故郷、大牟田でとても親しくして頂いている地元企業「森商事」の森会長(現在は会長職を引き、相談役となられている)。「どうして一人の人間にここまで!?」と思えるくらい趣味が豊富な方なんですが、そんな中でも「鉄道好き」の一面も大きく、こんな私とも遊んで下さる。本当にありがたいことです。

 その森(元)会長から「SL人吉」に乗りましょう、と誘って頂いた。今回はそんな2023年夏のレポートです。

 

「SL人吉」は元々「SLあそBOY」だった(そのまた前の歴史はあまりに長くなるので割愛)のを、その名の通り熊本駅ー人吉駅間を走る観光列車として運行していた。ところが2020年の豪雨で肥薩線が不通になってしまい、走れなくなったんですね。

 それで、「人吉」は走ってないものの、名前はそのままに走行区間を熊本ー鳥栖間に換えて、運行されていた。

 

©️駅すぱあとforWEB路線図

 

 ただそれも、何せ機関車が古くなってもう走らせられない、ということで、運休が決定したんですね。

 なので、今の内に乗っておきましょう、という森会長(繰り返すが、当時)のお誘いだったわけです。

 

 

 切符の予約も会長(しつこいようだけど、当時。以後、省略)がしてくれました。

 

 てなわけで準備は万端。当日、朝の9時に大牟田駅に集合。

 上の路線図の通り、大牟田駅はSLの走るルートのちょうど真ん中に当たるんで、待ってれば熊本から来た列車に乗ることもできるんだけど、それじゃルートの半分しか乗ってないことになる。やっぱりせっかくなんだから、全線乗りたいじゃない?

 なのでまずは普通に熊本まで下るべく、朝イチの大牟田駅で待ち合わせたのでした。メンバーは自分と弟に森会長、行きつけのパブ「チャップリン」のママ、の4人です。

 

 弟とタクシーで大牟田駅に来てみたら、森会長らは既に改札内にいたので無事、合流と相成りました。

 自分らも改札内に入ってみると、至るところに「さよならSL」の表示がある。

 

 

 跨線橋のとこにもこんなのがありました。

 

 

 こういうの、見てるだけで心がふわーっとなりますね♡

 

 

 大牟田の駅名標を撮ったりなんかしてる内に、下りの鈍行列車が到着

 

 

 早速、乗り込んでみると車内にもこんな中吊りがありました。

 

 

 各駅停車でも大牟田から50分弱で熊本駅に着く。

 

 

 いったん、外に出ます。

 

 

 と、言うのは、車中で当然、呑み食いするので、事前にお酒と食べ物を仕入れておく必要があるわけです。ダンドリ、ですねぇ

 私と弟は酒、会長とママはおつまみ、と役割分担して買い物を済ませ、改札内に戻りました。

 

 目的のホームで待っているとーー

 

 

 じゃじゃーん

 SLが入線して来ました♡

 ご覧の通り一目、その勇姿を見ようとファンが集まってる。あちこちでスマホのシャッターが切られてます(この表現で違和感がなければ)。

 

 

 汽笛が鳴る。やっぱいいですねぇ

 

 

 車体の側面にはこんなデザインも

 

 

「人」のマークが12個。「人よし」だから、「よ」も「し」も4。すると4×4で16じゃないの!? と思うんだけど、まぁデザイン上の都合だってあるのでしょう。

 

 これが乗り口

 

 

 車内は、こう……

 

 

 レトロな設えに統一してますな。

 

 我々の席は、ここ

 

 

 お酒その他の荷物を置くと、いったん外に出ます。

 

 最後尾の車両も撮っとこう、と

 

 

 このように最後尾には、ディーゼル機関車が付いてて、鳥栖からの帰りはこれが列車を牽引して来るわけですね。

 

 さぁ目的の写真は撮り終えたので、車内に戻る。

 10時58分、熊本発ーー

 宴会、開始です。

 

 

 まだ11時前なんですけどね(笑)〜

 

 4人でワイワイ言いながら呑み、食べていれば時間はあっという間に過ぎてしまう。

 熊本に来る時と同じ車窓なんだけど、SLに乗って、こんな風に楽しみながら眺めていると、同じ景色でもどこか違って見える。

 

 食べ物も見る見る我々の腹に消えて行きました。

 

 

 弟はずっと、「楽しか〜」「楽しか〜」を連発。実は彼、鉄道には全く興味がなかったんだけど、それを「鉄好きにしてやろう」というのが森会長と私の企みでもあったわけです(笑)

「どうや、よかモンやろ!?」と私。常日頃、弟からは私の「鉄好き」を小馬鹿にされていた故、今日はそのリベンジの意味も込められてました。

「うん、何やろ。何か、とても楽しか〜」と弟。「これで彼を鉄の道に引き込む第一弾に成功」と私と会長は密かに北叟笑んだのでした(爆笑)

 

 そんなこんなで時間は吹っ飛ぶように過ぎて行く。

 

 13時37分に終点の鳥栖駅着ーー

 

 

 途中、大牟田駅で暫く停まってファンの写真撮影の時間をくれるなど、かなりのんびり、のんびり走って来たのですが、それでも実感としては「もう着いちゃった」「もっと乗っていたかったのに、なぁ」なのは否めません。

 

 乗る時は慌ただしかったので、改めて機関車の勇姿を撮影

 

 

 ここまで引っ張って来てくれて、ありがとう! そしてご苦労様でしたっ!!

 

 さぁ鳥栖駅のホームと言えば、名物があります。

 

 

 立ち食いうどんと駅弁の「中央軒」。実は有名な折尾駅の「かしわ飯弁当」よりこっちの方が早く、駅弁の販売を始めてたんですよ。なのでここが九州初の駅弁の店、であるわけです。

 鹿児島本線から長崎本線が分かれる鳥栖駅は、九州鉄道の要衝ですからね。ここならではの名物がたくさんあるんで、鉄好きからしたら、堪らない♡

 残念ながらご覧の通り、この時は閉店してましたけどね。普段なら乗り換えの時間を利用してうどんを頬張る、オッチャンの姿も見れる。それもこれも鳥栖駅の風物詩であるわけです。

 

 さぁSLには乗り終わったので、帰るしかない。

 帰りは、行きの熊本へと同じく、普通に鈍行列車です。

 

 

 SL乗車の記念として、切符にはスタンプを押してもらえた。

 

 

 また記念の「乗車証」ももらえました。

 

 

 

 普通ならここでレポートは終わるんだけど、実はこの話には後日談があった。

 九州での日々を終え、いよいよ東京に帰るべく大牟田駅に来た時のことーー

 

 

 ちょうど、SL人吉が通り掛かってくれたんですよ♡

 

 お陰で当日は撮れなかったカットも改めて撮ることができた。

 

 

 特に、運転席、ね。これはもう、SL特有のもの

 

 

 てなわけで、後日に嬉しいサプライズあり、運命的なものを感じたSL人吉の旅でした。

 お終い