枚方市議会6月議会 岩本一般質問7項目、まとめたもの7回に分け投稿していく、3個目です。

<3.生活保護制度の運用の適正化について 質問への思いやねらい>
生活保護制度の適正な運用は、私自身もこれまで取り上げてきたことで、特に自立につながる動きについては、枚方市としてしっかり力を入れていただきたいテーマです。


【Q1】生活保護法が一部改正され、大部分7月1日から施行されるとのこと。改正された内容と今回の改正で、生活保護の適正化にどのような成果が見込めるのか?

【A1】 今回の生活保護法の改正は、支援を必要とする人には確実に保護を行うという生活保護制度の基本的な考え方は維持しつつ、不正受給への厳格な対応、医療扶助の適正化、就労・自立支援の強化等、主に三つの点で行われた。
一つ目は、不正受給対策が強化。福祉事務所から金融機関等への調査権限の強化や、不正受給を行なった者への罰則強化及び返還金の上乗せができることにより、不正受給の円滑な調査活動や不正受給の防止に効果が見込める。
二つ目は、医療扶助の適正化を図るために、指定医療機関の要件の明確化や更新制が導入された。また、医師が後発医薬品の使用を認めている場合には、福祉事務所は受給者に使用を促していくことができることになり、医療扶助のさらなる適正化が進められる。
三つ目は、自立時に一時金を給付する就労自立給付金制度が創設された。これにより、保護廃止直後の不安定な生活を支え、生活保護から脱却するための意欲向上につながり、就労自立の促進が図られる。

【Q2】市では25年4月から、専用電話「生活保護情報ホットライン」を設置、生活困窮者や不正受給に関する情報を広く市民から求めてきたが、ホットラインに寄せられた状況と成果は?

【A2】 まず、生活保護情報ホットラインに寄せられた情報は、延べ227件 あり、その内訳は生活困窮者に関する情報が15件、不正受給が疑われる情報が212件。不正受給に関する情報212件の内、 44件は保護受給者ではなかったので残り168件につい確認したところ、居住実態や世帯認定が申告と異なるもの、不正就労に関するもの、及び自動車の保有や使用に関するもの等であった。
次に、その対応結果については、生活困窮者の情報提供から、4世帯の方が、生活保護の開始に繋がり、不正受給に関する情報提供からは、22世帯が生活保護の停・廃止となり、18世帯に対しては保護費の返還請求を行いました。また、不正受給に関する保護費の削減効果については、生活保護の停・廃止による効果額が約1400万円、保護費の返還金による効果額が約850万円、合計約2,250万円となっている。

【Q3】 平成25年度より、本市で実施している就労支援プログラムと、ハローワークの生活保護受給者等就労自立促進事業とで、ハローワークと福祉事務所で連携をしながら就労支援を行っているとのこと。平成25年度の状況と今年度以降、その連携を強化する予定はあるのか?

【A3】 現在、保護受給者で働く能力のある方には、ハローワーク等の活用や本市の就労支援プログラム参加により、就労支援を行っている。中でも早期自立が見込まれる受給者に対し、ハローワークで実施される生活保護受給者等就労自立促進事業につなげ、ハローワークのナビゲーターが集中した就労支援を行なっている。
平成25年度実績として、ハローワークの生活保護受給者等就労自立促進事業への参加者が76人、そのうち就労決定者が33人となっている。また、本市の就労支援プログラムへの参加者が294人で、そのうち就労決定者が164人となっている。
本市では、ハローワークとの連携強化のため、生活保護受給者等就労自立促進事業の常設窓口を、福祉事務所内に設置する予定(現在協議中)。常設窓口設置は、福祉事務所とハローワークとの間で、被支援者の情報共有化が行ないやすくなり、早期支援の徹底によりこれまで以上に就労による自立促進につながると考える。

【Q4】生活保護に至る前の段階から支援を行い、早期自立を目指すことを目的に、25年12月に生活困窮者自立支援法が成立、27年4月から施行と聞いている。生活困窮者の中には就労経験がない等、すぐ一般就労に結びつかない方もおられるが、豊中市ではこのような方を対象に中間的就労事業を実施しているとのこと。この生活困窮者自立支援法の概要と、市は施行に向け、準備をどのように進めているのか?

【A4】生活困窮者自立支援法では、自立相談支援事業や住居確保給付金の支給などの事業を実施することで、生活困窮者の経済的な自立や日常生活、社会生活の自立を図るもので、市が支援を担うべき必須事業と選択可能な任意事業を規定している。本市では現在、平成27年4月の事業実施に向け他市のモデル事業の実施事例などを参考にしながら、必要な準備に取り組んでいる。

【要望】来年度から法律が施行されるのだから中間的就労など先進都市の事例を活用いただき、自立に向けた取り組みをしっかり取り組んでいただきたい。