前回の続きです真顔



初対面であまりいい印象を抱かなかった修一さんですが、お誘いを受けたので再び会うことになりました。


「飲みに行って、翌日水族館でも行かない?」


私は泊まらないと無理な距離だったので、ビジネスホテルでも取ろうと思っていたんだけど、事前に


「ホテルは一部屋取ったから。もちろんうさちゃんだけでシングルで予約してるから安心して」

と言われてビックリあんぐり

そんなスマートな扱い受けたことない!

この人、実は女性慣れしてる…?


でもその紳士的な対応に、評価は爆上がりグッ

単純な私はそれだけでちょっとワクワクしながら当日を迎えました。



居酒屋はいたって普通だったけど、個室を予約してくれていました拍手

一杯目は当たり前に生ビールを注文。

すると修一さんはビックリした様子で、


「生飲むの?すごいね」


と言ってきました。


「すごいって何がですか?一杯目に生って普通なんじゃ?」


正直に言ってみる私真顔


「いや、女の子って一杯目はカクテルとかサワーとか飲むのかなって思ってたからさ」


…出た、こういう変な幻想抱いてる男。

むしろ私の友達で一杯目からカクテル飲む女なんかいないけど?

この人、女に夢見てるのか、それともそういう人としか付き合ったことがないのか、どちらかなんだろう。


「私あんまり飲めないんで。カシオレにしますぅ」

とかそんなこと言って欲しかったんだろうか。

アホか。


「いやいや、それは違いますよ。私の友達にそんな人いませんし」


「うさちゃんの周りは酒強い人が多いんだね」


そんなこともないと思うけど…

その後も生ビールを飲んでるだけで、

「お酒強いね」「女性なのにすごいね」を連発。


正直かなーり不快でしたニヒヒ

でも構わずその後もハイボール、しかも濃いめを頼みまくってやったけど笑



修一さんはビール3杯くらいで顔を真っ赤にしていて強くなさそうだったから、余計にそう思ったのかもしれないけど、

酒が飲める飲めないに男女は関係ないと思うんだけど真顔




この飲みの場で、忘れられない印象的だったひとことがあります。

それは…こちら!!!!!



「俺、バカな女は嫌いなんだよね」


どうですか?!どう思いますか?!

会って2回目だよ?ビックリじゃないですか?

さすがに一瞬言葉が出てきませんでした。


その後、フォローのつもりなのか、「うさちゃんはそうじゃないと思ってるから言ってるんだけどね。バカな女性と話してても生産性ないし、こっちも疲れるから」

と。



この男、完全に女なめてない?

やっぱり人を見下すたちの人間なのか…。

いくら頭が良くても人を小馬鹿にしたり見下す奴に魅力なんてない。


サーッと冷めていくのを感じながら、


「いやぁ、私バカですよ。すみません、修一さんとは釣り合わないと思います」

とカマをかけてみた。


「いや、うさちゃんは違うよ。話しててわかる。俺も色んな人と接してきてるから」


全然意に介していない!!


その後は政治・経済の話だったり世界情勢の話だったり、とても婚活で出会った男女の会話とは思えない話が続きました爆笑

もちろん私には難しくて、頑張って話を合わせていたけれど、全くもって楽しくなかった。


自分の知識をひけらかすだけならまだしも、私に意見を求めてくるのが本当に嫌だった。

そんな知見は広くないし、かと言って浅いこと言ってバカにされるのも癪に障るし。


この一件で、翌日の水族館がとても憂鬱になっていました驚き

なにか理由をつけて断ろうか、そのことばかりを考えていた気がします。


でもその後は趣味の話になり、私が好きなミステリー小説の話をすると思いのほか食いついてくれたんだよね本

修一さんは小説は読まないけどかなり映画が好きらしくて、私が挙げた小説が原作になった映画を何本も観ていたりして、そのへんの話は盛り上がりましたウインクキラキラ


この話はリアリティがある、これは登場人物が弱い、これはトリックが秀逸…などなど。

お互い小説と映画のオススメ情報を交換して、その流れで「次会った時、その小説貸してよ」と言われました。そして思わずOKしてしまった…。

さっきまで明日の水族館も断ろうと思ってたのに、そんな約束してしまっていいんだろうかと、直後に少し悶々とするバカな私。



会計も当たり前のように修一さんがしてくれて、予約してくれたホテルに向かっていると、

「ホテルの支払い済んでるからさ」とサラリと言われました。


「え?支払いまで?おいくらですか?今ここで払います」


「いいよいいよ。俺が勝手にやったことだし。ホテルも部屋も勝手に決めたわけだから」


「いや、そんなわけにいかないです!そこまでされたら本当に申し訳なさすぎるんで」


「いいから。お金は受け取らないよ。…でもそこまで言うなら明日のお昼でも奢ってもらおうかな」


「そんなんでいいんですか」


「もちろん」


何度言っても押し問答が続きそうだったので、最終的にはお昼を奢ることで私が折れました。


「じゃあ…お言葉に甘えます。すみません、ありがとうございます」


「ゆっくり休んでね。明日楽しみにしてるから!9時に迎えに行きます」



修一さんを見送りながら、

思ったより悪い人じゃないんだろうか…との思いがよぎる。

去り際には、見たことない笑顔で手を振ってくれた。

紳士的でスマートな立ち振る舞い。

これは紛れもない事実で、今までそんなことされたことない私にとっては大きなポイントだった。

同時に、ナルシストで人を見下す性質であることも悟っていた。


一体どうなるんだろう…

明日会ってみて、ありかなしか判断しようか。

心は揺れ動いたまま、翌日を迎えました。



(つづく)