紫陽花は

あまり好きな花ではなかった

なんだか陰の気がしてた

大人しい花が

好きではなかった

畑とか山で自然に咲いてる花は

何故か大人しく感じた



お花屋さんで

ガラスケースに入ってる

(チヤホヤされてる)

お花がお花だと自覚してた

自然に咲いてるお花に

美しいと思える心を

持っていなかった


華やかな薔薇

可愛いガーベラ

ラナンキュラス

あれらが花


今は自生する花も

美しいと思う


価値を決めてるのは

人間だけ


その価値に左右されてしまってるのも

人間だけ


実家の畑には

花が咲いてた


学校に花を持たされた


小学生の頃

よく先生の机に花を持ち寄った


いまいちパッとしない花だ


呉服屋さんのお嬢さんの

持ってくる花は

いつも華やかだ


なんで私の花はこんなに地味なんだ


「いつもお花ありがとうね」

先生は言ったけど

ワタシは素直に受け取れなかった


呉服屋さんのお嬢さんの花の方が

嬉しいに決まってる

だって買ってきてるのよ

うちは畑で生えてるだけだもん


ママ明日からもうお花は

持っていかないから!!!


いつも誰かと比べては

勝手に劣等感を持っていた


今思えば

朝摘んだばかりの花が

教壇に飾ってあるのは

どれだけ気持ちが良かったろうな

って思う


買わなくても

いつも花に囲まれていたワタシは

実はとても幸せだったと

最近気がつく