機会があり、枚方ロータリークラブの例会でお話させていただきました。

30分程度ですが。


内容は、「枚方のこれから」と「 刀を置き、花を手にしたサムライたち


岩本ゆうすけ 枚方を変える31の挑戦!-rc1
岩本ゆうすけ 枚方を変える31の挑戦!-rc2
岩本ゆうすけ 枚方を変える31の挑戦!-rc3
岩本ゆうすけ 枚方を変える31の挑戦!-rc4
岩本ゆうすけ 枚方を変える31の挑戦!-rc5


前半では、

枚方市の人口減少、少子高齢を中心に、これからの枚方のありかたをお話し、
後半部分では、
ある新聞記事を元に、日本が世界で生き残っていくための
ひとつの考え方をお話させていただきました。


原稿無くお話したのですが、後で提出した先方に
出したデータがありましたので、掲載します
(思い出しながら書いたので、実際は、ちょっと違うのですが)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 今日は、「枚方のこれからについて」「刀を置き、花を手にしたサムライたち」の
二つのテーマでお話をさせていただきたいと思います。


 まず、自己紹介をします。私は枚方で生まれ、育ちました。
就職で東京に行き、東京RACと出会い、入会しました。
平成18年に退職、枚方に戻ってきた際、枚方RAC入会。
その後、出馬~落選~再就職と様々ありましたが、
その間も枚方RACで活動を続けておりました。

平成19年には会長をつとめ、本年6月に卒業、現在に至ります。

 さて、『枚方のこれから』について。
今回、RACで学んだことを取り上げようと思いました。
活動の中でよく取り上げていたのは
「枚方の歴史を知り、現状どうか、これからどうなるか」ということです。
 その中で、人口に着目しました。
枚方市は22年12月現在、171,336世帯411,221人となっています。
これは、昭和22年10,112世帯41,887人に比べ、

世帯17倍・人口10倍となりました。

一方でわが国は少子高齢・人口減少社会を迎え、

今後ますますその流れが加速するとされます。

 枚方市はどのようなカーブを描くのか。
市が平成20年に発表した人口推計調査報告書からデータを取り出してみました。
この報告書では、やはり今後枚方市は人口減少を迎えるとし、
想定される3シナリオの中で、最も可能性が高いとされるシナリオ(人口推移・中)では、
平成49年には約34万人にまで減少するとなっています。
地域別報告では、人口が最も多いとされる北部地域で、2割弱減少となっています。


 世代別の推移は深刻な問題です。
現在は65歳以上の世代が、5人に1人の割合ですが、年を経るごとに割合が増加、
平成49年には3割強にまでなります。
逆に、15~64歳の世代は、減少を続け、6割強から5割中程度にまで減少する。
今3人で1人を支える状態から、このままだと1.5人で1人を支えることになるわけです。


 市の借金である市債残高についても、
今後10年間は横ばい・微増というデータが出ています。
働く世代がどんどん減っていくと、
一人当たりの負担がどんどん大きくなっていくのは目に見えています。

 こうした状況を踏まえ枚方市も、「医療」「財政」「教育」など
あらゆる分野において、方向性を【対処】から【予防】へと、
発想を変えていかないといけないと考えています。


後半は、『刀を置き、花を手にしたサムライ』です。


(以下、長文)
刀を置き、花を手にしたサムライ
 ~「21世紀ネオ・ジャパネスク」大解剖~


 日本の将来を心配する人がいるが、その必要はなさそうだ。
日本人は「TOTOの便器」に徹底した清潔感を、
「トヨタの車」に美しい日本刀のラインを取り入れる。
品質ではこれ以上、競争が成り立たない時代に、日本は「品格」を売り始めた。
「高級イメージ」「日本ならではの物」を売り、新しい日本に向かって疾走している。

 東京の渋谷・原宿一帯は「ストリート・ファッション」の世界的な聖地だ。

週末になると自由奔放に着飾った若者たちが街にあふれ、

世界各地から集まってきた外国人と「ないまぜ」になり、独特の魅力を爆発させる。

こうしたエネルギーのみなぎる街は、世界のどこを見てもここしかないのではないだろうか。


 欧米のファッションデザイナーが渋谷へ「クール・ハンティング」に訪れるのは、もうおなじみの風景だ。

渋谷発のカジュアルファッション「A BATHING APE」や大阪が発祥の「EVISU JEANS」は各国の若者から支持される世界的なブランドになった。

渋谷の中心にある「東急ハンズ」前で会ったイギリス人女性リサ・スタンレーさん(英会話学校講師)は、紙袋を両手いっぱいに抱え、「東京はファンタスティックな街」と幸せそうに笑った。聖地は東京都内のあちこちにある。世界のマンガ・アニメオタクが「聖地巡礼に行く」と言えば、秋葉原のマンガ・キャラクター街に行くという意味だ。六本木ミッドタウンは洗練された消費欲を刺激するショッピングの聖地だし、汐留からレインボーブリッジへと広がる東京湾の幻想的な夜景は、ロマンチックな観光客の聖地だ。

 日本経済のパワーは、全盛期を過ぎたと言ってもいいだろう。日本の製造業が世界経済を左右し、円が世界各国を引っかき回した1980年代のような時代はもう来ない。高齢化時代に入った日本経済は、ますます老いていく可能性が高い。

 しかし、文化的なパワーは違う。日本は経済力の代わりにマンガ・アニメーション・ゲーム・ファッションなどに代表される大衆文化のパワーで世界を魅了している。清潔で、安全で、環境に優しいというイメージにより、ほかのどの国よりも強力な国家ブランドを確立した。

世界はそんな日本を「エコノミック・アニマル」ではなく「クール・ジャパン(魅力的な日本)」と呼び始めた。また、「クール・ジャパン」は日本における21世紀の国家戦略でもある。日本政府・財界・学界は国の魅力とブランドの知名度を高め、これを生かして新たな豊かさを生み出すための戦略作りに熱を上げている。経済・技術に文化を融合させ、競争力を高めようと「魅力戦略」を展開している。

 「クール・ジャパン」を取材するにはどこに行けばいいのか、と複数の日本人に聞いてみたところ、一番多かった答えは「NOBU」だった。「NOBU」は世界的に有名な日本料理店だ。ニューヨーク・ロンドン・ミラノ・香港など世界10都市以上に27店舗を展開しており、東京支店は都内の中心地・虎ノ門にある。

◆食でなく文化を売る
 「NOBU TOKYO」の蒔田浩巳マネージャーは、客がいない閑散とした午後に取材に応じてくれた。海外進出の初期は生魚に対する抵抗感をなくすため軽く火を通したり、サラダにしたりと、いろいろ工夫してみたそうだ。だが、「今は欧米でも“すし”と“刺し身”は低カロリーの健康食として市民権を得ました」と話す。

 「NOBU」は日本人シェフの松久信幸氏(59)がハリウッドの名優ロバート・デ・ニーロとコラボして立ち上げたレストランのブランドだ。もともと二人はシェフと常連客という関係だった。松久氏がロサンゼルスで経営していたすし店にデ・ニーロが通い詰め、意気投合しレストラン・チェーンを作った。ミラノ支店には有名デザイナーのジョルジョ・アルマーニも参加し、話題を集めた。

 西洋社会において「NOBU」は高級なイメージを持っている。米ニューヨークのマンハッタン支店はセレブが集まる店として有名だ。レオナルド・ディカプリオ、グウィネス・パルトロウ、ブルース・ウィリス、アン・ハサウェイ、サラ・ジェシカ・パーカーといった人気俳優たちもよくやって来る。世界各地に27店舗を展開する「NOBU」のチェーン店は、どこもその国の上流層をターゲットにしている。

 
いろいろな話の中でも、特に蒔田マネージャーの「はし文化論」は興味深かった。

 「海外店ではフォークとナイフも用意していますが、常連客はたいてい、はしを使います。米国社会では、はしで日本料理を楽しむのが上流層のシンボルのようになりました。米国のエリートたちは、はしの使い方が若い日本女性よりも上手ですよ」 
つまり、「NOBU」は料理そのものではなく、日本文化を売っているのだ。「NOBU」だけではない。「すしレストラン」は世界のどの国でも高級なレストランとして知られている。すしや刺し身のような日本食には、「ウェルビーイング」(健康と美容にいいライフスタイル)のイメージもある。 「食」は文化の先兵だ。マクドナルドに象徴される米国の食文化が低価格で実用的というイメージを持つなら、日本の食文化はブランド価値のピラミッド構造で上層部を占めるというイメージがしっかりと定着している。醤油メーカー「キッコーマン」の2006年統計によると、世界に日本食レストランは2万4000店あり、毎年急増しているという。ブラジル・サンパウロにはシュラスコ(ブラジルのバーベキュー)の店よりも「すしレストラン」のほうが多いというデータもある。クモの巣のように張り巡らされた飲食店ネットワークを通じ、日本は文化やライフスタイル、そして国のイメージを売っている。


◆「貿易は映画の後を追って来る」

 ジェトロだけではない。経済と文化を結び付け、文化を通じ経済的に「食べていけるアイテム」を育てていこうという戦略は、日本の各省庁で同時多発的に展開されている。

 内閣府に設置されている経済財政諮問会議は、日本の21世紀のビジョンについて「開かれた文化創造国家」と規定(2005年5月)し、総務省は「ソフトパワーの強化」、経済産業省は「日本ブランドの創出」といったプロジェクトを進めている。

 日本の戦略は20世紀の米国をモデルにしている。20世紀初期・中盤の米国経済の世界展開に対する戦略は、「貿易は映画の後を追って来る(Trade follows the film)」というスローガンに要約される。ハリウッド映画やテレビドラマ、ポップミュージックなどを通じ、「アメリカのライフスタイル」を世界に広めた後、米国に憧れる世界の消費者に米国製品を売ったのだ。
 『エデンの東』(1955年)でジェームズ・ディーンが履いたリーバイスのジーンズは全世界の若者のハートをとらえ、オードリー・ヘップバーン主演の『ティファニーで朝食を』(1961年)はニューヨーク5番街の一宝石店だったティファニーを世界的なブランドにした。世界の消費者は「米国」を消費するという感覚でマクドナルドのハンバーガーを食べ、コカ・コーラを飲み、フォードの車に乗った。米国という国自体が巨大なブランドだった。

 これはまさしく、21世紀に日本が構想する国家戦略と同じだ。日本政府は2005年の通商白書で「文化交流と経済交流の間には意味深い相関関係がある」と宣言した。つまり日本は、日本という魅力そのものを売ったり、製品・サービスに文化的な魅力を付けて価値を高めたりする戦略を展開しているのだ。


◆「品質」から「品格」へ
 日本の経済産業省(旧・通商産業省)は「株式会社日本」を率いる作戦本部だ。2005年7月、経済産業省は「新日本様式の確立に向けて」という、少し難解なタイトルの報告書をまとめた。報告書は次の宣言文で始まる。

 「付加価値の評価は“価格から質への時代”を経て、“質から品位への時代”へと移り変わっている。(中略)経済のみならず、日本の文化、日本人の感性、日本の心など日本固有の資産を要素とした、総合的な日本の素晴らしさ=“日本ブランドの有する価値”を向上させ、世界に発信していくことが肝要である」

 報告書が注目を浴びているのは、「品位・品格」という文化的パラダイムを主張している点だ。報告書は「グローバルな経済戦争の中核をなす競争力は“品格”に変わった」と宣言、製品の「格」で競い合おうという新しい産業戦略を示した。日本経済が価格・品質の競争を経て文化的価値を競う段階に突入したことを知らしめる始発点といえる。

 日本企業が伝統的に得意だったのは高品質戦略だ。しかし、「中国・韓国をはじめとする後発国が急速に技術力を上げ、品質や機能面での優位性だけでは差別化が困難になってきている」と分析している。日本経済としては、中国・韓国に真似できない新たな競争力の源泉が必要になった。それがまさに品格だ。品格とは、従来の経済学のカテゴリーには存在しなかったコンセプトだ。品格を論理で解き明かし、数値で表現し、製品の製造につなげることは不可能だと思われてきた。このように文化のカテゴリーとしか見なされていなかった「品格」を、産業の現場に引き込もうと、経済産業省は口火を切ったのだ。

 報告書のタイトル自体に、日本政府の大いなる野心が込められている。「新日本様式」は英語で「ネオ・ジャパネスク」あるいは「ジャパネスク・モダン」と表現する。ジャパネスクとは、19世紀の中後期にヨーロッパを風靡(ふうび)した日本文化ブームから取った言葉だ。

 「ジャポニズム」と呼ばれた日本的な情趣は、このころフランス・イギリスを中心に約30年間続き、印象派などヨーロッパの美術界・芸術家たちに大きな影響を及ぼした。これを再現しようというのが、「新日本様式」報告書の狙いだ。19世紀中期、日本的な情趣がヨーロッパを動かしたように、文化的な魅力で21世紀の競争力で優位に立とうというのだ。日本は「21世紀版ジャポニズム」の栄光を夢見ている。


◆国を前面に押し出す戦略
 新日本様式を提唱した日本政府の号令に、財界はすぐに反応を示した。2006年1月、パナソニックやトヨタ自動車など、あらゆる業種・分野にわたる76の代表企業・団体、38人のデザイナー・学者・専門家らが立ち上がり、「新日本様式協議会」を結成した。協議会の設立趣旨には、愛国主義的なムードが強く漂っている。

 「新たな付加価値の源泉として“日本ブランド”の確立が要求されている。日本固有の文化・技術・心を要素にした総合的な日本の素晴らしさ、つまり日本ブランドの価値を高め、世界に発信することは、日本製品とコンテンツの国際競争力強化につながるだろう」

 設立趣旨書のキーワードは「日本ブランド」だ。協議会は新日本様式のコンセプトを「日本の伝統的な技術・デザイン・機能・コンテンツを現代生活にふさわしい形で再確立すること」と定義付けた。これは、日本という国のブランド知名度を上げ、他国製品・コンテンツと差別化するという意味だ。

 協議会にはシャープ、キャノン、日立、富士通、NEC(以下、電子)、三井物産、伊藤忠、丸紅(以下、総合商社)、電通、博報堂(以下、広告)、日本航空、全日空(以下、航空)といった日本を代表する企業が業種を超え網羅されている。外務省、経済産業省、国土交通省、文化庁の4官庁もオブザーバーとして参加しており、国家プロジェクトであることは明らかだ。

中でも、協議会活動を主導し、積極的に新日本様式を製品に反映しているのがパナソニックだ。パナソニックに取材を申し込んだところ、新日本様式研究のブレーンである植松豊行・首席審議役(デザイン担当)がインタビューに応じてくれた。

―新日本様式とは伝統を生かすこと?

 「日本の伝統的な美意識を先端技術で具現しようというものです。例えば、ヤマハのデジタル・バイオリンはデジタル技術の具現化ですが、ハンドメイドのアナログ的な印象を与えます。TOTOの便器は日本独特の清潔に対する意識を取り入れているし、トヨタのクラウンは日本刀のラインを生かしています」

―日本的なものは世界の市場で通用する?

 「できるかどうかではなく、マスト(must)の問題。新日本様式を世界で通用させられなければ、日本人1億2000万人を食べさせていけません。ハイテク製品は、技術さえあれば、日本で作っても中国で作ってもまったく同じ。原価が安い場所で生産すればいいのであって、日本国内に工場を作らなければならない理由はありません」

―製造業が海外に流出しないよう引き留めようという戦略?

 「そうです。物価が高い日本国内に製造業を引き留めておくには、日本でなければ不可能なもの、日本国内でしかできないものを作らなければなりません。そうすれば雇用も生まれ、1億2000万人が生活していけます。それこそがまさに新日本様式の戦略です」


◆あんパンから「アンパンマン」を生み出す国
 京都は、街全体が豊かな歴史コンテンツにあふれる「大河小説」のようなところだ。文化財一つ、建築物一つにも味のあるストーリーが添えられ、その魅力を最大限生かしている。京都での取材の合間に、「哲学の道」という観光コースに立ち寄った。ただ、その名前に魅かれて行ってみたのだが、素朴で風情のある小さな散歩コースだった。著名な哲学者の散歩道だったということで、そうした名前がついたそうだ。だが、「哲学の道」でなかったら、スケジュールに追われている旅行者たちがわざわざ時間を割いて立ち寄るだろうか。日本人はストーリーを発掘し、魅力的に見せる天才だ。

 日本の大衆文化はなぜ強いのだろうか。取材の間ずっと抱いていた根本的な疑問は、京都精華大学の牧野圭一マンガ学部長に会ったとき、解けた。牧野学部長の説明は簡単で明確だった。日本は唯一神社会でないため、自由な発想が可能で、マンガ・キャラクター・ゲームといった大衆文化が豊かになったというのだ。

 「日本はあらゆる事物に神がいるという“やおよろずの神”の国です。石にも、木にも、川にも、水にも神がいると信じています。森羅万象に人格と生命を吹き込み、自由自在に擬人化します。あんパンから“アンパンマン”というキャラクターを生み出すのが日本です。だから、あらゆるキャラクターが生まれ、(大衆文化の)ストーリーが豊かになるのです」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 この文章は、「朝鮮日報」という韓国のトップレベルの新聞社が、2008年に発表したものです。
新聞社が、反日的な記事を取り上げる一方で、日本の状況や戦略を冷静に分析し、自国民に対して発表する。
韓国メディアの成熟さを感じる一面です。


 さて、長らく不況において、経済的に苦しい状況が続くわが国ですが、
これからの歩むべき道のひとつが、この文章に凝縮されているのではないかと思います。
価格や質で競争するのではなく、約2,700年にわたり培ってきた、
わが国の文化・品格を武器にするという発想です。

 世界が日本の文化に注目している中、私たちはその認識の上に立って、
メディアが【日本国の良さ】を啓発し、私たちも教育や地域行事でそのことを再認識し、
世界に向けて発信していく。これが、21世紀のわが国の生きる道の一つであります。


そのことを共有したいと思い、今回取り上げさせていただきました。ありがとうございました。