「もりおかアートコンシェルジュ」第一回講座 | NPO法人岩手未来機構のブログ

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活動報告などのお知らせを書いていきます。

6月20日(土)「もりおかアートコンシェルジュ」第一回講座が開催されました。
講師にお迎えしたのは、県立美術館 大野正勝首席学芸員。
いつも独自の視点で作家や作品との向き合い方についてお話くださる大野さん。
第一回は「光を求めて-戸村茂樹の版画-記憶の光景を描きとどめる」盛岡市の版画家 戸村茂樹さんです。

会場は趣ある県公会堂の特別室。
大野さんの語り口と佇まいが作り出す静かな雰囲気の中で、戸村茂樹さんの世界に引き込まれていきました。
・戸村茂樹さんが生まれ育った八戸での幼いころの体験。
・小学生のころから心惹かれ、興味を持っていた版画。
・22歳、25歳の時に出会った絵との共感。
・26~27歳のころのシリーズ7作の「遠雷」。
・道具を使った手仕事、銅版画の手法によせる信頼。
・作品の中に込めらた「予感」のひとかけら。
ご参加の皆さんもそれぞれに何かを感じ取っていただけたのではないかと思います。

そして、この日は大野さんと親しい戸村茂樹さんご本人がいらしてくださるというサプライズも!
講座の終わりに、実は会場にいらしたことを知った皆さんはびっくり!!
作家ご本人と同じ空間で同じ時を共にした貴重な体験でもありました。

講座が終わって、マーラーの第五番を聴きながら我が家への帰路を走っている時のこと。
途中、雷雨にみまわれ、しばらくすると暗い雲の向こうに日没直前の夕日が光となって現れました。
私の目の前に拡がる光景は、まさに戸村茂樹さんの「遠雷」の世界。
暗い雲の向こうに現れた光、それは予感のひとかけら。
一枚の絵との出会いがなければ何気なく通り過ぎてしまったはずの光景は、マーラーの力も借りて特別な忘れられない光景になりました。

講座は全四回、第二回は8月末開催予定です。
来年の岩手国体の期間をメインに現在準備を進めている「いわてアートプロジェクト2016」。
これまでに被災地復興のために支援を続けてきた国内外のアーティストを中心とした展覧会で、岩手から全国、世界へ、「感謝」と「今」を伝えようというプロジェクトです。
アートコンシェルジュはこの展覧会のご案内役。
講座にご参加くださった皆さんと展覧会で活動できる日が、いまから楽しみです。


岩手日報 2015年6月21日

郷土の芸術ガイド養成 盛岡で講座スタート

NPO法人岩手未来機構(木村要一理事長)は20日、盛岡市内丸の県公会堂で、もりおかARTコンシェルジュの養成講座を始めた。
来年の岩手国体に合わせて同法人が県内各地で開催する「いわてアートプロジェクト2016」の一環で、参加者は本県ゆかりの芸術家に理解を深めた。
県内外から約20人が参加。県立美術館の大野正勝首席専門学芸員が同市の版画家戸村茂樹さんの作品や創作姿勢について講話し、
「感じたことを言葉にするのは難しいが、言葉にしようとすることで作品をより深く感じることができる」と語った。
同市中央通1丁目の主婦(50)は「コンシェルジュの役割は教えることではなく、相手が感じたことを受け止めることだと思った」と認識を新たにしていた。
同プロジェクトは東日本大震災後、アートを通じて本県を支援してくれた国内外の芸術家に感謝の思いを表したいと企画。
ARTコンシェルジュは同企画のメーンとなる展覧会などでアートボランティアとして活動する。養成講座は来年1月までに全4回開く。



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