謎の物音「ガサガサ・・・」
林檎の木「ZZZ・・・ZZ・・・ん?・・・あれ?・・・スピカさん?」
スピカ「あっ、ごめん、起こしちゃった?」
林檎の木「ふぁれ?(ムニャムニャ)あ、あの、ご主人なら、まだ寝てると思いますけど、起こし
ましょうか?」
スピカ「ううん、いいの。1人でボーっとしたかったから」
林檎の木「・・・ボクでよかったら、話し相手になりましょうか?」
スピカ「ほんとに?・・・ありがとう・・・」
林檎の木「いえいえ、スピカさんには色々とお世話になりっぱなしですから。・・・特にこの1
週間の、うちのご主人の変わりようといったら・・・どうですか?あの間の抜けたし
まりのないデレーっとした顔」
スピカ「ふふ、ちょっと言い過ぎじゃない?・・・別にカッコいいと思うけどな。それに私ア
ルの以前の表情なんて知らないし・・・」
林檎の木「そりゃあもう、すごかったんですから。毎日毎日、朝から晩まで寝ずっぱりで、たま
に起きたかと思うと、食事するかプレイボーイ読むかで、もしかしたらご主人は、こ
のまま、ゴマフアザラシにでもなってしまうのではないかと、ボクは心配で心配で夜
も眠れなかったんですから」
スピカ「そうなの?・・・・・でも私もこの1週間はすごく楽しかったなぁ・・・。なんか、
寂しくなっちゃうね」
林檎の木「えっ?なっ、何でですか?寂しくなっちゃうって・・・も、もしかしてスピカさん、
どこか遠くへ行ってしまうとか・・・?」
スピカ「ううん、そんなんじゃないんだけど・・・でも、そんなもんかなぁ・・・」
林檎の木「一体何なんですか?ボク、心配っスよ。せっかくご主人が、あんなに前向きになれた
のに・・・あんな幸せそうな表情したご主人なんて、ボク生まれて初めて見たんです
から・・・。もし今、スピカさんがいなくなっちゃったら、ご主人はどうなってしま
うのか・・・」
スピカ「そんな大袈裟な〜。・・・大丈夫だよ、そんなに落ち込まないで、ね?せっかくだか
ら、もっと楽しい話しよ?」
林檎の木「・・・そ、そうっスね・・・じゃあ、今までにご主人がしてきた数々の失敗談でも、
お話ししましょうか?」
スピカ「うん、知りたいっ。聞かせて聞かせてっ」
林檎の木「・・・まずはですねぇ・・・(ゴニョゴニョ)」
* * *
アルクトゥルス「ZZZ・・・ス、スピカ〜❤️・・・ZZZ」