2016年10月22日09時04分
移植腎が機能している限りは
免疫抑制療法を継続することが必要ですが、
透析と比べて生命予後の改善が見込める上、
時間的制約や食事・飲水制限から解放され、
仕事や学業などにフルタイムで社会復帰できることや、
透析療法下では困難な妊娠・出産の可能性も期待できます。
小児では成長・発育や就学に大変有利です。
透析療法に比べて医療費が約4分の1で済むことなどの
メリットがあります。
しかし、現在、わが国では
血液透析31万人・腹膜透析9千人に対して移植者は2万人で、
割合はわずかに5・9%です。
約1万2千人が移植を希望して
日本臓器移植ネットワークに登録しています。
一方、欧米諸国では移植者の割合が3分の1を占めています。
2010年に施行された改正臓器移植法に基づき、
脳死または心停止後の方からの提供で献腎移植ができるようになりました。
ただ、欧米あるいはアジア諸国と比べて死後の臓器提供は大変少なく、年
間200件に達しません。平均待機年数は15年以上です。
そのためご家族などから腎臓を提供していただく生体腎移植が多く、
年間約1400件(腎移植全体の約88%)行われています。
しかし、健康上の理由から提供できるご家族がいない場合もあり、
提供できた場合もその後の健康管理に細心の注意を要します。
わが国の腎移植の成績は世界トップクラスです。
さらに腎生着率(機能している割合)もそれぞれ93%、84%です。
最近は、透析療法への導入を経ない「先行的腎移植」や
輸血ができない血液型の組み合わせの人の間での「ABO血液型不適合腎移植」も可能となっています。
今後、わが国でも腎移植のメリットを享受できる患者さんが一人でも多くなって欲しいと
心から願わずにはいられません。(おわり)
