都農ワイナリー訪問3 | ワインの部屋 知識があればワインはもっと美味しい❤️

ワインの部屋 知識があればワインはもっと美味しい❤️

出会ったワインを勉強も兼ねてちょっと深掘り。
毎日、ワイン開けるわけではないので、ないときはソムリエ/エキスパート試験対策や日本ワイン検定の話も織り込んでいきたいと思います。

先のブログで紹介したように今にも雨が降りそうな中、ワイナリーツアーに参加した。

 

今回は深い内容を思い出しながら書き出したいと思う。

 

都農ワインの歴史

都農町では昔から稲作をしていたが、水の奪い合いになるため、ブドウに転換することになりキャンベル・アーリーが植えられた。

当時は、温暖な宮崎ではお盆の時期に合わせてキャンベル・アーリーを東京に出荷できていたが、他の地域でも、お盆に出荷できるようになると、優位性が無くなってきた。そこで、ワインを造るべく、1996年に第3セクターにより都農ワイナリーができた。それ以降、契約栽培に加え、自社畑からのブドウにより多種のワインが造られるようになった。現在は資本はほとんど民間に移る。

近年、栽培農家がキャンベル・アーリーやMBAなどから単価の高い食用のシャインマスカットに転換するようになり原料ブドウが減少してきていること。自社畑を広げたいが、そうすると人手が足りないというのが問題点だ。

 

土地

都農ワイナリーは背後(西側〜北側)にある尾鈴連山の麓の台地、標高200mほどのところに位置し、東に日向灘を臨む。地図上の直線距離は3km程度。

もともとは尾鈴連山は外輪山で、都農町はカルデラが東側に傾斜したと考えられ、土壌は凝結凝灰岩という岩盤の上に、火山灰などが堆積したもの。アカホヤという層は酸性が強く、根がアカホヤ層にかかると樹が枯れてしまうため、樹齢20年が限界だが、牧内では樹齢20年以上のものもあるためアカホヤがないのではないかということだ。詳しいところをメモれなかったのだが、カルシウムとかマグネシウムイオンが入ると、土が離さない、つまりブドウにいかないため、1〜2月に薄く堆肥を撒いて、ミネラルをブドウに与えやすいように工夫している。

シャルドネの最上区画の近くには水が湧いており、そのような場所で何故良質なブドウができるのか不思議だったが、地下水脈が宮崎の暑さによる地面温度の上昇を抑えているのではないかとのことだった。

 

ブドウ作り


ブドウ作りに関しては先に記載の通り、1〜2月に堆肥を薄く撒くという特徴的な作業をする。

マンズ・レインカット棚仕立て(シャルドネなどの国際品種も)など高温多雨な九州ならではの工夫がなされる。畑はカバークロップされている。もちろん、減農薬に努めている。

取締工場長の赤尾氏は月と畑の定点観測を長年続けており、それにより、防虫や収穫時期の決定をしているとのこと。

 

ブドウ品種

キャンベル・アーリー、マスカット・ベーリーA、シラー、ピノ・ノワール、テンプラニーリョ、ビジュノワール、サニールージュ

シャルドネ、甲州、ソーヴィニヨン・ブラン、アルバリーニョ、トレッビアーノ、ピノ・グリ


ワインリストから拾ってみたが実に多くの品種でワインを造っている。シャルドネは定評のあるところだが、ビジュノワールの成績がよいとのこと。

 

ワイン造り(に付随して・・・)


圧搾機は白は空気圧式(バルーン)赤はバスケットプレス機を使った方が良いとのこと。

コルクはポルトガル製

これについて、コロナ下で輸入は大変でなかったか?との問いに、コルクはそうでもなく、瓶が大変だったとのこと。

その瓶についていろいろ話を伺った。

都農ワイナリーでは透明瓶と褐色瓶を使うようにしているとのこと。それは、それ以外はリサイクルできないからだということだ。これに付随して日本では清酒の一升瓶とビール瓶、とくにビール瓶はリサイクルがしっかりしているが、コロナで循環がストップして大変だったようだとのこと。リサイクルもシステムなので、どこかで止まったら大変なんだなということがよく分かった。

樽は大手のセガン・モロー社のものを使用、ローストはM(ミディアム)を使ってみたが、生木っぽさがあり、現在はM+のものを使用しているとのこと。ナパ工場のものだということだ。

 

テイスティング

テイスティングブースにもどり、3種のテイスティングのところ、遠路はるばるということでサービスですと、最終的に8種類テイスティングさせていただくこととなった。

どれも美味しかったが、実はアンベラシー・ホワイトというピノ・グリ49%、トレッビアーノ39%、アルバリーニョ12%によるブレンドワインが面白かった。アンベラシーって英語っぽいが、宮崎で“塩梅がいい”ありは“ちょうどいい”を意味する“あんべらしー”からきている。柑橘~白桃などの果実と紅茶の香りと味わい。とくにアフターに残る紅茶の印象が面白かった。毎年セパージュは変わるようだが、とくにアルバリーニョは次からは単一で醸造できそうなのでブレンドされないかもしれないとのことだった。

しかし、いい話ばかりではなく、お土産コーナーにもテイスティングブースにもキャンベル・アーリー、MBA、シラー、甲州くらいしか置いておらず、聞いたところ、一昨年は雨にやられて収穫量が落ち、昨年も裏作や天候により収穫量が少なく、醸造量自体が少なかったようだ。