昭和の時代に生まれた方々、子どもの頃に親や身内に

「おまえは橋の下で拾ってきた子なんだよ」と言われた

ことありませんか。

 

わたしは長良橋の下で拾ってきた子だと言われていて

高校に入ってクラスメートと話していたら、橋がそれぞれ

違うだけで同じことを言われていた子が多くて驚きました。

 

当時は親に言うことを聞かせようと脅されていると思いつつ

いらない子だったから捨てられたのかもと悩んでいました。

 

でも谷瑞恵さんの小説「神さまのいうとおり」を読んでいたら、

子どもを一度橋の下に捨てることで厄を落とし、そうすれば

健やかに育つという、昔から広く行われていたおまじない

だったんだ、と知りました。

わたしの親はちゃんと捨てて拾うという行為なんてしてなくて

その理由も知らずただからかっていただけだと思います。

 

それで昭和生まれの全国の子ども達がどれほど悩んだことか。

今なら虐待と言われかねません。

 

小説には他にも花嫁は玄関ではなく縁側から出る風習が

記されていて、コレわたしもやりました。

 

正式な出入り口ではない縁側から出ることで戻ってこれない

ようにという意味があるんだそうです。知らんかったですわ。

 

自宅で花嫁衣裳を着て近所の人にお披露目しながら菓子撒きをして婚家に向かい、婚家でも菓子撒きをしてそれから式場へ

向かうということをしました。それが普通だと思っていました。

 

婚礼家具を乗せたトラックや花嫁の乗った車はバックしては

いけないという縛りもあったし、姉は婚礼家具のお披露目で

箪笥の中味(主に着物)も近所の人にチェックされていました。

 

平成も半ばになって個人情報保護が確立されてきて、近所でも

冠婚葬祭に関わることがなくなってちょっとほっとしています。

風習が出来た頃とは時代が違いますからね。

 

子どもの死亡率が高いならばおまじないもしたくなるし、

相手もよく知らずに家同士での結婚は、退路を断ってまで

結びつきを強める必要があったのでしょう。

 

風習やおまじないも、それが幸せや健康に繋がる祈りならば

残っていて欲しいけれど、間違っていたり時代に合わない

ならばいさぎよく消えていってくれたら、子どもも花嫁も人々も

もっと楽しく幸せに人生を進めると思うのです。

 

いつも

ありがとうございます

みなさまも進む日々でありますように