いよいよ今年も公演本番への
カウントダウンが始まりました。
今年の公演のテーマは
"奄美大島"。
私の母の故郷であり、
私にとっても身近で
幼い頃から大好きな場所。
伊是名の会に入ったのも、
奄美大島が私にとって
特別思い入れのある場所だった
ことがきっかけでもあります。
手付かずの豊かな自然が残る
奄美大島はまさに
"東洋のガラパゴス"。
古くからの年中行事や風習が
今でも大切に受け継がれ
世界自然遺産の登録へ向け
今、注目を集めている島です。
私事ですが...
公演本番が迫る五月の終わり、
大好きな伯父が亡くなりました。
奄美大島で生まれ育ち
島を出て、島の外で
人生の大半を過ごした伯父も
自分の故郷"奄美大島"のことが
大好きな人で、島の歴史や
暮らしについて幼い頃から
よく私に話してくれました。
そんな伯父に今回の公演は
特に観せたかったのですが
叶いませんでした。
人生も終盤に差し掛かったころ
伯父はよく「島に帰りたい」と
口にしていたものです。
その姿を見て、
やはり人にとって
"故郷"というものは
特別で大切なものなのだ
ということを感じていました。
生まれ育った場所で
生活している間は
なんて平凡で何もない
つまらない場所なのだろうと
思っているかもしれません。
自分の故郷を早く出て
新しい世界で、
変化のある毎日をと
望むかもしれません。
でも、生まれ育った土地を
離れてはじめて
自分の故郷の良さに
気づきはじめる...
田舎から都会へ出て
人生を幾つか積み重ねた人なら
そんな思いをした人は
少なくないのではないでしょうか。
奄美大島をテーマにした
今回の舞台では
そんな思いを"島の宝"として
様々な形で表現しています。
今回の公演を観てくださる
皆様方にとって、私たちの舞台が
もう一度、自分の故郷の宝に
想いを馳せる機会となれたなら
幸いです。
奄美大島出身の方々には
もちろんのこと
自分の生まれ育った
故郷を離れた全ての方々に。
さらには、まだ自分の
生まれ育った場所から
出ていない方々にとって...
ぜひ、今一緒に暮らしている
ご家族、周りにいるお友達
そして今暮らしている街
その風景...
これらを大切に思える
機会となれたら...と
そんな風に思います。
今いる場所や
今そばにいる人たちは
あなたにとっての
"島の宝"です。
いつか、その元から離れ
苦労をしたり
心折れそうになった時
「あなたをいつでも待っている」と
そっと心を支えてくれる
大切な宝になるはずなのですから。
...
それでは7/2(日)、
調布グリーンホールで
お会いできることを
心より楽しみにしております。
古礒 万季