当時何もかもがニワカだった自分も、毎日朝イチから定時出勤する内に色んな方々と顔がつくようになりました。
人間顔が馴染むとつい情なんか湧いちゃったりして、それが平日午前中のパチンコ屋だったりすると、お互いの身の上なんか勝手に想像したりして、会話もした事ないくせに会釈なんかされると「あいつは多分いい人」みたいな、人間的にかなり脇が甘かった東条です。いまだに直ってない気もしますが、もし犬だったなら人懐っこくて可愛がられると思います。
当時女がスナックをやっていたせいもあり、自分の周りは夜の人種ばかりでした。慕ってくれたりする中には相談に乗ったりもしてました。
そんなある日、かなり親しかった友人が肝臓をパンクさせて店(メンズバー)を閉めることになり、自分がそこの従業員を引き取ることになりました。見た目親分肌、内面は子分にすぐ愛想つかされる金子信雄な自分はここが踏ん張り所だと。まあ見栄を張るのは半分趣味で半分病気です。まあ当然女には呆れられるんですね。
女「アンタ、女の子が4人の店で何でボーイが3人もいるん?ウチの店はピンサロですか?」
東条「いや、最近何かと物騒じゃろ?わしがいっつもねきにおる思たら大間違いぞ。せっかく連れて来たんじゃけがいよに使たらええんじゃ!」
女「この子らの給料はアンタが出すんじゃろね?」
東「わしが出せるんじゃったらこがなとこ連れて来るかい。はい(開いた手を前に出す)」
女「は?何?」
東「こんならの日当(とわしの飲み代)今日はとりあえず5、いや3でええわい」
女「週に3日も帰ってこんくせに。ウチの知らんとこでお死に」…微妙にやぶ蛇でした。
さて悩みます。正直、原付並みの器量しかない自分にいきなり3名もの男子は過積載なのです。大した苦労もないくせにかなりの役者な自分の悩んでる顔を見て、その内の2人が気を使ってくれます。
「あの、自分らこの機会にしばらく旅行でもしてこようと思いまして…」
「ほうか!なら戻ってきたら相談のるけんの!」
そして残るあと1名。彼T君に関しては以前から妙に気が合うところもあり、一気に問題解決です。
こうしてT君とはその翌朝から行動を共にするようになりました。とにかく何もかもが手探りの中、自分ひとりでも危なっかしいこんな綱渡りに引っ張り込んでしまい、自分としては珍しく「責任感」みたいなものを、すでに酔った頭でぼんやり感じていました。
続きます。
人間顔が馴染むとつい情なんか湧いちゃったりして、それが平日午前中のパチンコ屋だったりすると、お互いの身の上なんか勝手に想像したりして、会話もした事ないくせに会釈なんかされると「あいつは多分いい人」みたいな、人間的にかなり脇が甘かった東条です。いまだに直ってない気もしますが、もし犬だったなら人懐っこくて可愛がられると思います。
当時女がスナックをやっていたせいもあり、自分の周りは夜の人種ばかりでした。慕ってくれたりする中には相談に乗ったりもしてました。
そんなある日、かなり親しかった友人が肝臓をパンクさせて店(メンズバー)を閉めることになり、自分がそこの従業員を引き取ることになりました。見た目親分肌、内面は子分にすぐ愛想つかされる金子信雄な自分はここが踏ん張り所だと。まあ見栄を張るのは半分趣味で半分病気です。まあ当然女には呆れられるんですね。
女「アンタ、女の子が4人の店で何でボーイが3人もいるん?ウチの店はピンサロですか?」
東条「いや、最近何かと物騒じゃろ?わしがいっつもねきにおる思たら大間違いぞ。せっかく連れて来たんじゃけがいよに使たらええんじゃ!」
女「この子らの給料はアンタが出すんじゃろね?」
東「わしが出せるんじゃったらこがなとこ連れて来るかい。はい(開いた手を前に出す)」
女「は?何?」
東「こんならの日当(とわしの飲み代)今日はとりあえず5、いや3でええわい」
女「週に3日も帰ってこんくせに。ウチの知らんとこでお死に」…微妙にやぶ蛇でした。
さて悩みます。正直、原付並みの器量しかない自分にいきなり3名もの男子は過積載なのです。大した苦労もないくせにかなりの役者な自分の悩んでる顔を見て、その内の2人が気を使ってくれます。
「あの、自分らこの機会にしばらく旅行でもしてこようと思いまして…」
「ほうか!なら戻ってきたら相談のるけんの!」
そして残るあと1名。彼T君に関しては以前から妙に気が合うところもあり、一気に問題解決です。
こうしてT君とはその翌朝から行動を共にするようになりました。とにかく何もかもが手探りの中、自分ひとりでも危なっかしいこんな綱渡りに引っ張り込んでしまい、自分としては珍しく「責任感」みたいなものを、すでに酔った頭でぼんやり感じていました。
続きます。