火だるま荘 第三章その6 | 【 渋谷居酒屋物語 】

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ビールちょうだい。ダメっすよ。お酒、お腹の子供によくないっすよ。いっぱいだけでいいのよ。それのんだら帰るから。どこにですか?自分ちに決まってるじゃない。一杯だけですよ。きりちゃん、ビールおねがい。
きりちゃんがビールを持ってきた。えつこはそれを一気に飲み干した。

さっきのはうそ。
彼とは会ってもいないし、話もしてないの。彼からは何度も電話もらったんだけど、まだ出る気にならない。
彼、この前別の店で見かけました。元気そうでしたよ、案外仕事の方はうまくいったかもです。
そりゃよかった。
えーすけ君、これからもちょくちょく飲みにきていいかな。えーすけ君とずっと友だちでいたいんだ。もちろんす。酒は飲ませませんけど。ありがと。

それとこれ、後で読んどいて。

えつこは英介に手紙をわたし、じゃあね、と言って帰って行った。