歌が上手で
歌うのも好きだった父
枕元でなつかしい曲を流せば
口づさんで歌ってくれる
音楽を軽視できないなって
毎回その実感は増すばかり
床上生活の父と
バイバイする時
近頃の口約束は
もっぱら次帰るまでに
歌練して聴かせてね
になった…
空港に向かう前
父の顔をみにいった
「またね
練習頑張ってね」
って言うと
「おまえも仕事頑張れよ」って
そして父は
♪ 「上を向いて歩こう」
をか細い声で歌いながら
片方の手を振って
バイバイしてくれた
おもわず手を握って
少し一緒に口づさんだ
今の彼からみた景色は
青空でも星空でもない
天井なのに…
駅の改札をぬけ
父のことを考えながら
時折り空をみあげながらの帰路
視界はかすむけど
上を向けば綺麗な星空が見えた
お父さん
いつまでもエールをありがとう
今夜は星が綺麗やで


