昨年に続いて紀尾井ホールで開催されたフルーティストの大塚茜さんのリサイタルへ行って来ました。
副題に大塚茜フルートリサイタルVol.3とありますので、今回で3回目になるようですね。
リサイタルのタイトルは、Akane on Baroque2023ということで、今年のテーマのBaroqueとは、何ぞや?と無知な私なりに調べたのですが、16世紀末から17世紀初頭にかけてイタリアで誕生し、広がって行った美術、文化の様式のようですが、音楽に関しては、16世紀末から18世紀中頃までの時期をさし、イタリアでは、モンテベルディ、ビバルディ、スカルラッティらによってオペラ、ソナタ、コンチェルトなどが発し、フランスでは、リュリをはじめとする宮廷を中心とした音楽が行われたそうですって、自分で書いていてよくわかりませんが
ドイツは、やや遅れ、バッハ、ヘンデルが出現して、バロック音楽の頂点となったと、そんな説明がありましたが、多分野に渡り、使われている様式であまりにも難しくて纏めきれそうにありませんから、芸術、文化から一番欠けはなれている私ですので、この辺りで諦めます
建築を生業にしている私ですから、学生時代に、建築史の授業でバロック建築について習ったことはありますが、ベルサイユ宮殿などの建築物にはあまり興味を示すことなく、単位だけを取るために授業を受けていた不届きものですから、バロック建築のことを、茜さんのおかげで少しだけ、回想できました
素敵なリサイタルの案内ポスター
プログラムを見ると、バッハの曲ばかりなので、バロックの頂点とも言える彼の曲を選ばれたのでしょうか、世界一クラシック音楽に疎い私に理解するのは酷というものですが、茜さん、いかがでしょう
錚々たる演奏家の皆さんが共演されており、改めて茜さんの人脈の広さ、深さを認識した次第ですって、やっぱり入りが固すぎますよね
通い慣れた紀尾井ホール
公演の案内
チケットは、ファンクラブで購入しました。
ファンの皆さんからも、沢山のプレゼントが届けられていましたって、写すの忘れましたが
グッズを購入すると終演後のサイン会へ参加できるということで、珍しく2種類のクリアファイルを購入しました
ホールへ入ると、ステージの中央に置かれたチェンバロの調律をされていました。
このホールのキャパの約800人を、一人の演奏家の方で埋め尽くすのは並大抵ではないと思いますが、それでも、7割から8割ほどのお客さんが入られていましたし、それも3年連続で開催されるなんて、本当に素晴らしいことだと思います。
この頃、チェンバロを聴く機会が多くなりましたよね
このホールは10列目ぐらいの中央が一番音のバランスが良いのか、人気のようですが、私は茜さんを近くで見たい一心で、今回も一番は前の席から、聴かせて(見させてかな)、いただきました
入場時に、パンフレット(リーフレット?)を渡していただきましたが、その冒頭に、茜さんから、挨拶が書かれていましたので紹介させていただきます。
本日は大塚茜フルートリサイタルにお越しくださいまして誠にありがとうございます。
紀尾井ホールでのリサイタルも今年で3回目を迎えます。
「Akane on Baroque」と題しまして、J.S.バッハと息子のC.P.E.バッハの名曲をお届けします。
バッハを中心とするバロックの世界をどうぞ最後までお楽しみください。
フルート 大塚茜
その後に載せられていたプログラムは、見えにくいと思いますが、パンフレットを撮影したものを投稿させていただきますね
これだけの文字数、字体を書き写すのはかなりの労力が必要なものですから
また、それぞれの曲に関しての解説もされていましたが、これがまた、かなりの文字数でしたので、スクショして、載せようかとも思いましたが、文字が小さくてハズキルーペをお持ちでない方には読めないと思いまして割愛させていただきました、申し訳ございません
と、言いつつも、小さな文字ですみませんが、写真を投稿させていただきますね
アーカイブ配信もされるようですので、私のブログを読んでいたたいて、ご興味が湧きましたら、是非ご覧になってください
写真がないのも淋しいですから、茜さんのSNSから、無断でお借りしました
撮影されたカメラマンの方の著作権とかあったら、やばいですが、茜さん、大丈夫でしょうか
開演時間を迎え、ステージ袖の扉が開くと、やや、緊張気味の表情を浮かべた茜さんと、チェンバロ奏者の重岡麻衣さんが登場されました。
後で、茜さんがおっしゃっていましたが、沢山のお客様の姿を見た瞬間感極まって泣きそうだったそうです
でも、しっかり演奏しなければという気持ちで何とか、持ちこたえて演奏されたそうですので、その我慢している表情が緊張しているように私には映ったのかもしれませんね
彼女としては珍しく数日前から毎日のように、夜中にインスタライブをやられて、練習される姿を見せて下さったり、リアルな心情を語って下さっていましたが、きっと日に日に迫る、そのプレッシャーに押し潰されそうな恐怖のようなものと戦われていたのかもしれませんね
世の皆さんも日々、目に見えるもの見えないものと、戦い疲れていらっしゃるのでしょうね
1曲目にJ.S.バッハの「フルートとチェンバロのためのソナタ変ホ長調BWV1031 」を演奏されました。
この曲は3楽章から成っていましたが、それぞれの世界観を卓越した技術と表現力で心の芯まで響いてくる魅力的な音色で届けてくれました
楽器の音色を聴くのは快感なのですが、いつも曲のタイトルが、何故かアレルギーを示しそうなくらい難解で私には何の事やら理解できません
そんな感極まった心の乱れも感じさせないで第1楽章をいつものように素晴らしい音色で届けてくれた後、うん?何かアクシデントが起こったのかな?茜さんが、やたら、フルートをいじりながら気にされているではありませんか?
この理由は、24日より、配信がありますので、そちらの方をご購入いただいて、ご確認していただければと思います。
昨日茜さんが配信された、インスタ、TikTokのライブでも、ばらしていませんから
また、このブログを配信期間が終わってからアップしようかとも思いましたが、あまり旬を過ぎるのも何だか間抜けな感じがしないわけではありませんし、動画をアップするわけでもありませんし、お許し下さいね
そんな想定外のアクシデントにうろたえることなく(内心は穏やかではなかったのかも知れませんが)、残りのパートもお二人の息の合った素晴らしい音色を奏でて届けてくれました
この後一旦、ステージを下がれましたが、すぐに茜さんお一人で、登場されると、改めてご挨拶と感謝の言葉を伝えられ、このリサイタルの経緯の説明、本日のプログラムの案内などされました。
かなり、専門的なお話、説明をされていましたが、音楽用語、歴史、作曲家など全てにおいて、クラシック音痴の私には、とてもまとめきれませんので、割愛させてください
MCを終え、一旦退場されると、この後の演奏の準備のために、ステージに譜面台や椅子などが運ばれました。
準備が整い、拍手に迎えられて本日出演される皆さんが、ステージに登場されると、アイコンタクトで、音合わせの後、2曲目の「ブランデンブルグ協奏曲 第5番 ニ長調 BWV 1050 」を演奏されました。
この5番は、パンフレットでも紹介されていましたが、3楽章で構成されており、フルート、ヴァイオリン、チェンバロの3人の方々がソリストを務められました(たぶん、やや不安ですが)。
特にチェンバロ協奏曲と言っても過言でないとの紹介に違わぬ、麻衣さんのチェンバロの華やかな音色が弾けるように躍動されていました
皆さんそれぞれに素晴らしい演奏を届けてくれましたが、その中でも、麻衣さんのチェンバロは、これまでに聴いて来たチェンバロの演奏の中でも、かなり技巧的にも高度に感じまし、麻衣さんの洗練された繊細で精巧な温もりのある音色は本当に素晴らしかったです。
約20分間の長い曲でしたが、皆さんそれぞれの熟練された安定感のある美しい音色に抱かれていたので、あっという間に、終わってしまった感じでした
あまりの心地よさに睡魔に襲われそうだったのはここだけの話ですが
危うくこっくりしちゃいそうでしたので、茜さんに気づかれないように、太ももを何度もつねってその痛みに耐えていました
もしかして、茜さんにばれてたかもね
本当にクラシックに疎い私ですので、音楽に関する語彙力に乏しくて、薄っぺらい感想ばかりでお恥ずかしいのですが、まあ、プロの解説者とは違う色もあっていいですよねって、開き直りじゃありませんよ
茜さんの白いドレス素敵ですね
ご出演された皆さん、お一人お一人をご紹介させていただきたいのですが、間違ったことをお伝えしてはいけませんので、お許しください
茜さんからもご紹介されていましたが、皆さん、本当に素晴らしい経歴をお持ちの方ばかりですね。
見た目は小さなオーケストラですが、心に響く音色は、偉大なスーパーオーケストラでしたって、例えがわけわかりませんよね
チェロ奏者の門脇さん、コントラバスの西澤さんの熟練された演奏に茜さんも安心してご自身のパフォーマンスに集中されていたようです。
こんなシーンあったかなあ?
集中されている表情って、いつも本当にお美しいですよね
ヴァイオリン奏者の重岡菜穂子さんは、チェンバロ奏者の重岡麻衣さんの妹さんだったんですね
よく見るとやはり似ていらっしゃいますね
これまでに沢山のヴァイオリニストの方々にお会いして来ましたが、まだまだ素敵な方々が沢山いらっしゃいますので、もっと色んな場所に足を伸ばさなければいけませんね
あっ、体力と財力があればの話ですけどね
茜さんの横顔凛々しくて素敵だなあ
演奏されている表情って、魅力的ですよね
髪をアップされた茜さんから、このリサイタルにかける意気込みのような気迫を感じます
下の写真の茜さんの表情から、この頃には、緊張感もほぐれて来たかなあ
昨年もそうでしたが、この紀尾井ホールでの茜さんから滲み出る気迫と言いますか生きざまと言いますか、研ぎ澄まされたプロフェッショナルな空気がギンギンに漲っていますよね
しびれちゃいます
20分の休憩時間を終えると、衣装替えをされた茜さんがお一人で登場され、後半が始まりました。
後半最初の曲は、バッハの次男のカール・フィリップ・エマヌエル・バッハによって作られた、「無伴奏フルートのためのソナタ イ短調 Wq.132 」を届けてくれました。
この曲も3楽章で構成されており、フルートのためのソナタというだけあって、茜さんお一人がステージに登場されると、ここ数日、インスタライブでもライブされながら、夜中まで練習されていた、あのメロディーたちが今このステージに響き渡っていました。
お一人でこれだけ大きな存在感の光を放ちながら、私たちを魅了される茜さんに胸が熱くなりました
茜さん、微笑みを浮かべられて、緊張もほぐれたのかな
演奏後、一旦茜さんが退場された後、次のステージの準備が終わると茜さんお一人が戻られて、しばし、お話された後、ここでメンバーの紹介をしたいと思いますと、皆さんをステージに呼ばれて、お一人お一人を紹介されました。
皆さんとどのようにして知り合いこのステージに立たれているかを説明されましたが、縁というものは、生まれた時から何か目に見えない糸で繋がっているのかも知れませんね
最後に「
管弦楽組曲 第2番 ロ短調 BWV 1067 」を演奏されましたが、プログラムを見ると、第1曲の序曲から、ロンド、サラバンド、ブーレ、ポロネーズ、メヌエット、バディネリの第7曲まで、あるようですが、なにぶんにもカタカナが超苦手な上に音楽の成績が芳しく無かった私ですから、何のことやら、さっぱり
それでも、それぞれの曲が見せる、色んな要素が溶け込んだ表情が魅力的で、興味深く聴かせていただきました。
また、茜さんの華麗に躍動感ある、フルートを演奏される姿が印象的でした
このステージにかける茜さんの熱い想いが犇々と伝わって来ました。
鳴り止まぬ、拍手を受けて、再度ステージに登場された茜さんから、改めて感謝の言葉を伝えられると、今日の皆さんともっと色んな所で演奏できればいいなあと思っていますとおっしゃっていましたが、ほんと今日だけなんて勿体ないですよね、この素晴らしい音の世界をもっともっと多くの人たちに聴いていただきたいな
アンコールに、グルックの「
精霊の踊り 」初めの方を演奏したいと思いますと、精霊と言いますか、妖精のように美しい茜さんたちが、心静まる厳かな音色を届けてくれました
演奏後、拍手が途切れることはなく続き、もう一曲、本編最後に届けて下さった曲の第7曲バディネリを最後の最後にプレゼントしてくれました。
私がこれまでに観劇したミュージカルのカーテンコールよりも長く拍手が鳴り止まず、拍手で息が上がったのは初めてかも、歳もあるのかなあ
7人の素晴らしい演奏家の皆さんから産み出される、熟練された濃密な音色たちに抱かれて最初から最後まで本当に心地よかったです
これだけの素晴らしい演奏家の方々と共演することができて、茜さん、本当に良かったね
1700年代を彩り、時代に寄り添って生まれた曲たちが、今この時代の私たちに何を語りかけているのかなんて考えるのは野暮ですが、果たして今私たちが生きている時代背景から生まれた曲たちが300年後の人たちにどのように聴かれているのか、もしかしたら、時代の波に埋もれて消えてしまっているのか、誰にもわかりませんが、クラシック音楽だけは、500年後、1000年後にも、演奏家の皆さんによって引き継がれていくことは間違いないように思います。
色んな夢を魅せて下さった後のステージ
5月は、ライブやイベントなど、8つも伺いました(後今週の日曜日で最後です)ので、ブログがおっつかなくてかなりのタイムラグになっちゃいますが、私の生活は、仕事かブログみたくなっているようか気がします