「もう一人のアイドル?」
「士なら察しがついてるだろ?」
「あぁ、あれか···あれは今でも思い出したくない悲劇だ···」
「窮奇は三峰を甘い言葉で騙して、彼女を間違った道へと誘導した、そしてそれが明るみになってと取り返しがつかなくなった所で彼女を突き放し、救いを与えず元の場所に返した。その後は士も覚えてるよな?」
「ああ、あの時の精神的ショックから、三峰は失声症になってしまい、そのせいで謝罪が大幅に遅れ、ファンの怒りの炎が更に広がって余計苦しむことになってしまった···」
「ちなみに、三峰のスキャンダルが表に出た後、僕は彼女の記憶を弄って、自分がその道を選んだってことにして僕は雲隠れした、僕の存在が表に出るのはなんとしても避けたかったからね」
「正しい判断とはいえ、中々に惨いことをするな···」
「フフフ···それにしても良かったなぁ、彼女のどうしようも無い絶望に打ちひしがれた時のあの顔···今でも思い出すと笑いがこみ上げてくるよ···でも勝手に壊れた彼女のおかげでにちかたちよりも質のいい悪意が手に入ったから万々歳だよ···」
「しかし、そうやって呑気に悪意を集めてた窮奇に待ったをかけた人物がいた、それが···」
「三蔵ストライクフリーダムガンダムだ」
「三蔵さんが!?」
「彼は超能力で窮奇がリアルワールドに転生したことを知った、そして彼は窮奇の悪行を止めるため、サンライズとコンタクトを取り、窮奇の悪行とそれに関連する戦いの記録の映像を、サンライズに渡した」
「映像を受け取ったサンライズは、それをテレビアニメとして、リアルワールドで流し、窮奇の存在を人々に伝えた、この世界で窮奇を止められる存在に届くように···」
「そういうことだったのか···」
「まさか、三国創傑伝とワールドヒーローズの放送にそんな裏があったなんて···」
「でも、あのアニメのおかげで俺達は窮奇の存在をしれたからな」
「これには流石のヤツも驚き焦った、存在が知られてしまった以上、表立って悪意を集めに行くのは難しくなるからな、だから最後の賭けに出た」
「最後の賭けに選んだのは、エボルトのいる東都プロダクションだった、ちょうどその時新しいユニットのプロジェクトが始まった頃だからな」
「あぁ、あの時か、」
「窮奇はその時二人を取材してたライターと蘭子のクラスメイトに接触し、二人を利用して蘭子達を陥れようと企んだ」
「そこで二人の協力者となって、二人から悪意を集めつつ、ちとせと蘭子を炎上させ、ファンからの失望という悪意を集めようとした」
「事態はどんどん悪化し、危うくアイドルの命が脅かされる一歩手前だった···」
『ハハハハハハッ!!それでいい!そのままとどめを刺せ!君が自らの手で紡ぐんだ···アイドルの死という、最高のバットエンドを!!』
「蘭子達の言葉によって、二人は目を覚まし、自分の過ちを認めたんだ」
「そして、エボルトの迅速な対応で、炎上事件では無く、アイドルのプロモーションの一貫ってことにしてごまかせた」
『あ〜あ、あとちょっとだったのに···使えない奴らだったなぁ···』
「こうして、大往生だった事件も何とか解決した」
「その後、窮奇に操られた二人も目を覚まし、新しい道を歩んだ、後日俺達も二人に接触し、そこで窮奇に関する詳しい情報を手に入れられた」
「あの時は本当に惜しかったなぁ、もう少しでアイドルが死んで、とても良い悪意が手に入ると思ったのに」
「それもこれも···あのギフテッドが手を出さなきゃ上手くいってたはずなのに···!アイツには後でお礼( )をしないとね···」
「完全に足がついてしまった以上、もうアイマスワールドで悪意を集めるのは不可能だと決めた、だから僕は活動拠点をこのリアルワールドに移した、幸いこの世界には、物流を狂わせて、無自覚に悪意をバラ撒く連中がわんさかいたから、悪意はザクザク手に入ったよ」
「転売ヤー達のことか···!」
「アイツらは悪意の塊みたいな集団だからな、窮奇にとってはいいカモだったんだろうな···」
「そして、君達を集めて、僕が貯めに貯めた悪意をエネルギーに変換して、君達に与えて強化した、これが僕が君達を集めるまでの経緯だ、わかったかな?」
「ああ、ありがとな大将!」
「···フン」
「あれ?そういえばカラミティは?」
「アイツ、どこ行ったんだ?」
「こんなつもりじゃなかったのに···」
〜see you next story〜