宇宙好きの皆さん、こんにちは!

デジタル化推進アカデミーの岩田敏彰です。

 

2023年10月に富山市で開催された

第67回宇宙科学技術連合講演会の

セッションの紹介をしています。

 

今回は「月探査・月面基地」。

18件の発表がありました。

このセッションだけでなく、

月関連のセッションはほかにもいくつかあり、

月関連の発表はかなりの数になります。

 

このセッションでも面白い発表がいくつもありました。

・多面体を回転させて自己組み立てと自律的な可動性を使って居住空間を建設するシステムのコンセプトの紹介がありました。

・メートル波による天文観測は天文学にとって最後のフロンティアの一つで、その天文台を月の裏側に作るという概念検討。

・有人地上レーザ測量で得られた三次元点群データの月面原地形をローバによる測量で修正するという研究。

・長期有人・無人探査を実現するために、ダスト・レゴリス軽減システムの研究。

・月基地建設材料の必要強度と振動加圧によるレゴリス固化体の開発に関する研究。

・産業廃棄物処理の観点から、月面における人工物の利用について考察し、今後の取り組みの考え方を紹介。

・液体酸素は宇宙では比較的安全に扱えるため、爆薬としての実現性検討。

・鳥取砂丘を舞台に民間企業や鳥取県が推進している月面に関する活動を整理し、研究者が入手可能なデータと月面開発への活用について紹介。

・月極域探査機へのレーザーによる無線給電の研究開発状況の紹介で、1kmの距離で20W以上の電力供給が可能であることが示された。

・反力を必要としない、または最小限の反力で岩盤を掘削する方法を調査・検討し、その中で熱応力下での簡易破砕試験を実施した。

・月表面や地下空洞で長期間安定した電力供給が可能な小型月原子炉の概念設計。

・将来の月探査プロジェクトで広く使用できる月面シミュレーターをUnreal Engine 5というゲーム開発ツールを使用して開発。

・GPSがない月面でのステレオビジョンベースの月探査車の位置決定手法の評価。

・障害物を避けるために、前輪の軌跡に後輪を追従させる車両運動制御方法の検討がされた。

・月面における定置型マイクロ波電力伝送装置の設置間隔について検討。先にレーザーによる給電の発表がありましたが、こちらはマイクロ波です。

・三菱電機統合デザイン研究所の「Ticket for LunaCity」チームが、月面のインフラ整備に応用可能な自社技術の探索を実施。

・テラメカニクス(機械と土壌の相互力学関係)を考慮したスリップ率制御による走行性能向上効果と、走行抵抗推定による車速追従効果を評価。

 

居住空間、ローバ、環境利用、給電、

建造物の構築方法、資源の有効利用などなど、

月にはいろんな課題が山積で面白そうですね。