今回の記事は、私の個人的な体験談になるのですが、とりわけ現役信者の方で精神疾患や精神の障害をお持ちの方に刺さる記事になればいいなぁと思っています。
■うつ発症、出勤もままならず
私は1996年4月(当時23歳)に、初めて病院の精神科にかかり、「うつ病」の診断を受けました。1993年の9~10月にアトピーが悪化し皮膚科で10日間入院しているのですが、それ以来、お仕事の勤怠が不安定に。伝道(布教、勧誘)活動も、予定していながら休むことが多くなりました。
疲労感、倦怠感が強い状態は、歳を経るごとに深刻化し、出勤もままならなくなっていきました。2004年8月には病名も「気分変調性障害」となり、精神保健福祉手帳を取得、障害基礎年金も支給されるようになりました。2005年には、ついに医者から仕事を休養することを勧められ、一切の出勤ができなくなりました。
そんな中でも、大会には参加し続けていた私。「少しでも仕事に出て、社会人としての務めを果たしたい」というのが私の思いでした。
■働きたい気持ちを逆撫でする集会、大会
ところがエホバの証人の大会などでは、信者へのインタビューで「フルタイムの仕事をやめて、正規開拓奉仕を続けています」とか「出勤日数を減らして、伝道活動により時間を充てるようにしました」といった体験が語られ、インタビューを受けた人には、盛大な拍手が送られます。
私は、自分は仕事に出るのに精一杯なのに、この人たちは仕事を真剣にやることを否定して、司会者に褒められ、拍手を浴びているのって、何なの。確かに伝道に出られればいいけど、仕事に出て社会人の責任も果たせない、伝道には出るというのはおかしい。でも、仕事を真剣にやれば物質主義とみなされるし、……もう、何を頑張っていいのか分からない、大会のインタビューを聴くたびに、そんな気持ちになりました。
こうしたプログラムを聴いて私は、伝道に出る時間や日数を拡大するのは自由だけど、それはまず各自の経済基盤と心身の健康を安定させることが先決で、そのためにフルタイムの仕事をしている人に、集会や大会で肩身の狭い思いをさせるのは、おかしいんじゃないのか、と思うようになりました。
■自由な時間と考え方が、再就職への力に
エホバの証人を2016年の8月に辞めることを決意。それからしばらく経って、12月には就労移行支援施設に通い、訓練を受けるようになりました。そこに通所して、出勤の習慣付けをして、一般企業への就職に繋げようとしたのです。もう、集会にも伝道にも行く必要はありません。訓練とそれが無い時間は休養に徹することができました。
これを書いている時点では、来年1月頃から、一般企業での就労実習に入ることができそうです。と言っても、週3日×2時間程度からのスタート。もし雇用契約が始まるとしても、パートタイムでの就職になりそうです。それが自分の今の疲労感や倦怠感の強さからすると精一杯なのです。
もし、エホバの証人を辞めていなくて、集会や伝道に出なきゃいけない、という圧力があったら、こういう訓練とか実習に耐えられる自身は全然ありません。本当に、辞めた決断は大正解で、「世俗の仕事と集会や伝道、どちらが大事ですか」と余計なことを言ってくる巡回監督も長老もいない今の環境には、とても助けられています。
今も、私の父や、私と仲の良かった人がこの宗教の現役信者なのですが、せめて、今のエホバの証人組織が、伝道活動や集会どころではない人に対して、肩身の狭い思いをさせるのをやめて、伸び伸びとさせてあげてほしいなぁと、思うのです。
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