時は幕末
動乱の京都に彼はいた。
鋭い眼光をしていたが顔は幼い。齢十五、六だろうか。
彼の仕事は暗殺業
来る新時代のために剣を振るっていた。
その剣術の凄まじさから人々は彼をこう呼んだ。
『人斬り抜刀斎』
今宵の仕事もいつもと変わらぬ、幕府の重要人物の暗殺だった
己を信じ剣を振るった
タタタッ
タンッ
シュッピーーーーーン
切り捨て御免
ザシュッ
スタン
その場を去ろうとした時だった。
この世に未練を残した最後の一振りが、気を抜いた彼の頬をかすめた。
それきり事切れてしまったが、その一振りは彼の心と左頬に永く残ることになる。
このとき イワターボ は イワターボノ になった。
