20周年から5年。
その間に社会人になりました。
準名取を襲名させて頂きました。
20周年の時とは全く違う環境の中、戸惑いながらもお稽古に励み、もうすぐ25周年を迎えます。
伊是名の、そして私の一番のファンは母です。母は自分が小さい頃とても消極的だった為、子供には何かやらせたい！と思い、私を伊是名の舞台に連れて行ってくれました。そこから私の舞踊人生は始まりました。
子供の頃のお稽古は土曜日の夜だったので、兄が小さい弟の面倒を見てくれて、母と稽古に通っていました。
電車の中では二人で考えたゲームをしたり、たくさん話をしました。
踊りに通う時間は母を独り占めできる特別な時間でした。
それから成長し、一人で通える様になり、アルバイトができる年齢になったらお月謝も自分で払えるようになりました。それでも変わらず家族の存在はいつも踊りをする私の支えとなり、たくさん応援してくれました。
母は私と真逆でとても几帳面なので、私が一人で衣装の準備をしていると部屋の外からこちらを覗き、あーだこーだと口を出すのが恒例で、結局母にアイロンがけをしてもらったり、手伝ってもらうばかりです。実家暮らしだといくつになっても甘えてばかりで、ダメだなーとも思いますが、いくつになっても母にとって私は【子供】なのですね。
母も私も、この歳まで踊りをする事は想像通りで、「よく続けたね」なんて思っていません。伊是名であれば自然と続けられる事がわかっていたから。
私も母も琉球舞踊が、伊是名の会が大好きだからです。
そんな母が大好きな思い出のあの曲を最後に踊ります。特別なパートを踊らせて頂きます。
きっと母は泣いてしまいます。
きっと私も泣いてしまうと思います。
25周年記念公演は、一番近くで応援し続けてくれた母への感謝を込めて、精一杯踊ります。
そして舞台に携わる全ての人へ感謝して、残りの時間を稽古に励みます。
宜しくお願い致します。
米岡 望