宇宙好きの皆さん、こんにちは!
デジタル化推進アカデミーの岩田敏彰です。
2023年10月に富山市で開催された
第67回宇宙科学技術連合講演会の
セッションの紹介をしています。
火星や月面で生活するにしろ、
宇宙ステーションのようなところで生活するにしろ、
また、火星に向かうときの宇宙船での生活にしろ、
人間を長期にわたって生存させるための
システムが必要になります。
そのためには食糧、酸素、糞尿の処理などを
どうするかが課題となります。
このセッションではそのようなことが扱われています。
17件の発表がありました。
内容としては、
・この分野で多くの業績を残された新田慶治先生の追悼から始まりました。
・三菱重工の取り組みが紹介されました。
・地球外環境下で循環型経済チェーンを構築するための環境制御を可能とするエネルギー循環に関する研究を紹介されました。
・ECLSS(Environmental Control and Life Support System)シミュレーションソフトウェアSICLEの開発と、植物モデルの構成と、逐次栽培と光依存成長の2つのシミュレーションが例示されました。
・閉鎖実験施設での漏洩低減手法の調査結果と、耐圧構造と内圧調整の必要性を確認した動的シミュレーションの結果を紹介されました。
・バイオマス生産コストモデルを用いて、月面食料生産について経済的観点からクローズドループ施設の利点を評価されました。
・コンサートやライブなどの文化活動の場として機能する宇宙有人モジュールについて実現可能性を検討されました。
・月縦孔での滞在開始用ベースキャンプにおける必要物品が推算されました。
・ボロンドープダイヤモンド粉(BDDP)を充填した電解フローセルは高効率で水処理に有用で、閉鎖系用に改良し、流量を増加させることで分解効率を向上させる研究が紹介されました。
・ルナ・ゲートウェイ国際宇宙ステーション(I-HAB)に搭載する二酸化炭素除去システム(CDRS)の開発について紹介されました。
・可視光スイング技術に対応したCO2吸収・放出剤の開発について紹介されました。
・プルシアンブルー類似体によるアンモニアの選択的吸着と、固形重質炭酸アンモニウムの形態での豚舎での利用について紹介されました。
・I-HAB搭載を目指した有害ガス除去システムの開発状況が紹介されました。
・ I-HABでの圧力制御システムの開発状況の概要と、超高圧窒素・酸素ガスを用いた BBM(Bread Board Model)システム試験の結果が報告されました。
・二酸化炭素還元システムを想定した回転式気液分離機の開発について報告されました。
・これまでに開発した二酸化炭素還元-酸素製造タンデム型反応器について、タンデム反応器の圧力条件と耐久性を向上させるため、サバチエ反応部と水電解部の改造を行ったことが報告されました。
・JAXA調布航空宇宙センターで2014 年-2017 年頃に行われた空気再生地上実証装置の要素研究と統合運転について紹介されました。