遺伝学 三毛猫の遺伝に挑戦③猫の毛色と遺伝子 | 甲斐犬と古墳の里 堺もず で暮らす

甲斐犬と古墳の里 堺もず で暮らす

甲斐犬(日本犬)の 写真を中心
にしたブログです。
写真 1000枚以上
” 甲斐犬 ” と ” 古墳 ” で検索
甲斐犬(日本犬)の あれこれ
が、いっぱい !!!
たいていの情報が、あります。

猫の毛色を決める遺伝子

 

猫ほどたくさんの毛色を持った動物は、

いないのでは、 ???

これは、人間が、鑑賞用に作り出したのか

それとも 突然変異か ???

 

猫の毛色を決める遺伝子は、基本的には、

9種類と言われている。

実際には、色々の組み合わせがあり、もっと

沢山の種類になっている。

 

猫の原型は、リビアヤマネコと言われている。

ニホンイエネコの原型は、キジトラ ???

よく似た毛色である。

山猫に似た 山林での景色に溶け込んだ様な

毛色の状態、カモフラージュの為か??、一番

の保護色である。

 

キジトラ

近所の公園で撮影

 

 

綺麗な模様である。

 

 

これは、一本の毛の内に、色の帯がある状態で

アグーテイ」と呼ばれる。霜降り状に見える。

 

この毛色から、「ノンアグーテイ」(単色)が、生ま

れた。???

最初の突然変化は、”黒”とも ????

一本の毛で、帯がなくなり、一色(黒色)になるので、

黒猫” となる。

 

そして 次々と 新しい 毛色が発現した。???

 

 

写真の”キジトラ”の 毛色遺伝子を調べてみると

 

 ww、A-、B-、C-、T-、ii、Ð-、ss、L- 

 である。

 

代表的なものを、説明すると

ww : 白猫でない

A  : アグーティ(一本の毛で帯がある)

B  : 黒い 色

C  : フルカラー、色を付ける

T  : 縞模様のある

ii  : 銀色でない

D  : 色が濃い

ss : 白斑がない

L  : 短毛  である。 が ???

 

大変 複雑である。

そうです 猫の毛色は、大変大変複雑なんです。

 

この写真は、「茶トラ」

キジトラに、 ”O遺伝子”が、加わると、茶色ぽく

なる。 近くの公園で撮影

 

 

キジトラに、O遺伝子S遺伝子が加わると、

”三毛猫”になる可能性が出てくる。

 

また キジトラ の A遺伝子が、aa になると

なんと 真っ黒い猫になる。

猫の毛色は、大変不思議 !!!

 

 

代表的な毛色決定の遺伝子

三毛猫に関係する遺伝子を説明する。 

 

① ホワイト ( W )

 対立遺伝子 : W 、w

 優劣       W > w

 上位遺伝子 : なし

 野生型    : w w 

 

 一番強力な遺伝子である。これが優性の”W”で

 あれば、全身 白 となる。無条件で白一色となる。

 ”ww”でないと、他の色は、発現しない。

 アルビノは、違うものである。

 

② アグーティ ( A )

 対立遺伝子 : A 、a

 優劣     : A > a

 上位遺伝子 : W(ホワイト)、O(茶)

 

 一本の毛に、褐色の帯 と 黒色の帯 が、入る。

 毛一本に、模様が入る。霜降り状になる。

 aa では、一本の毛色が、黒色一色となる。

 これは、ユーメラミン(黒系)のみに作用する。

 フォオメラニン(赤系)には、作用しない。

 

③ ブラック ( B )

 対立遺伝子 : B 、b 、

 優劣     : B > b

 上位遺伝子 : W 、 O

 

 黒を発現する。

 

④ スポッティング ( S )

 対立遺伝子 : S 、 s

 優劣     : S > s

 上位遺伝子 : W

 野生型    : ss

 

 白斑を生じる。

 白猫以外の全ての猫に白斑を生じさせる

 可能性を持つ。

 白斑+茶斑+黒斑で、三毛猫になる。

 

、ss :白斑を生じない。

 SS :広い範囲で白斑が出る。

 Ss :狭い一部で白斑が出る。

 

⑤ オレンジ(茶) ( O )

 

この遺伝子が、他と違うのは、性染色体にある

事である。(その他は、常染色体にある)  

 

 対立遺伝子: O 、o

 優劣    : 優劣無し

 上位遺伝子: W

 下位遺伝子: A 、B 、I

 オレンジ(茶)を発現する。

 O : なら オレンジ

 o : なら 野性色(A、B、I が発現)

    下位遺伝子の”A”(②のアグーティ)等が

    発現する。

    野生色とは、キジ か  である。

 

 これは、A(アグーティ)遺伝子により決まる。

 オスの場合

  A遺伝子    O遺伝子    発現

  なし       Oy        オレンジ

  AA、Aa     oy        キジ

  aa        oy        黒

 

 メスの場合

  なし       OO        オレンジ

  AA、Aa     Oo        茶色とキジ

  aa        Oo        茶色と黒

  AA、Aa     oo        キジ

  aa        oo        黒

 

 

 また 最も重要なことは、

 O遺伝子が、性染色体の、X染色体にある事である。

 X染色体は、

 メスは、ⅩⅩ なので 2本所有している。

 オスは、ⅩY なので 1本しかない。

 

 という事は、

 メス は、2個の"O遺伝子を持つことが出来て、

 2つの毛色を、発現 できる可能性がある。 

 

 例えば

 片方のX染色体の O遺伝子が、 "O”であるなら

 ”茶(オレンジ)”を発現

 もう一方のX染色体の 0遺伝子が、”o”であるなら

 ”黒” を発現する。

 

 これに、S遺伝子(白斑を造る)が、加わると、

 ”白”が、追加される。

 よって 白、茶、黒 の3色となり、”三毛”

 なる可能性がある。

 

 オス の場合は、Ⅹ染色体が、1本しかない

 ので、 O遺伝子による、発色は 1色 しか

 ない。

 S遺伝子を、加えても、2色にしかならず

 ”オス”は、基本的には、”三毛”には、

 なれないのである。

 

 

 もう一つ、重要なことは、

 メスは、ⅩⅩ と、二つのⅩ染色体をもっている。

 これは、生物にとって問題が、発生する。

 同じ 遺伝子量が2倍になってしまうため、

 遺伝子が、働きすぎる状態になる。働きすぎは、

 生命にとって、マイナスになり、二つのⅩ染色体

 が同時に働くと、その生命は、死んでしまう。

 

 そのため 胚発生の初期の段階で、細胞分裂が

 起こる時、2本あるⅩ染色体 の片方を、働かな

 くしている。(不活性化している)

 これは、どちらの染色体を、不活性化するかは、

 各細胞の初期分裂時に、ランダムに決 まる。

 また 片方のⅩ染色体だけが、常に不活性にな

 ることはなく ほぼ 半半に、不活性化される。

 

 例えば ある場所の 表皮細胞が、最初に、造ら

 れる時に 右のⅩ染色体が、不活性されると、

 この部分の頭皮細胞は、左のⅩ染色体の遺伝子

 が、発現する。 その後 同じきまりで細胞分裂を

 行う。

 この時 O遺伝子が、の色素を持っていたなら、

 その後も、分裂するたびに 同じ 茶の色素を、

 持ち、この付近の色は、”茶”のかたまり(茶班)と

 なるのである。

 

 次に、別の場所の頭皮細胞が、細胞分裂する時、

 仮に 左のⅩ染色体が、不活性化されると、右の

 Ⅹ染色体の 0遺伝子が発現する。これが、仮に

 黒の遺伝子を持っていれば、表皮は黒くなり、

 その付近は、黒のかたまり(黒斑)となる。

 この例は、左右のⅩ染色体が、違う遺伝子型

 (Oo)を、持っている場合で、茶と黒の2色の

 毛色を、一つの個体に発現する。

 

 左右のⅩ染色体が、同じO遺伝子を持っている

 場合、OOの場合は茶色、ooの場合は、黒色と

 なり、1色となる。2色は発現しない。

 2色となるのは、Oo の組み合わせの時のみ

 である。

 

 

(参考) 

Ⅹ染色体が2つある時、片方の染色体が、不活性化

する現象を、発見者の M・ライオン の名をとって

ライオニゼーション」という。

また 遺伝子情報が全く同じなのに、

「遺伝子が働いたり」 「働かなかったり」する機構を

エビジェネティック制御”という。

つまり 遺伝子が同じでも 違うものが造ら

れる可能性が、あるという事である。 

 

 

 

以上 少し難しい話になりましたが ???

猫を飼っていなくて、猫の事も全く知らない私が、

少しだけ勉強して書きました。

まちがいも かなりあると思います。

特に、O遺伝子の部分は、??? です。

次回は、このシリーズの最終です。

 

 、     

 

 

お願い

ランキングに参加しています。
記事を読んで良かったと思った人は、

マークのクリックをお願いします。

( 甲斐犬に 興味がある人、 家に遊びに来てください。
我が家の犬と遊べますよ )


にほんブログ村