『すずめの戸締まり』は新海誠監督によって制作されたアニメーション映画です。

主人公の岩戸鈴芽(いわと すずめ)という名前の17歳の少女は、日本神話の中に出てくるアメノウズメがモデルだといいます。
しかし、この映画に出てくるアメノウズメは、扉を開く働きではなく閉じる働きとして描かれています。

この物語の裏に込められているメッセージを読み解くと、神話の中に記述されている天岩戸開き物語とは、果たして本当にポジティブな物語だったのだろうか?と改めて考えさせられてしまいます。

新海監督はこのように語ります。

「この物語は災いが日常に張り付いた終末後の世界である」

人類の終末はとっくに訪れていて世の中は瓦礫だらけになっており、今は終末後の世界。瓦礫の後始末をしなければいけない時期にあるのかもしれません。

また、この作品のもうひとつのテーマは、「生きる」ということです。
人は共に生きる仲間がいることで自分が生きることの意味を見出せるのだということが、この作品が最後に伝えたかったメッセージだったのではないかと思います。