むか〜しむかし
あれは確か
東京オリンピックが最低でも翌年の夏までに延期が決定
する前の事じゃったぁ
江戸の落語界の五代目圓楽一門会という小さな団体に
三遊亭楽大を名乗る
身体の大きな噺家がおったそうな
その男が年末の寄り合いで
来年の春に二ッ目から真打に昇進だ
と言い渡されおった
2ヶ月半で真打昇進の支度を
せねばならなくなり
正月から東奔西走
何とか支度を済ませて
後は昇進披露宴を待つばかり
と思っていたら
どうやら世間では疫病騒ぎになっとった
このままやるのか
それともやめるか
考えに考え抜いて頭に浮かんだ言葉が
「笑いは心の栄養剤」
これは確か徳の高い僧が仰ったお言葉
笑うことによってNK細胞が増え
疫病に打ち勝つ事が出来るはず
そう思った男はやめる事をせんかった
そしてお披露目の宴は始まった