懐かしい記事を再アップ。
そういえば初の海外旅行は
オーストラリアの皆既日食フェスでした。

初の海外旅行でテント泊で
砂漠のような場所で砂まみれになって、
直射日光の中踊って寝て、の4日間。

思えばそこでスコーン!と
何かが抜けたような気がします。

地球を楽しむのに言葉はいらない。

今11月24日から12月1日までの
オーストラリアツアーを計画してます。
とあるフェスに五日間プラス
グループセッション&トリートメント付き。

あえて不自由な環境に行くことで
自分の自由を思い出したり、
知らない場所で知らない人と、
同じ音と同じ場を共有する。

きっとぶっこいツアーになりますよ。
かなり少人数での募集予定なので、
気になる方は予定を空けておいてください。

下の文章は三年前の皆既日食にて。
勢いで書いてるから今読んでも
やっぱりぐっと思い出しますね。

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2012年11月14日
皆既日食体験レポ。
~eclipse2012@オーストラリアにて

前夜から踊り続け、ほど良き時間になったので、メインフロアー後ろの日食観測用の丘の頂上へと移動。

眼下にはメインフロアーを含めた各ステージ。
遠くにはうっすらと山影が見える。

オーストラリアが夏とは言っても、まだ夜明け前は少しだけ肌寒い。

フロアーの音を聞きながら日の出を待つ。

フロアーには踊り続ける人たち。
少しでもいい場所から日食を見ようという人は続々と丘の上へ。


日の出。

待ちに待った、10年間待った、
皆既日食当日の日の出。

太陽が姿を現した瞬間、
歓声があがる。

みんなわかっているんだ。

これから何か特別なことが起こる事を。

フロアーの音が止まった。

皆既日食に合う音なんて無いからだ。


皆既日食まで、あと一時間。

姿を現した太陽は、
既に少しだけ欠けている。

太陽が昇るに従って、
少しずつ周りが明るくなる。

集まって来ている人たちの表情は、
はち切れそうな期待と、
得体の知れない不安に満ちている。


太陽がまた少し昇る。

昇りながらも、欠けている部分は少しずつ大きくなっていく。

日食用のグラスをかけたり外したりしながら、
少しずつ変化していく太陽を眺めながら、その時を待つ。

完全皆既日食まであと少し。

太陽の欠けた部分が、
かなり大きくなっている。

さっきまでだんだんと明るくなってきていたのに、今度は少しずつ暗くなっていく。

夕暮れの風景を早回しで見ているような感覚。

ただの夕焼けとは違った、
不思議な明るさ。

さっき目を覚ました鳥たちが、
狂ったような鳴き声を発しながら、めちゃくちゃな飛び方をしている。

さっきから出ている鳥肌は、
寒さのせいだけじゃないだろう。


さらに太陽は欠けていく。

肌全体を包むような落ちつかなさ。不安感。

古代の人たちが皆既日食に合わせて神事を行っていた理由が、日食を体験するとよくわかる。

これは、『死』なんだ。

世界の終わり。


理屈では皆既日食のメカニズムを知っているけど、そんなこととは無関係に沸き起こってくる、この感覚。

圧倒的な畏怖。

すでに太陽は、
三日月のような形になっている。

それでもまだ、周りは明るい。


誰ともなく起こる叫び声。

叫び声の共鳴。

どうしようもない感覚。

世界の終わりまで、あと3分。

photo:01



三日月型になった太陽が
さらに欠けていく。

もう細い線になった黄金色の何か。
その両端から消えていく。

日食グラスはもう必要無い。

消える。消える。消える。


叫び声。

周りを見回すと、
泣きそうな顔。
笑ってる顔。

喜怒哀楽。

阿鼻叫喚。

感情が噴き出し、絡み合う。

どうしようもなく湧いて来る何か。

あとちょっと、

あとちょっと、、

きたっっっ!!!

ベイリービーズと呼ばれる、
月の輪郭の形に煌めく光のリング。

ダイヤモンドリングだ。


ダイヤモンドと言うけれど、
ダイヤモンドとは比較にならない。

空に浮かんだ奇跡の輝き。

美しすぎるモノを見ると、
人は叫ぶ事しか出来ないと
皆既日食を見て知った。


あああああーーーー!!!!!

そこらじゅうから
あがる声。声。声。

そうして、ダイヤモンドリングが消えた瞬間。

太陽コロナが現れる。

photo:02




より一層大きな声があがる。

うおーーーーーっ!!!!!

どこかの原住民のような雄叫び。
あれは本当なんだ。

人は、想像を超えたモノを見ると、雄叫びをあげることしか出来ない。

そうするしか出来ない感覚。

吠えないとおさまらない感覚。

まるでブラックホールのような黒い太陽から、
紫と白の混在した不気味なコロナが揺らいでいる。

綺麗だとか、美しいとか、
そんな言葉ではとても言い表せない。

2ちゃんねる的に言ったら
世界オワタだ。

気がつけば、
周り一面が夕焼け。

黒い太陽の周りは時空が歪んだかのような、不思議な空間。

そこらじゅうから悲鳴のような叫び声。

宇宙の織りなす奇跡。

神々の遊び。

120秒間のエクスタシー。


みんな声にならない声をあげて、
泣いてるんだか笑ってるんだか
わからない顔をして、

ただ、ただ、
その場に飲み込まれていく。


そして再びのダイヤモンドリング。

異世界になっていた空が切り裂かれ、光が差し込んでくる感覚。

死と再生。

絶望の果ての希望。

終わったように思えた世界に、
再び生命の色が宿ったような、
そんな不思議な感覚。

神々しいまでの輝きは、
ベイリービーズを越えて
線形の煌きになり、
そして再び太陽の形を取り戻す。

たった一時間あまりに繰り広げられる、壮大な天体スペクタクル。


ああ、これだ。

これだ。

これを体験しに来たんだ。

美しいとか、宇宙がどうとか、
皆既日食を追いかけてるのは
そんな理屈じゃ無いんだと思う。

たまたま太陽と月の大きさと距離がいい感じで、
たまたま重なった時に皆既日食が見られる。

それを偶然と呼ぶ方が
ナンセンスってもんだと思う。


三度の皆既日食を体験して思う。

絶対こいつは神々の遊び。

きっと遠くから、
日食を見て騒いだり、踊ったり、涙する人を眺めながら、
『ふふふ、楽しんどるなー』って遊んでるんだろう。


望み通り乗っかってやるさ。

所詮この世界は幻想遊び。

用意されてるアトラクション、
とことん体験しつくしてやろーじゃん。


生きてることを。

感じることを。

今ここにいる、このおれを。

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追伸。
次の狙いは、2017年。アメリカ。
行ったろーじゃないですか!
バーニングマンの一週間前が皆既日食だってよ♪