食事でが基本

倉田さんたちは、様々な文献を調べ、血液100ミリリットル当たり0.7ミリグラムという濃度を基準にした。これは、健康な日本人の平均的な値で、この濃度を保つには1日100ミリグラム必要とした。
実際の摂取量はどうか。約1万3000人を調べた一昨年の国民栄養調査では、1日約135ミリグラムと一応、所要量を超えている。だが、佐賀大学農学部の村田晃学部長は、「調査はミカンなどが出回り、12月についでビタミンCがよく取れる11月にある。調理で損失する分も差し引かれておらず、実際に口に入る量は50ミリグラム程度」と指摘する。
国民栄養調査によれは、ビタミンCの約半分を野菜、約3割を果物、約8%をいも類でとっている。錠剤などで取ればいいと思っている人がいるが、食事から取るのが基本だ。果物や野菜には、ビタミンCと同様に酸化を防ぐ抗酸化作用を持つビタミンEやベータカロチンなどが含まれている。体内の抗酸化作用はこれらが協力して働いている。ほかのものが足りないとビタミンCの消費が激しくなり、作用を十分に発揮できない。
ビタミンCは熱に弱く、水に溶けて流れやすいから、調理に工夫が必要だ。果物や野菜は切って組織が壊れると特に流れ出しやすいから、切った後は水に長くさらすようなことは止めた方がいい。

上限はないが

また、サツマイモやジャガイモなどいも類は焼いたり、蒸したりしてもあまりビタミンCが減らない利点がある。女子栄養大学の吉田企世子教授の調査では、ホウレン草を5分ゆでるとビタミンCは60%失われるが、ジャガイモは40分蒸しても26%しか減らなかった。
改定された栄養所要量は、摂取量の上限を決めていない。体内でビタミンCが多くなりすぎると尿中に排出されるので、取りすぎても通常、害はないとされ、人間に1日1000ミリグラム以上与えても悪影響がなかったという実験報告がある。
それでも、倉田さんは、「ビタミンCに限らず、何でも大量に取りすぎるのは勧められない」と、ビタミンCの製剤を一度に何十錠も飲むことなどは控えた方がいいという。食事から取っていれば、心配はないそうだ。

○ビタミンCが多い食べ物の例

アセロラ
グアバ
パセリ
赤ピーマン
ブロッコリー
黄ピーマン、芽キャベツ
ニガウリ
シシトウ、レモン
ピーマン、イチゴ、キウイ

1700
270
200
170
160
150
120
90
80

単位ミリグラム[食べられる部分100グラムあたり](科学技術庁資源調査会編「四訂、五訂日本食品標準成分表」による)(朝日新聞 1999/10/18)

喫煙者のがんに効くビタミンE

血液中のビタミンEの濃度が高いと、喫煙者が肺がんになる危険が減る。米国立がん研究所のカレン・ウッドソン博士らはそんな報告を同研究所ジャーナルに発表した。
フィンランドの50-69歳の男性喫煙者約2万9000人を対象に調査。1日当たりビタミンEの一種アルファトコフェノール50ミリグラムと緑黄色野菜に含まれる色素ベータカロチン20ミリグラムを5-8年間飲んだグループと、どちらも飲まないグループに分けて比べている。
それぞれグループに属する人たちの血液中のアルファトコフェノールの濃度を調べた。その結果、アルファトコフェノールの濃度が高い人は低い人より肺がんになる危険率が19%低かった。とくに、60歳未満の人や喫煙期間が40年未満の短い人の方が、濃度の高まりと肺がんの危険の低下との関係が強かった。ウッドソン博士らは、しゅよう形成の初期に高濃度で存在すれば、肺がんの進行をくい止めるとみている。
ビタミンEやベータカロチンは、がんの引き金になる体内での酸化反応を抑える抗酸化作用がある。(朝日新聞 1999/11/28)

「ビタミン」国際カルテル 公取委、日欧の10社検査
日本と欧州の大手薬品メーカーが、日本を含む世界市場でのビタミン販売で違法なカルテルを結んでいた疑いが強まり、公正取引委員会は27日、「ロシュ」(スイス)、「BASF」(ドイツ)の日本法人や、「エーザイ」(本社・東京都)、「第一製薬」(同)など約10社の本社など10か所を、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査した。立ち入りを受けたメーカーの大半は昨年、米国市場のビタミン販売でカルテルを結んでいたとして米司法省に反トラスト法(独占禁止法)違反に問われ、巨額の罰金支払いに応じている。
関係者によると、ロシュやエーザイなど大手薬品メーカーは、飲料や食品に添加するビタミンC剤など各種ビタミン製品の日本を含む世界市場で、シェア維持を図るための出荷数量割り当てや高価格の維持、価格引き上げなどのカルテル行為を繰り返していた疑い。
米国、欧州を中心としたビタミンの世界市場では、ロシュなど2社がビタミンC剤の約8割を占めているほか、ビタミンA、Eなどの製品も、立ち入り検査を受けた各社で寡占状態が続いている。また、年間約250億円以上と推定されている日本の栄養補助食品も、添加されるビタミンについて各社が圧倒的なシェアを持っているという。
ロシュ、BASF、エーザイ、第一製薬など6社は昨年、米司法省から反トラスト法違反に問われ、計11億ドル(当時、約1200億円)の罰金支払いに応じている。6社は米国内のビタミン販売で、高い価格設定や販売割り当てなどのカルテル行為をしていた。(読売新聞 2000/01/29)

ビタミン、C+Eの補充がストレスに効果
酸化作用、協力して防ぐ

ビタミンCとEの補充でストレスによる体への悪影響を防ぐことができる──昭和大学医学部の研究グループによるマウスの実験で、そんな結果が出た。さまざまなストレスで活性酸素ができ、遺伝子が傷つけられたり、酸化作用の強い過酸化脂質などが生じたりする。これががんをはじめ多くの病気の原因の1つになるとみられている。CとEはこのようなメカニズムに対抗する役目を果たしているようだ。2日発売の医学誌「あたらしい眼科」に発表された。
同大医学部の浅野和仁講師らは、マウスにストレスを与え、過酸化脂質の量が眼球の中でどう変わるかを調べた。
過酸化脂質は細胞膜などが酸化されてでき、動脈硬化の発病や悪化に深く関係しているといわれる。人間でもストレスが高まると増加する。
実験では、縦に置いたプラスチックの管にマウスを入れて身動きのできない状態にし、首のあたりまで水につけた。8時間このようなストレスを加えると、過酸化脂質の量が普通のマウスの1.7倍に増えた。逆にCの量は約半分に減った。



●消費が急増

人など少数の例外を除き、マウスを含むほ乳動物は体内でCをつくることができる。実験では、強いストレスでCが大量に消費され、生産が追いつかなくなったと考えられる。
同じ条件のストレスを与える30分前にビタミンC2.5ミリグラムを注射しておくと、過酸化脂質やビタミンCの量は普通のマウスと変わらない状態が維持された。
また、活性酸素が増えやすい100%酸素中で飼う実験をした。48時間たつと、空気中で飼った場合に比べて過酸化脂質の量が1.6倍、ビタミンCの量が約半分になった。マウスを酸素中に入れる4時間前にビタミンE1ミリグラムを注射しておくと、過酸化脂質の増加やビタミンCの減少はほぼ抑えられた。Eは体内でつくることができない。
普通の状態のマウスにCやEを注射してもCの含有量は増えないから、ふだんはCは体内で飽和状態になっていると考えられる。

●体内で分業

体内にある酸化力の強い活性酸素は必要な物質だが、ストレスなどで増え過ぎると悪影響が出る。ビタミンCとEは活性酸素をなくしたり、酸化を防いだりする抗酸化作用がある。水に溶けやすいCは水のあるところを担当し、脂になじみやすいEは細胞膜などで働く。

●人間は深刻

また、Cは、抗酸化作用発揮して機能を失ったEを元に戻したり、ストレス対抗ホルモンの材料になったりすることが知られている。
Cをつくれない人、サル、モルモットなどは、個体の条件をそろえることが難しく、Cの投与とストレスの関連実験はほとんどないという。
浅野さんは「もし、人間が日常生活で受ける程度のゆるやかなストレスを与えれば、マウスは自分でつくるビタミンCだけで対抗できるかもしれない。だが、つくれない人間は食物などでCを追加する必要があるだろう」と話す。(朝日新聞 2000/02/04)

ビタミンC・Eほどほどに 米科学アカデミー、摂取量の上限決定

【ワシントン11日=辻篤子】米科学アカデミーは11日、「ビタミンCやEの錠剤を大量に取っても健康に良いという証拠はなく、むしろ害を及ぼす恐れがある」とする報告書を発表、初めて1日の摂取量の上限を定めた。一方、野菜や果物からはこれまでより多くビタミンを取るべきだとして、米国人を対象とする推奨摂取量を改めた。
ビタミンCやE、ベータカロチンなどは抗酸化物質として知られ、細胞が酸化されて傷つくのを防ぐともいわれる。栄養補助剤として大量に取れば、がんや心臓病などが防げるのではないかと期待されていた。
同アカデミーはその効果があるかどうかを調査していたが、「十分な証拠はなかった」と結論づけた。
逆に大量に取ると、ビタミンCは下痢を起こす危険があり、米国人の成人の1日摂取量の上限を、食品と補助剤合わせて2000ミリグラムとした。
ビタミンEは大量に取ると血が固まりにくくなる作用があるとして、補助剤の1日摂取量の上限を1000ミリグラムとした。微量栄養素のセレンは髪の毛が抜けるなどの作用がありうるとし、400マイクログラム以下とした。
一方、1日の推奨摂取量については、ビタミンCは従来の60ミリグラムから、女性は75ミリグラム、男性は90ミリグラムに増やし、喫煙者はさらに35ミリグラムを取るように勧告した。ビタミンEは男女とも15ミリグラムに増やした。
ビタミンCはレモン100グラムあたり90ミリグラム含まれている。(朝日新聞 2000/04/12)


ビタミンCが心臓病、脳卒中のリスク低減
米国の研究所長が発表

「1日50ミリグラム以上のビタミンCを摂取し続ければ、心臓病にかかるリスクは男性で45%、女性で25%ダウンする」──米国ライナス・ポーリング研究所のバルツ・フライ所長が、このほど東京で開かれたビタミン広報センター20周年記念講演会に出席、米国での疫学調査をもとに、ビタミンCを積極的に食事に取り入れるよう力説した。【川鍋 亮】

フライ所長によると、ビタミンCは生体の細胞に酸化的障害を引き起こす活性酸素を効果的になくす強力な抗酸化剤の役目を果たす。そして血しょうやLDL(悪玉コレステロール)中の過酸化脂質の生成を抑制し、心臓病や脳卒中のリスクを低下させる働きがあるという。
米国の研究によると、毎日45ミリグラムのビタミンCを摂取したグループは、28ミリグラム未満の摂取群に比べ、脳卒中のリスクが50%低下した。疫学的研究でも、1日100ミリグラムのビタミンCを摂取すれば、心臓病と脳卒中のリスクを低下させることができるという。
喫煙者は特にビタミンCの摂取を心がけた方がよいという。喫煙で活性酸素が発生し、これを消すためにビタミンCを消費するため、非喫煙者に比べてより多くのビタミンCが必要になる。米国では心臓病の20%は喫煙が原因とされる。さらに、がん死亡で1位の肺がんの90%が喫煙が原因とされているだけに、フライ所長は喫煙の危険性を強く指摘していた。
こうしたことから、フライ所長は「健康の維持には、毎日ビタミンCを200ミリグラム程度摂取することが必要。免疫機能の強化、体調維持にも大切だ。野菜、果物類を1日5皿(500グラム)程度食べるとよい」と勧めていた。ちなみにビタミンCは水溶性のため取り過ぎても体外に排せつされる。
一方、京都府立医科大学の吉川敏一助教授は同講演会で「ビタミンEが動脈硬化など心血管系疾病の予防に効果的」と述べた。ビタミンEは、ビタミンCと同様に抗酸化作用をもち、動脈硬化などいろいろな病気の予防に役立つことが分かってきた。
米国で医療従事者約4万人を対象に4年間、看護婦約8万7000人を対象に8年間、それぞれビタミンEの摂取量と心臓発作の関係を調べたところ、医療従事者では、1日当たり平均100IU(IUは国際単位でビタミンEは1ミリグラムが1IUにあたる)のビタミンEを摂取したグループで冠動脈疾患の発生率が37%下がることがわかった。
また看護婦は同100~200IUの摂取で、冠動脈疾患の発生が41%も減った。ビタミンEはナッツ類や大豆などに豊富だ。吉川さんは「ビタミンEの働きを補助するビタミンCもなるべく摂取する方が健康にいい」と指摘した。(毎日新聞 2000/08/03)

アルツハイマー病患者に強い味方 ビタミンE

進行遅延に具体的効果
老化防止に役立つとされるビタミンE。このほど来日した米国コロンビア大学脳神経外科のメアリー・サノ博士は、ビタミンEが中程度のアルツハイマー病の病状進行を遅らせる効果があるとする具体的なデータを発表した。患者に投与した量は日本の現状に比較して多めだが、脳の組織を保護するうえでビタミンEが重要な役割を果たすことを裏付ける研究として注目されている。(羽雁 渉)

アルツハイマー病の発症には過酸化脂質が関係し、その蓄積が神経細胞膜の破壊につながっていくと想定されている。また、アルツハイマー病患者の脳には無数の老人斑(はん)があり、そこにべ一夕・アミロイドと呼ばれるタンパク質が粘着し、神経細胞が死んだ状態になっている。ビタミンEは培養細胞でこのベータ・アミロイドの毒性による細胞死を抑えるとされている。
サノ博士は、ビタミンEがアルツハイマー病の症状進行を遅らせることを明らかにするために次のような試験を行った。
在宅で生活している中程度症状の患者341人に、2年間にわたって異なるタイプの薬を投与、アルツハイマーの進行遅延の程度を調べた。
使ったのはパーキンソン病の治療に用いるセレジリン(1日10ミリグラム)、ビタミンE(1日1330ミリグラム)、セレジリンとビタミンE併用、偽薬の4種類。偽薬を投与したグループと比較したところ、ビタミンEのグループが一番効果があった。
さらに、患者が施設に入居するまでの期間をどのぐらい遅らせることができるのかを調べたところ、ビタミンE群が155日、セレジリン群が105日という結果が出た。また、両者の併用群は60日で、併用のメリットはみられなかった。
この結果をもとに、サノ博士は「病態の悪化とともに日常生活活動(ADL)の低下を遅らせる効果はあった」と語った。ただし、認知機能の改善といった面では効果は認められなかった、としている。
そのうえで、サノ博士は「アメリカでは、アルツハイマー病の患者には必ずといっていいほどビタミンEのサプリメント(栄養補助食品)を使うように医師が勧告している」と現状を報告した。健康状態が良い場合は約1800ミリグラム、ほかに合併症がある場合は720-360ミリグラムぐらいの量を出しているという。
一方、日本の場合を見ると、栄養所要量は成人男性が10ミリグラム、女性が8ミリグラム、許容上限摂取量は600ミリグラムとされており、日米間には大きな開きがある。米国に比べ、サプリメントを取る習慣が薄いことが理由として考えられるが、アルツハイマー病の進行抑制に一定の効果がある可能性が強まったことで、今後、高齢者らにどう摂取量を増やしてもらうか課題になりそうだ。

<ビタミンE> 化学名はトコフェロール。8種類あるビタミンEの中でα(アルファ)型が生体内での生理活性の効力が最も強いといわれる。植物油(ひまわり油、コーン油など)やアーモンド、玄米、マグロの脂身、カツオ、カボチャなどに多く含まれる。(中日新聞 2001/02/16)

第一製薬・エーザイに警告 国際カルテル容疑 公取委 ビタミン剤販売で

日本と欧州の医薬品・化学メーカーが、世界市場でビタミン製剤の販売をめぐって違法な国際カルテルを結んでいた問題で、公正取引委員会は5日、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)と同第6条(特定の国際協定・契約の禁止)違反の疑いで第一製薬とエーザイに警告を出した。国際カルテルの禁止を規定した独禁法第6条を適用するのは極めて異例。
この国際カルテルでは、米司法省が1999年5月から9月にかけて武田薬品工業を含む日本企業3社とロシュ(スイス)、BASF(独)に対し、反トラスト法(米独禁法)違反で罰金を科している。
公取委は昨年1月、第一製薬とエーザイのほか、ロシュやBASFの日本法人にも立ち入り検査を実施したが、欧州本社での十分な調査ができないことなどを理由に欧州2社の摘発は見送った。武田薬品工業は95年にカルテル行為から離脱したため時効が成立している。
公取委によると、第一製薬はビタミンB5の販売で、世界市場で最大シェアを持つロシュの呼びかけに応じてBASFとともに91年2月ごろから違法な国際カルテルに参加。99年まで日本を含む世界7地域の市場で各社の年間販売数量を決めていたとされる。
またエーザイは合成ビタミンEの販売で、ロシュ、BASF、ローヌ・プーラン(仏、現アベンティス)の欧州3社とともに、91年1月ごろから98年まで日本を含む世界4地域で同様のカルテルを結んでいた疑いが持たれている。
ビタミンB5と合成ビタミンEは世界需要量の約7割が家畜や魚類の飼料用添加剤に使われ、残る3割が総合ビタミン剤などの医薬品や化粧品の原料になる。

第一製薬の話 公取委の認定を厳粛に受け止めている。当社は米国でこの問題が起きて以降、倫理に裏打ちされた行動を徹底している。
エーザイの話 公取委の警告を厳粛に受け止め、法令と倫理の順守を徹底したい。

米欧との強力体制に課題

【解説】 公取委が国際カルテルを巡る独禁法違反で日本の製薬会社2社に行った警告措置は、1999年の日米独占禁止協力協定の締結後、初めての摘発となった。ただ、処分は日本企業だけに絞られ、内容も制裁措置のない警告にとどまった。情報交換を含めた日米独禁当局の協力体制など、国際カルテル摘発の問題点も浮かび上がった。
90年代から目立つようになってきた多国籍企業による国際カルテルや国際合併に監視を強めるため、日米当局は協定を締結。公取委は現在、欧州連合(EU)や韓国の独禁当局とも交渉を進めており、「日米同様の包括的な協力体制を築きたい」としている。
摘発されたビタミンカルテルの背景には、世界的規模で進む薬品市場の寡占化が指摘される。世界のビタミンB5の市場規模は推定で年間約1億ドル。市場シェアはロシュが約4割、BASFと第一製薬がそれぞれ2割程度で、この3社で8割のシェアを握る。合成ビタミンEはロシュが最大手で、BASFが続き、エーザイは4位でシェアは10%程度だ。しかし、日米間で協定が結ばれたものの、国際カルテルを共同監視するシステムはなく、協力体制も十分ではない。今回も「米司法省や欧州各国から実際の捜査にかかわる情報はほとんど提供されなかった」(特別審査部)という。
米司法省は日欧企業に対し、司法取引という手法を使って有罪の確証を取り、99年に罰金刑を科した。日本側の調査能力の“限界”を指摘する声もあり、公取委は昨年から司法取引の実態調査を開始。審査官増員を図るなど、国際カルテルなどの監視態勢の強化を急いでいる。(日本経済新聞 2001/04/06)

ビタミンC使い歯周病予防商品 ライオン、5年後メド

ライオンは、ビタミンCに、歯茎に炎症などを引き起こす歯周病を予防する効果があることを突き止めた。歯周病菌を攻撃する白血球の働きを最大2倍に高めて歯茎を守るほか、炎症の拡大も防げるという。5年後をめどに、歯周病予防に有効な歯磨きを開発する。ビタミンCは水に溶けやすいため、ライオンは溶けにくく変化させたビタミンC誘導体(L―アスコルビン酸リン酸エステル)に着目。培養した歯周病菌の中に、白血球とこの物質を入れて殺菌効果を確かめた。白血球の働きはビタミンCがない場合に比べ最大で2倍高まり、歯周病菌を減らした。
成果を27日から千葉市で開かれる国際歯科研究会で発表する。(日本経済新聞 2001/06/22)

ビタミンと亜鉛で老人の失明防止効果

ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、それに亜鉛という4種のサプリメント(栄養補助食品)で、老人が失明に至る眼の病気を予防できることがわかった。
米連邦政府のNIH(米国立衛生研究所)傘下の研究機関の1つである、米国立眼研究所の研究で明らかになったもの。
予防できるのは、老人性円板状黄斑変性という老化現象による眼の病気。老人性円板状黄斑変性は視野の中心部が、ぼやけたり、ゆがんだりする症状が出て、病状が進むと、失明に至ることが多い。老人の失明の最大の原因となっているが、決定的な治療法はない。
この研究では、3640人(平均69歳)を被験者に、ビタミン類が、老人性円板状黄斑変性と白内障にどういう影響を与えるかを調べた。
被験者は全員、黄斑変性の初期の段階にあり、放置すると症状が進行する可能性がある患者ばかりだった。使ったサプリメントは、いわゆる抗酸化剤として知られているビタミンC、E、ベータカロチンで、それに亜鉛も一緒に被験者に与え、6年間追跡調査した。
試験の結果、これらのビタミン類と亜鉛を毎日与えた場合、偽薬を与えた場合と比較して、黄斑変性が進行するリスクが25%減り、失明のリスクが15%減ることがわかった。
ただし、ビタミン類、亜鉛を個別に与えた場合では、効果は薄く、あるいは全く効果がなかった。
この研究で、被験者に与えたビタミンCは500mg、ビタミンEは400国際単位(IU)、ベータカロチン15mg、亜鉛80mgだった。(日経ヘルス 2001/10/29)


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