの間にか日本最後の内戦、西南戦争について調べていたヨアキム w。
西郷隆盛が最後に自刃する姿に "これがサムライか !!" と感動し、最新アルバム『THE LAST STAND』にその西郷隆盛が最後に戦って亡くなった城山篭城をテーマにした
Shiroyama という曲を収録しちゃったり、来日して観光をすれば、渋谷みたいな最先端の街と古都の佇まいを残す京都が同じ国にあるなんて !! と感銘を受けたりと、なかなかの親日派 w。ま、古くから立憲君主制を敷いていて、国王が国の象徴という、どこか日本に近いお国柄というのも親和性を強めた。。。? か、どうかは解りません w。
バンド結成時からのメンバーは彼と、Bのパルだけで、2012年には2人を残して結成時からのギター2人と2代目ドラマーが脱退し、急遽メンバーを探さねばならないというトラブルもありました。しかも脱退したメンバー達で別のバンドを結成したというのも、裏を返せば、良くも悪くもVoのヨアキム = SABATON で、脱退したメンバーはそれが嫌だったんでしょうね。
あと、ドラムライザー (ドラムを載せる台) が戦車 (それもヤマハの音叉マーク入り w) だったりします。
LOUD PARK15 (レポは→コチラ)、LOUD PARK17 (レポは→コチラ) では持って来ていましたが、今年3月の単独公演 (レポは→コチラ) では持って来ていませんでした。
それでは、下らん講釈はここまでにして、彼らの曲を鉄板曲に絞ってご紹介。
IN THE ARMY NOW
元々はオランダの兄弟デュオ Bolland & Bolland が1982年にリリースした曲で、有名になったのは1986年に STATUS QUO が同名アルバムでカヴァーしたことから。
そのどちらとも違う勇壮なアレンジにしてあるが、歌詞の内容はベトナム戦争に送られた兵士を悼む内容。SABATON のショーは暗転の中この曲が流れ、観客が一緒に歌って彼らを待つ。そしてインストの The March To War と共にメンバーが入場し、"開戦" するのである。少しでも一緒に歌って欲しいので、敢えて歌詞付きのモノにしました。
GHOST DIVISION
2008年リリースの4th『THE ART OF WAR』収録曲。
爆アゲのオープニング鉄板曲 !! このヨアキムの腕を上げ下げするアクション、本物を見たら血圧上がりまっせ !! 第二次世界大戦のアフリカ戦線での武勲によって "砂漠の狐"と謳われた、ドイツ陸軍のエルヴィン・ロンメルが率いた第7装甲師団についての曲。1940年のフランス侵攻作戦の際に、いつの間にか防衛線を突破しているという意味で連合国側が『幽霊師団』と呼んだことにちなんでいる。
因みにロンメルは生涯を通じてナチには入党しておらず、亡くなるまで生涯ドイツ陸軍の軍人として戦い (所属もナチの親衛隊などではなく、あくまでドイツ国防軍だった)、度々ナチ司令部からのユダヤ人捕虜の殺害命令や、制圧した町の破壊といった命令に背いた人で、自分たちの宿営地を襲ってきて返り討ちにした連合国兵士たちを手厚く埋葬したという人。
部下の信頼も厚く、ヒトラーでさえやっかんだそうですが、武勲は枚挙のいとまなく、何と開戦から3年で少将から4階級特進し、最年少で元帥までになってます。
しかしその最期は寂しく、ヒトラー暗殺計画に共謀した疑いをかけられ (捕まった人間の中で
ロンメルも関係していると証言する奴がおり、もともとナチの思想に追従せず批判もはばからなかった行いも嫌疑を推し進めた)、傷を受けて療養中の病院に押しかけて来たナチ親衛隊に、家族の安全を保障させたうえで、渡された毒を自ら病院裏の森の中で飲み亡くなりました。
真相は闇の中です。。。徹頭徹尾、最期まで軍人であったその生涯。
今だ世界中でリスペクトされています。
THE ART OF WAR
2008年リリースの同名4thアルバム収録曲。
紀元前5世紀頃に中国の軍事思想家、孫武が著したと言われる兵法書『孫子』についての曲。簡単に戦争を起こすのではなく、あらゆる状況を観察・データ化し、万全策をもって戦いに挑むという内容が紀元前500年頃に纏められ、代々加筆・訂正が成され1772年にはフランス語に訳され、ナポレオンも読んだという逸話も残っている。
ヨアキムの目の付け所に唸らされるが、曲もミドルながら盛り上がります。
SWEDISH PAGANS
彼らスウェーデン人のルーツでもあるヴァイキングについての歌。
PAGANS = 異教徒とは、キリスト教が伝わる前のヴァイキングという意味。
冒頭のチャントは彼らのLiveの鉄板中の鉄板だが、このLOUD PARK15は初来日。
なのに観客がチャントを始め、ヨアキムが「何でこの曲知ってるんだよ!?」と、驚いているのが楽しい。
THE LAST STAND
2016年リリースの同名8thアルバムに収録。
1527年に神聖ローマ皇帝カール5世の軍勢がイタリアに進軍し、対立していた教皇領のローマで殺戮や略奪をした "ローマ劫掠(ごうりゃく)" についての曲。
何でローマ皇帝がローマ教皇領土のローマで殺戮 ? と、ゲシュタポ崩壊しそうな文面ですが、簡単に言うと、仲が悪くなった国 (神聖ローマ帝国) と教会(ローマ教皇)が戦争して教会の領土で殺戮、略奪して暴れたということ。この時、教会側の軍には当時その強さを誇っていたスイスの傭兵が居て、このローマ劫掠の際、189人中147人が戦死している。
歌詞の中に出てくる「Then the 189」はもとの傭兵の数、「Under guard of 42」は生き残った数。こうした背景を知ると、ギター・ソロ後のブリッジフレーズを2回繰り返した後に来る
「In the name of God (神の名のもとに) 」は、Liveで絶叫したくなるのであります。
あたしゃ無宗教・無信仰ですが w。
CAROLUS REX
2016年リリースの同名6thアルバムに収録。
相次ぐ両親の死によって1697年に、わずか14歳10ヶ月 (歌詞の中では15歳) でスウェーデン国王とならざるを得なかった、カール (英語表記だとチャールズ) 12世についての曲。
死後、募金で銅像が建てられたほど、スウェーデンでは英雄とされています。
戴冠から2年後の1699年、ロシアがデンマークなどと北方同盟を組みスウェーデンに侵攻、若き国王は勇敢にこれを迎え撃ち、1700年には1万の兵で3万5千のロシア軍を
撃破し勝利 (ナルヴァの戦い) 。その後ポーランドまで押し返すも大寒波に襲われ、兵3000人を失ってしまう。1709年、ロシア軍の要塞ボルダヴァを攻め落とそうとしたがロシア軍の火力に歯が立たず、自身も3発の銃弾を浴びながら命からがら1000人の部下と共にトルコ領へと逃げたが、その際戦場に残っていた兵8000人は捕虜となって捕まってしまう。
その後、トルコのオスマン帝国の擁護を受けるも功を成すことは出来ず、ロシア領土からは撤退し、再起をかけてデンマーク領土となっていたノルウェーを奪いに行くも、戦況視察中頭部に流れ弾を受け、36歳という若さで亡くなってしまう。
暗殺説も囁かれてきたが、1960年代に墓を掘り起こして検死を行なったところ、わずか
20mほどの距離からこめかみを撃たれていたことが判明したそうな。。。
母国の英雄の曲なのでなかなかセット落ちしない曲です w。
QUEEN の We Will Rock You の様に、頭上で手拍子2回で両腕を広げる !! よろしく !! w
SPARTA
2016年リリースの8thアルバム『THE LAST STAND』に収録。
紀元前480年、ギリシアとペルシアの戦争でのテルモピュライの戦いについての曲。
あの映画、『300(スリーハンドレット)』で描かれたヤツですね。
300人というのはギリシア軍に参加して戦ったスパルタの王、レオニダス率いる先遣隊のスパルタ軍の数で、実際には他にもギリシア王の指揮下の兵隊や属国の兵隊などもおり、ペルシア軍と戦ったギリシア側の兵士は 5000人 ~7000人と言われています。
対するペルシア軍はというと、これも学説によって10万~20万と大きな開きがあります。何しろ紀元前480年ですからね。
どちらにせよ、ギリシア軍はこの戦いに負けてしまい、スパルタ兵を率いていた王レオダニスも戦死。しかし、最後までスパルタの兵たちが抵抗を続けたおかげで、その間に
ギリシアは次のサラミス海戦の準備が出来、そちらではペルシア軍に勝利しています。
冒頭の ウーッ !! ハァッ !! のコール&レスポンス、サビのスパルタ !! ヘラス !! スローター!!
ペ-ジアン !! をシャウトすれば、アナタもスパルタ兵 !! w
NIGHT WITCHES
2014年リリースの7thアルバム『HEROES』収録。
第二次世界大戦中、ソ連に実在した女性軍用飛行士による第588夜間爆撃隊に関する曲。1942年の設立から、1945年の解散までに延べ261人が所属、そのうち32名が飛行機の墜落、戦死、結核など様々な死因で亡くなった。使用された飛行機はポリカーポフ
Po-2 という複葉機で、爆弾を1度に2個までしか積めず、ひと晩で何度も爆撃ポイントと基地とを往復する事もあったそうな。時代遅れで、昼間に敵地に向けて飛ぼうものならいい高射砲の練習台になってしまうトコロですが、なにぶん夜間。しかも時代遅れの型をいい事に、敵地上空でエンジンを切り、操舵で敵地めがけて旋廻降下し、見事爆弾を落としていったそうです。もちろん今の様に高性能なレーダーなど無く、全てを目視で行なっていたというから凄い。そんな、魔女が箒で頭上を飛んでゆく様な風切り音がしたと思ったら、爆弾が降って来るという恐怖にドイツ軍が付けたあだ名が、 Nacht Hexen =
Night Witchies = 夜の魔女だったとか。果たして女性が爆弾を落としていたのを知っていたかは定かではありませんが。
とにかくAメロの掛け合いがカッコいいので、少しでも覚えておいて損はしませんぜ。
Pushing on and on their planes are going strong
えあふぉ~すなんばわ~ん !!
Somewhere down below, they're looking for the foe
ぼんば~ずおんざら~ん !!
You can't hide, you can't move, just abide Their attack's been proved
らいだ~ずいんざだ~く !!
Silent through the night The witches join the fight
ね~ばみすぜあま~く !!
PRIMO VICTORIA
2005年リリースの同名の1stアルバム収録。
1944年6月6日に連合国軍が行なった、ドイツ軍占領下のヨーロッパへ侵攻する為の
ノルマンディー上陸作戦の曲。曲中にも登場するD-DAYとは作戦決行日のこと。
とにかくこの作戦によって、連合国軍はヨーロッパを占領していたドイツ軍を撃破し、
各地を解放していったのですから、ウケない訳がない w。
この動画のウッドストック2012はポーランドで開催されたので、この曲のバカウケ度は
ハンパ無いですね。ヨーロッパのファンにとっては自由賛歌のアンセムみたいな扱いでしょうか。曲の背景を知ると、演奏が始まると同時に皆でピョンピョン跳ねる姿は、まるでドイツ軍に占領されていた国の人たちが連合軍に解放されて喜んでいる姿とダブって見えます。
TO HELL AND BACK
2014年リリースの7thアルバム『HEROES』収録。
歌詞に出てくる "A man of the 15th" や サビの "Crosses grow on Anzio" などから推測するに、1944年、先述のノルマンディー上陸作戦より遡る事約5ヶ月弱前の1月22日。
イタリアのアンツィオ上陸作戦が展開され、6月5日にローマを解放するまでの戦いを歌った曲と思われます。"A man of the 15th" とは、同作戦に参加した、アメリカ軍第3歩兵師団隷下の "第15歩兵連隊の男" なのでしょう。
上陸したものの思うように成果が上がらず、目標であったローマ解放まで膠着状態が続いた戦いで、連合国側も多くの戦死者を出しました。そんな地獄から生還したものの、亡くなった戦友たちに囲まれ、"さよならを言いたいんだ" とうなされる哀しい男。
むちゃくちゃ欝な内容なのに、楽しくピョンピョン w。これが平和ってヤツでさぁ !!
SHIROYAMA
頭の方で紹介した、西南戦争での西郷隆盛の城山篭城をテーマにした曲です。
頑張ってサビを一緒に歌えるように覚えましょう w。
こんな感じで、SABATON を紹介いたしました。
日曜の『DARKNIGHT CARNIVAL』は一種のお祭りですから、いろんなメタルバンドの名前やフレーズが出てくる以下の様な "お遊び曲" もブッ込んで来るかもしれません w。
何はともあれ、1人でも多くの方が楽しんでくれます様に。。。
10/28、さいたまスーパーアリーナで SABATON Tシャツとすれ違ったら、それは私かもしれません w。それでは当日まで STAY METAL !!
METAL CRUE 知ってるバンド幾つ出て来るかな ? w
METAL MACHINE 知ってる曲何曲出て来るかな ? w
